新しいデザイン言語で製作されたクロスオーバーEVのコンセプト版ミニを考察

これが近未来のミニEVクロスオーバーの姿! 新しいデザイン言語「カリスマティック・シンプリシティ」で具現化したミニ初のクロスオーバーEV「ミニ・コンセプト・エースマン」が発表

 独BMWグループのミニは2022年7月27日(現地時間)、ミニ・ファミリー初のクロスオーバー電気自動車の試作モデルとなる「ミニ・コンセプト・エースマン(MINI Concept Aceman)」を発表した。

▲ミニ・ファミリー初のクロスオーバーEVの試作モデルとなる「ミニ・コンセプト・エースマン」。新時代のミニのデザイン言語である「カリスマティック・シンプリシティ」に基づいてデザインされた

▲ミニ・ファミリー初のクロスオーバーEVの試作モデルとなる「ミニ・コンセプト・エースマン」。新時代のミニのデザイン言語である「カリスマティック・シンプリシティ」に基づいてデザインされた

 

 ミニ・コンセプト・エースマンは、新時代のミニのデザイン言語である「カリスマティック・シンプリシティ」に基づいて製作し、かつミニが完全電動化の将来に向けてどのように自己改革しているのかを物語る、次世代型のクロスオーバーEVに仕立てたことが特徴である。

▲エクステリアは多用途性と堅牢な魅力を強調するクロスオーバータイプで構成。ゴールドにも通じる明るいターコイズの色調で光や角度によって明暗が変化する、アイシー・サングロー・グリーンのボディカラーを纏う

▲エクステリアは多用途性と堅牢な魅力を強調するクロスオーバータイプで構成。ゴールドにも通じる明るいターコイズの色調で光や角度によって明暗が変化する、アイシー・サングロー・グリーンのボディカラーを纏う

 

 エクステリアについては、多用途性と堅牢な魅力を強調するクロスオーバータイプを採用。同時に構成要素を極限まで絞り込み、精緻なエッジを巧みに配してシンプルかつスマートなボディ面を構築する。ゴールドにも通じる明るいターコイズの色調で光や角度によって明暗が変化する、アイシー・サングロー・グリーンの新ボディカラーも印象的だ。

 各部のデザインにも徹底してこだわる。フロントマスクはLEDユニットで八角形グリルを象り、その内部には状況に応じて様々な照明シナリオを映すマトリクス LED ユニットを配備。LEDヘッドライトは従来の丸型から独自の輪郭を持つ造形に刷新した。一方でサイドビューは、幾何学的にアレンジしたフラットなパネル面のホイールアーチや、エッジのきいたライン、クラシック・ミニの溶接シームを想起させるAピラー下の斜めの輪郭、フラッシュサーフェスタイプのドアオープナー、スポークに視覚的な深みとダイナミズムを与えた20インチアルミホイールなどによって、明快かつ力強いスタイルを演出。さらにリアセクションは、ボディとウィンドウグラフィックの境目に印象的な切れ込みを配するとともに、マトリクスLEDユニットを内蔵したコンビネーションランプやワイドなダークカラーのボディ下端サラウンドなどを組み込んで、存在感あふれる筋肉質な後ろ姿を具現化した。

 ルーフ部のアレンジも要注目。伝統的なメタリックのブリティッシュレーシンググリーンで塗装したうえで、PVD虹色コーティングを施したルーフラックを装備。ラックはブルー、ターコイズ、グリーン、バイオレット、ピンクといった幅広いカラー・スペクトルにまたがるメタリックな輝きを放つ。ロイヤルブルーで彩ったフロントとリアのアンダーライド・プロテクション・エレメントも、見る者を惹きつけるポイントだ。

 開発責任者によると、ミニ・コンセプト・エースマンは未来のミニ・ファミリーにおいて、ハッチバックタイプのミニとミニ・カントリーマン(日本ではクロスオーバー)の間を埋めるまったく新しいモデルとしてデザインしたという。ボディサイズは全長4050×全幅1990×全高1590mmに設定している。

▲フロントマスクはLEDユニットで八角形グリルを象り、その内部には状況に応じて様々な照明シナリオを映すマトリクス LED ユニットを配備

▲フロントマスクはLEDユニットで八角形グリルを象り、その内部には状況に応じて様々な照明シナリオを映すマトリクス LED ユニットを配備

▲ルーフは伝統的なメタリックのブリティッシュレーシンググリーンで塗装したうえで、PVD虹色コーティングを施したルーフラックを装備する

▲ルーフは伝統的なメタリックのブリティッシュレーシンググリーンで塗装したうえで、PVD虹色コーティングを施したルーフラックを装備する

▲ミニ・コンセプト・エースマンはハッチバックタイプのミニとミニ・カントリーマン(日本ではクロスオーバー)の間を埋めるまったく新しいモデルとしてデザイン。ボディサイズは全長4050×全幅1990×全高1590mmに設定

