トヨタbZ4Xがマイナーチェンジ。航続距離は最大746kmへと大幅に延長

トヨタの電気自動車「bZ4X」が一部改良を実施。航続距離の延長や急速充電時間の短縮など「使いやすさの改善」や、eAxleの小型化・形状最適化などによる「BEVならではの楽しさを追求」、フロントマスクやインパネなど「内外装デザインの変更」、車両価格の引き下げを実施して、電気自動車をより身近な選択肢へと昇華

 トヨタ自動車は2025年10月9日、電気自動車(BEV)のbZ4Xの一部改良を行い、同日より発売した。

▲トヨタbZ4X・Z(FWD) 価格:550万円 全長4690×全幅1860×全高1650mm ホイールベース2850mm 車重1880kg 乗車定員5名 一充電走行距離(WLTCモード)746km 交流電量消費率(WLTCモード)113Wh/km

▲トヨタbZ4X・Z(FWD) 価格:550万円 全長4690×全幅1860×全高1650mm ホイールベース2850mm 車重1880kg 乗車定員5名 一充電走行距離(WLTCモード)746km 交流電量消費率(WLTCモード)113Wh/km

車種展開は以下の通り。

G:FWD480万円

Z:FWD550万円/4WD600万円

なお、車両価格は従来比でGグレードが70万円、Zグレードが50万円値下げしている。

 今回の改良は、電気自動車をより身近な選択肢へと発展させることを目的に、航続距離の延長や急速充電時間の短縮など「使いやすさの改善」や、eAxleの小型化・形状最適化などによる「BEVならではの楽しさを追求」、フロントマスクやインパネなど「内外装デザインの変更」を実施したことが特徴である。

▲トヨタbZ4X・G(FWD) 価格:480万円 全長4690×全幅1860×全高1650mm ホイールベース2850mm 車重1830kg 乗車定員5名 一充電走行距離(WLTCモード)544km 交流電量消費率(WLTCモード)111Wh/km

▲トヨタbZ4X・G(FWD) 価格:480万円 全長4690×全幅1860×全高1650mm ホイールベース2850mm 車重1830kg 乗車定員5名 一充電走行距離(WLTCモード)544km 交流電量消費率(WLTCモード)111Wh/km

 まず「使いやすさの改善」の改善については、後述するパワートレインの改良やリチウムイオン電池の総電力量アップ(71.4kWh→74.7kWh、Zグレード)などを図って、一充電航続距離(WLTCモード)をZ FWDで従来の559kmから746kmに、Z 4WDで540kmから687kmに延長。G FWDはリチウムイオン電池の総電力量を71.4kWhから57.7kWhに下げたものの、パワートレインの改良もあって、一充電航続距離(WLTCモード)は従来の567kmから544kmのダウンにとどめた。また、急速充電における時間短縮を図り、150kW(350A)の急速充電器を使用した場合で駆動用電池容量表示約10%から約80%までを最短28分短縮する。急速充電時に予め電池温度を温めることで低温時の充電速度を改善するバッテリープレコンディショニング機能も採用して、寒冷地での利便性を向上させた。さらに充電機器の充実化も行い、トヨタ純正「6kW普通充電器」(カラー2種:ホワイト、ブラック)を、販売店装着オプションとして新たに設定している。

▲パワートレインの改良やリチウムイオン電池の総電力量アップ(71.4kWh→74.7kWh)などを図って、一充電航続距離(WLTCモード)はZ FWDで従来の559kmから746kmに、Z 4WDで540kmから687kmに延長

▲パワートレインの改良やリチウムイオン電池の総電力量アップ(71.4kWh→74.7kWh)などを図って、一充電航続距離(WLTCモード)はZ FWDで従来の559kmから746kmに、Z 4WDで540kmから687kmに延長

