【最新モデル試乗】ゲームチェンジャーの予感!? 受注絶好調、日産サクラと三菱eKクロスEVの静かでパワフルな新世界

日産サクラG 価格▷294万300円/三菱eKクロスEV・P 価格▷293万2600円

 

日産サクラG サクラはデイズをベースに内外装を専用デザインで仕上げたBEV ラインアップはG(写真・294万300円)とX(239万9100円)を基本にビジネスユースのS(233万3100円)を用意 サクラは前回の東京モーターショーに出展された「IMk」の市販バージョン

日産サクラG サクラはデイズをベースに内外装を専用デザインで仕上げたBEV ラインアップはG(写真・294万300円)とX(239万9100円)を基本にビジネスユースのS(233万3100円)を用意 サクラは前回の東京モーターショーに出展された「IMk」の市販バージョン

三菱eKクロスEV・P 三菱はクロスオーバースタイルのeKクロスのバリエーションとしてEVを用意 P(写真・293万2600円)とG(239万8000円)の2グレード構成 エンブレムなど細部がエンジン車との識別点 メカニズムはサクラと基本的に共通仕様

三菱eKクロスEV・P 三菱はクロスオーバースタイルのeKクロスのバリエーションとしてEVを用意 P(写真・293万2600円)とG(239万8000円)の2グレード構成 エンブレムなど細部がエンジン車との識別点 メカニズムはサクラと基本的に共通仕様

街乗り主体のKカーとBEVは相性抜群。2台は個性明確だった

 一充電当たりの航続距離が 180km(WLTCモード)でも、軽自動車なら問題ない。それより、いち早くEVに乗りたい。そう思っている人が少なくないことは、受注状況(6月下旬現在サクラ約1万7000台/eKクロスEV約4300台)でも明らかだ(手厚い補助金も効いている)。

 サクラとeKクロスEVは、メカニズムが共通のBROS車。キャッチーなネーミングが与えられたサクラは、日産BEVのエントリーモデルであると同時に、軽自動車の中で別格的なポジショニングが与えられた。内外装は専用仕立てだ。対して、三菱版は既存のeKシリーズの一員とされた。両車ではっきりと個性が異なり、ユーザーの好みで選べるのはよい商品展開だと思う。

 実車を見て印象的なのは、サクラのクオリティ感だ。資料でも「プレミアム」という言葉を使っている。軽自動車でここまでやるとは恐れ入った。  スッキリとした外装も上質だが、大画面の見やすいカーナビには便利な機能を満載。室内は収納スペースが非常に充実しており、インパネからドアまでつながるファブリックの質感も好印象。雰囲気を損なわないよう助手席側のエアコン吹き出し口にドリンクホルダーをあえて配置しなかったという。

 情報を整理しただけでも、軽自動車とEVの組み合わせは、相性がいいと想像できたが、試乗して、その思いは確信に変わった。  2台とも、足回りやステアリングのチューニングは共通。実力は同じと考えてよい。動力性能は最大トルク195Nmと、ターボ付きの軽自動車の2倍近いだけあって、かなり力強い。踏み始めからリニアにレスポンスしてスムーズに加速するモーター駆動ならではの威力を感じる。テスコースでも感心したが、一般路上では一段とその走りのよさを実感した。

 加えて、とても静かだ。モーターだから静かなだけではない。パワートレーンが静かになることで、かえって気になりがちなタイヤが発する音や風切り音も抑えられている。そのあたりをしっかり手当てした配慮もたいしたものだ。  おかげで、サイズこそ軽自動車でも、軽自動車に乗っている感じがしない。インテリアの質感にこだわったサクラはなおさらだ。

サクラ真正面

駆動用モータースペックは64ps/195Nm 最高出力は軽自動車の上限 最大トルクは通常ターボ車の約2倍の実力 航続距離180kmは軽自動車の使用状況を考慮して設定された

駆動用モータースペックは64ps/195Nm 最高出力は軽自動車の上限 最大トルクは通常ターボ車の約2倍の実力 航続距離180kmは軽自動車の使用状況を考慮して設定された

充電は普通/急速に対応 充電時間は普通充電(2.9kW)で約8時間

充電は普通/急速に対応 充電時間は普通充電(2.9kW)で約8時間

eKクロスEV真正面

低重心を感じるフットワーク、コーナリングが楽しい!

 フットワークもEVの強みが光る。トレッドが狭くて重心が高い軽ハイトワゴンは、走りにおいては非常に不利なパッケージである。だが、ちょっぴりハードなコーナリングを試みても、車高が低いクルマのような感覚で曲がれる。
 それは、重量物のバッテリーを車体の中央寄りの低い位置に積んでいるからだ。航続距離と充電の問題さえ対処できれば、軽自動車のEVは、本当にいいことづくめなのだ。なお、重量配分の変化が直進安定性に与える影響は、電動パワーステアリングのチューニングで対処したという。高速道路を含め直進性も模範的である。

