これまで約70万台が世界で販売されてきたリーフが3世代目に移行し、見た目も中身も全面的に改良された。
まず日本でベールを脱いだのは78kWhバッテリーを搭載したB7シリーズで、グレードは標準のX(518万8700円)と、上級版のG(599万9400円)の2種。ともにプロパイロットをはじめ装備は充実しており、Xが18インチ、Gは19インチタイヤを装着するのが相違点。一充電当たりの走行距離は、Xが702km、Gは685kmと十分なレベルを達成している。
実車と対面すると、ガラリと変わったデザインに目が釘づけになる。2BOXのハッチバックスタイルから一転して、アリアのコンパクト版のような先進クロスオーバースタイルとなった。空力向上のためファストバック化されるとともに、全長が2代目比で120mmも短くなったことで、凝縮感のある独特の雰囲気をまとっている。
スリーサイズは4360×1810×1550mm。従来比で全幅は20mm拡大し、全高は10mmだけ高くなったものの、取り回しのよさはそのまま。機械式立体駐車場に対応する車高を維持してくれたのはうれしいポイントだ。空力性能にも力を入れていて、Cd値は0.26を達成したという。
新型は基本骨格から刷新された。これまで使っていたBプラットフォームは内燃エンジン車にも用いられていたが、アリアと共通のBEV専用CMF-EVプラットフォームに変更。これにより車内の居住性は大幅に向上しており、これまで車内にあった空調ユニットをボンネット下のモータールームに移設したことで、前席の足元が広々とした。さらに、プッシュボタン式シフターの採用により容易にウォークスルーできるようにもなっている。後席のセンタートンネルがなくなりフラットになったのも朗報である。頭上には、電子制御によりガラスの透明度を変えられるようにした調光パノラミックガラスルーフを設定。新型の室内は広いだけでなく気持ちのいい開放感がある。
インパネも先進的である。横方向にワイドなフローティング形状を基調に、12.3インチと14.3インチのスクリーンを統合。メーターの背景デザインには、 日本家屋に見られる「縁側」を含めた5種類が用意され、64色から選べるアンビエント照明も楽しめる。Googleビルトイン機能を搭載した最新のインフォテイメントシステムも、大きなポイントのひとつ。これについては公道で試乗した際に詳しくレポートしたい。
新型の足回りは、CMF-EVプラットフォームの採用によりフロントがストラット、リアはマルチリンク式に変更。最小回転半径は19インチタイヤ装着車でも5.3mとなかなか小回りが利く。
パワートレーンについては、高出力化と小型化、静粛性を両立するために、モーター/インバーター/減速機を一体化した3in1のEVパワートレーンを搭載。B7のバッテリーは前述のように75.1kWh仕様。モーターは最高出力160kW(214hp)、最大トルク355Nmというスペックとなる。なお新型リーフには52.9kWhバッテリーの普及版も用意される。こちらはB5を名乗り、来年2月に日本デビューの予定だ。
過去2世代のリーフは、バッテリーのヒートマネージメントが弱点となっていた。新型は万全の熱対策を施した。これで夏場や高負荷走行時には熱ダレしたり、冬場に充電速度が上がらなかったりする事象はなくなるに違いない。
新型リーフのプロトタイプに、追浜のグランドライブで試乗した。走り始めてすぐに感じたのは、パワートレーン自体の進化だ。乗りやすく、静かで振動もない。これまで見受けられたモーターが発するキーンという電気的な音が、新型では聞こえなくなっていた。
さらに素晴らしいのはドライバビリティである。文字どおり、意のままに加速し減速して曲がることができる。違和感らしきものがほぼない。挙動が自然でどこにもカドがなく、加減速時にカクンと不意に首が振られるようなこともない。新型はクルマ酔いしやすい人でもドライブが楽しめそうだ。完成度は非常に高い。
パフォーマンスも優秀だった。絶対的な速さを追求したクルマではないが、十分な性能を備えている。ラックアシストになった電動パワーステアリングのフィーリングもスッキリとしていて、乗りやすさを印象づけている。
乗り心地もよさそうだ。公道を想定したグランドライブには、ところどころに起伏や継ぎ目や段差が設けられている。日本の路面の特性に合わせたという乗り心地重視の足回りはしなやかで、継ぎ目や段差を通過しても衝撃が伝わってこない。ロールやピッチングはそれなりに出るものの、普通に乗るなら現在のセッティングはマトを射たものといえる。多くのユーザーから好まれるに違いない、と実感した。
新型は、極めて快適で乗りやすい点が印象的だった。気になるところは皆無。開発陣が追求したとおり、「メインストリームEV」として日常生活で不満なく使えるように仕上がっていた。
リーフは一般公道でじっくりと乗って、最大で700kmを超える航続距離や150kW級の急速充電、ナビリンクバッテリーコンディショニングやインテリジェントルートプランナー、インテリジェントディスタンスコントロールなどの新しい機能を早く確かめてみたい。楽しみである。
