【I LOVE GT-R!】GT-Rを鍛え上げた世界で最も過酷なサーキット、ニュルブルクリンクの凄み

GT-Rは第2世代のR32からドイツ・ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース/全長20.832km)を鍛錬の場に選んでいる。R35は2014年のニスモ・アタックパッケージで7分8秒679を叩き出したなぜGT-Rはニュルを選んだのか菰田潔氏が分析

 ドイツ北西部ラインラント・プファルツ州、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)は世界で最もタフなサーキットとして知られる。最初は村起こしのために建設され、レース&テストコースとして1927年に開業した。その目論見は見事に当たり、いまでは春先から初冬の雪のないウィークデイは朝から夕方までカーメーカーやタイヤメーカーが毎日テスト走行している。

 この「インダストリアルプール(IP)」という時間帯とは別に「ツーリステンファルテン」と呼ぶ、自分のクルマか専用レンタカーで走れる時間帯もある。それはウィークデイのIPが終わってからの2時間30分ほどと、ウィークエンドと祝日の朝から夕方まで。ちなみに1周の料金は24ユーロ(約3300円)である。

コース図

 ニュルのノルドシュライフェは、ドライバーにもクルマにも非常に難しいコースだ。ドライバーはこのコースを熟知していないと速く走れない。先が見えないブラインドコーナーだらけで、左右だけでなくアップダウンが大きいので上下方向のブラインドも多い。さらにコースは1周20.832kmもある。何周か走ったら把握できる通常のサーキットとは大違いだ。トリックコーナーも多く、左右のガードレールは直線なのにアスファルト舗装はS字になっている場所もたくさんある。さらにジャンピングスポットが3個所もあるから、ちゃんと場所を把握しておかなければならない。エスケープゾーンが狭くコースを外れると即クラッシュにつながる。

 クルマにとっての難しさは、路面の悪さだ。ニュルでもF1が走る5.1kmのGPコースはとてもフラットだが、ノルドシュライフェは路面が荒れている。サスペンションの動きがよくないとタイヤが接地できなくなり、飛んでしまう。またニュル近郊で採れる石をアスファルトの骨材として使っているので路面そのもののグリップが悪い。とくに雨が降ってウェット路面になると走り込んでいるレコードラインは雪道並みにミューが下がってしまう。高低差も驚くほど。いちばん標高が低いエクスミューレから最高地点のホーエアハトまで約5kmの間ずっと登りが続き、その標高差は300mにも達する。つまりアクセル全開で上り続けるという、エンジンにとって過酷な条件が揃っている。しかも楽に時速200kmを超える領域での話だ。ノルドシュライフェはすべてがサーキットとしてケタ違いなのだ。

ニュル走り02

 ニュルを攻略するためには、サスペンションとボディ剛性は高いほうがいい。それでもサスの動きはしなやかでなければ接地してくれない。ジャンプすればサスは伸び切り、着地すればフルバンプするからセッティングは難しい。そしてエンジンは常識外れともいうべき過酷な条件にさらされる。並のレベルでは持たない。

 こんなノルドシュライフェで鍛え上げられたのがGT-Rなのだ。ただ速いだけでなく、過酷なノルドシュライフェを平気で走れるということは、世界中のどこでもパフォーマンスが引き出せるという証明書になる。

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