▲ミニ・コンセプト・エースマンはハッチバックタイプのミニとミニ・カントリーマン(日本ではクロスオーバー)の間を埋めるまったく新しいモデルとしてデザイン。ボディサイズは全長4050×全幅1990×全高1590mmに設定

 

 内包するインテリアは、「MINIマリズム」の刷新がメインテーマだ。コクピットは小径のステアリングホイールや円形の有機ELディスプレイ、トグルスイッチなどでミニらしさを演出しながら、新しいマルチスクリーン・インフォテインメントを配して、かつてないユーザー・エクスペリエンスを実現した革新的なインタラクティブ・テクノロジーを採用する。クロームやレザーを使わず、リサイクルポリエステルによる新しいニットによってソフトなサーフェスを構築したことも訴求点だ。3つの新しいエクスペリエンス・モードを装備したことも特徴。ダッシュボードに映し出される背景画像に好みのアニメーション(空に浮かぶ雲、岸辺で砕ける波、プールの水のきらめき等)が選べ、かつその画像に合わせたサウンドも用意する「パーソナルモード」、外食やイベント、トレンドなどの体験カテゴリを選択したり、アニメーションのルーレットを回して行きたい場所を決めたりするなどのサプライズ要素を配備した「ポップアップモード」、すべての旅をより遊び心のあるインタラクティブで愉しい体験に変え、また車両が停止しているとディスプレイエリア全体がまったく新しいインタラクティブ・デザインに変わる「ビビッドモード」といったスタイルを設定する。

▲コクピットは小径のステアリングホイールや円形の有機ELディスプレイ、トグルスイッチなどでミニらしさを演出しながら、新しいマルチスクリーン・インフォテインメントを採用。写真はダッシュボードに映し出される背景画像に好みのアニメーションが選べる「パーソナルモード」

▲コクピットは小径のステアリングホイールや円形の有機ELディスプレイ、トグルスイッチなどでミニらしさを演出しながら、新しいマルチスクリーン・インフォテインメントを採用。写真はダッシュボードに映し出される背景画像に好みのアニメーションが選べる「パーソナルモード」

▲イベントやトレンドなどの体験カテゴリを選択したり、アニメーションのルーレットを回して行きたい場所を決めたりするなどのサプライズ要素を配備した「ポップアップモード」

▲イベントやトレンドなどの体験カテゴリを選択したり、アニメーションのルーレットを回して行きたい場所を決めたりするなどのサプライズ要素を配備した「ポップアップモード」

▲すべての旅をより遊び心のあるインタラクティブで愉しい体験に変え、また車両が停止しているとディスプレイエリア全体がまったく新しいインタラクティブ・デザインに変わる「ビビッドモード」

▲すべての旅をより遊び心のあるインタラクティブで愉しい体験に変え、また車両が停止しているとディスプレイエリア全体がまったく新しいインタラクティブ・デザインに変わる「ビビッドモード」

▲モードによって異なる表示となる有機ELディスプレイを装備

▲モードによって異なる表示となる有機ELディスプレイを装備

 

 

 前後席に関しては、視覚的にも、人間工学的にも洗練された仕上がりの新造形シートを装備。表皮には落ち着いた色合いのフラットニット、ベルベットベロア、ワッフルを組み合わせた新しい素材を張る。また、リアまで伸びる透明なフローティングセントラルコンソールや、機能的なワイレス充電エリアおよびカップホルダーなどを配備し、利便性を大いに高めた。パノラミックガラスサンルーフと組み合わせたキャビンのフリーフローティングデザイン、車両に近づいた際や暗部での乗降時にセンサーが作動して足元を照らす光アニメーションなど、随所に新しいアイデアを盛り込んだ点も、ミニ・コンセプト・エースマンのアピールポイントである。

▲視覚的にも、人間工学的にも洗練された仕上がりの新造形シートを装着。前席はヘッドレスト一体式

▲視覚的にも、人間工学的にも洗練された仕上がりの新造形シートを装着。前席はヘッドレスト一体式

▲表皮には落ち着いた色合いのフラットニット、ベルベットベロア、ワッフルを組み合わせた新しい素材を張る

▲表皮には落ち着いた色合いのフラットニット、ベルベットベロア、ワッフルを組み合わせた新しい素材を張る

▲車両に近づいた際や暗部での乗降時にセンサーが作動して足元を照らす光アニメーションを設定

▲車両に近づいた際や暗部での乗降時にセンサーが作動して足元を照らす光アニメーションを設定

 

 なお、ミニ・コンセプト・エースマンは本年8月23日にドイツのケルンで開催されるゲームイベント「gamescom 2022」のグランド・オープニング・ショー「オープニング・ナイト・ライブ」において実車が一般公開される予定。ライブストリーミングによる配信も行うという。また、市販バージョンの「ミニ・エースマン」は2024年のデビューを予告している。

▲市販バージョンの「ミニ・エースマン」は2024年にデビュー予定。コンセプトカーのデザイン要素を随所に盛り込むという

▲市販バージョンの「ミニ・エースマン」は2024年にデビュー予定。コンセプトカーのデザイン要素を随所に盛り込むという

 

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