 気になった点は後席の乗り心地。後輪サスペンションはベースとなったガソリン車の4WD用を流用している。EV化による重量増に合わせてブッシュ容量を増やすなどしたというが、やや突き上げを感じる。前席があまりに快適なので、後席の乗り心地は気になった。  もうひとつはワンペダルの味付けだ。かなりこだわって作り込まれている様子はうかがえたものの、もう少し自然になるとなおよい。

 軽自動車としては望外の運転支援や駐車支援機能の恩恵にあずかれることもEV化の賜物。サクラとeKクロスEVは乗って楽しく、未来を感じるモデルである。このクルマが手元にあったら日々の生活が輝きを増すに違いない。

サクラとeKクロスEVはCEV補助金(55万円)対象車 予算額の上限に達すると終了(予算消化後は補助金は受けられない)

サクラとeKクロスEVはCEV補助金(55万円)対象車 予算額の上限に達すると終了(予算消化後は補助金は受けられない)

サクラのインパネはドアトリムを含めアッパー部をファブリックで仕上げた上質な作り デザインも液晶メーターとセンターディスプレイを連結させたモダンな印象

サクラのインパネはドアトリムを含めアッパー部をファブリックで仕上げた上質な作り デザインも液晶メーターとセンターディスプレイを連結させたモダンな印象

シート前

シートはクッション性に優れたソファー感覚の座り心地 写真はプレミアムインテリア仕様(op4万4000円) 駆動バッテリーは床下に搭載する

シートはクッション性に優れたソファー感覚の座り心地 写真はプレミアムインテリア仕様(op4万4000円) 駆動バッテリーは床下に搭載する

メーターは見やすいフル液晶 電費やステアリング切れ角など多彩な情報を表示

メーターは見やすいフル液晶 電費やステアリング切れ角など多彩な情報を表示

走行セレクターはセンターパネルに配置 オートACの操作はタッチパネル式

走行セレクターはセンターパネルに配置 オートACの操作はタッチパネル式

サクラGは高速道路で便利な車線維持&全車速対応のプロパイロット標準装備

サクラGは高速道路で便利な車線維持&全車速対応のプロパイロット標準装備

荷室は後席スライド位置の調節で広さを変更できる アンダーボックスに充電ケーブルが積める設計

荷室は後席スライド位置の調節で広さを変更できる アンダーボックスに充電ケーブルが積める設計

ヘッドライトはシグネチャーポジション灯付きフルLED サクラGはアダプティブハイビーム装備

ヘッドライトはシグネチャーポジション灯付きフルLED サクラGはアダプティブハイビーム装備

サクラGに165/55R15タイヤ+アルミはop(2万2000円) アルミは日本伝統の「水引」にインスパイアされたデザイン 最小回転半径4.8m

サクラGに165/55R15タイヤ+アルミはop(2万2000円) アルミは日本伝統の「水引」にインスパイアされたデザイン 最小回転半径4.8m

走りは「脱軽自動車イメージ」 全域で力強くそして静粛 バッテリー搭載による低重心化でコーナリング挙動も安定

走りは「脱軽自動車イメージ」 全域で力強くそして静粛 バッテリー搭載による低重心化でコーナリング挙動も安定

日産サクラ主要諸元と主要装備

サクラ サイド

グレード=サクラG 価格=294万300円
全長×全幅×全高=3395×1475×1655mm
ホイールベース=2495mm トレッド=フロント:1300×リア:1295mm
車重=1080kg
モーター型式=MM48(交流同期電動機)
モーター定格出力=20kW
モーター最大出力=47kW(64ps)/2302〜10455rpm
モーター最大トルク=195Nm/0〜2302rpm
一充電走行距離=180km(WLTCモード)
交流電力量消費率=124Wh/km(WLTCモード)
駆動用バッテリー=リチウムイオン電池
駆動用バッテリー総電力量=20kWh
サスペンション=フロント:ストラット/リア:3リンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=155/65R14+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=4名
最小回転半径=4.8m

主要装備:プロパイロット/プロパイロット緊急停止支援システム/インテリジェントエマージェンシーブレーキ/インテリジェント車線逸脱防止支援システム/ふらつき警報/踏み間違い衝突防止アシスト/標識検知機能/SOSコール/ヒルスタートアシスト/IRカット&スーパーUVカット断熱グリーンガラス/プライバシーガラス(リア3面)/LEDヘッド&フォグランプ/アダプティブハイビーム/インテリジェントオートライト/サイドターンライト内蔵ドアミラーグ/ステアリングヒーター/EV専用9インチ日産コネクトナビゲーション/ETC2.0車載器/オートAC/PTC素子ヒーター/ヒートポンプシステム(省電力暖房システム)/前席シートヒーター/eペダルステップ/ドライブモードセレクター/電制シフト/5対5分割可倒式リアシート
装着メーカーop:プロパイロットパーキング5万5000円/プレミアムインテリアパッケージ4万4000円/165/55R15タイヤ+15インチアルミ2万2000円/充電ケーブル(コントロールボックス付き100V・7.5m)5万5000円
ボディカラー:暁・サンライズカッパーメタリック/ブラックパール2トーン(op7万7000円)
※価格はすべて消費税込み

サクラ エンブレム

 

eK Xエンブレム

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