▲急速充電における時間短縮を図り、150kW(350A)の急速充電器を使用した場合で駆動用電池容量表示約10%から約80%までを最短28分短縮する

▲急速充電における時間短縮を図り、150kW(350A)の急速充電器を使用した場合で駆動用電池容量表示約10%から約80%までを最短28分短縮する

▲急速充電時に予め電池温度を温めることで低温時の充電速度を改善するバッテリープレコンディショニング機能を採用

▲急速充電時に予め電池温度を温めることで低温時の充電速度を改善するバッテリープレコンディショニング機能を採用

▲トヨタ純正「6kW普通充電器」(カラー2種:ホワイト、ブラック)を販売店装着オプションとして新たに設定

▲トヨタ純正「6kW普通充電器」(カラー2種:ホワイト、ブラック)を販売店装着オプションとして新たに設定

「BEVならではの楽しさを追求」に関しては、SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体や冷却技術などを進化させた平置き両面冷却構造を持つ新型インバーターの搭載により、出力密度や効率を高めた新eAxleを採用したことがトピック。Z FWDは従来の最高出力150kW/最大トルク266Nmを発生する1XM型フロントモーターから最高出力167kW/最大トルク268Nmを発生する2XM型フロントモーターに、Z 4WDは最高出力80kW/最大トルク169Nmを発生する1YM型のフロントおよびリアモーターから、前述の2XM型フロントモーターと最高出力88kW/最大トルク169Nmを発生する3XM型リアモーターを組み合わせたユニットに換装して、パフォーマンスを向上させる。G FWDは前述の1XM型フロントモーターから最高出力124kW/最大トルク268Nmを発生する2XM型フロントモーターに変更した。また、ギヤの精度向上とケーシング形状の最適化によるオイルの攪拌抵抗の低減により、伝達効率を向上。ユニット全体の小型化も実現している。

▲SiCパワー半導体や冷却技術などを進化させた平置き両面冷却構造を持つ新型インバーターの搭載により出力密度や効率を高めた新eAxleを搭載

▲SiCパワー半導体や冷却技術などを進化させた平置き両面冷却構造を持つ新型インバーターの搭載により出力密度や効率を高めた新eAxleを搭載

 シャシー面の見直しも図り、サスペンションのチューニング変更を実施して乗り心地と操縦安定性を向上。操舵機構の見直しも行い、電動パワーステアリングのギアボックスをボディに直結させることでステアリングのダイレクト感を高める。また、パドルシフトで回生ブレーキの減速度を4段階で調整できる機能を組み込み、BEVならではの操る楽しさをアップ。さらに、4WD車の走行制御・4輪駆動制御のレベルアップを図って、走破性をいっそう向上させた。フロントドアにアコースティックガラスを配備するなどして室内の静粛性を引き上げた点も、一部改良の訴求点である。

▲サスペンションのチューニング変更を実施して乗り心地と操縦安定性を向上。電動パワーステアリングのギアボックスをボディに直結させることでステアリングのダイレクト感も高める

▲サスペンションのチューニング変更を実施して乗り心地と操縦安定性を向上。電動パワーステアリングのギアボックスをボディに直結させることでステアリングのダイレクト感も高める

▲パドルシフトで回生ブレーキの減速度を4段階で調整できる機能を組み込む

▲パドルシフトで回生ブレーキの減速度を4段階で調整できる機能を組み込む

▲4WD車の走行制御・4輪駆動制御のレベルアップを図って、走破性をいっそう向上させる

▲4WD車の走行制御・4輪駆動制御のレベルアップを図って、走破性をいっそう向上させる

▲フロントドアにアコースティックガラスを配備するなどして室内の静粛性をアップ

▲フロントドアにアコースティックガラスを配備するなどして室内の静粛性をアップ

 エクステリアについては、ハンマーヘッドをモチーフとしたフロントデザインの変更を実施。ヘッドランプには新造形のLEDヘッドランプ(オートレベリング機能付)+LEDクリアランスランプ(LEDデイタイムランニングランプ機能付)+LEDフロントターンランプ+ヘッドランプクリーナーを配備する。また、足もとには新デザインの18インチアルミホイール(エアロホイールカバー[グレー塗装+ブラック塗装]/センターオーナメント付)を標準で、20インチアルミホイール(切削光揮+ブラック塗装/エアロホイールカバー/センターオーナメント付)をZグレードにメーカーオプションで装着。ボディカラーには新色のモノトーンのアティチュードブラックマイカと、2トーンのアティチュードブラックマイカ×プラチナホワイトパールマイカとアティチュードブラックマイカ×プレシャスメタルを追加設定した。

▲新造形のLEDヘッドランプ(オートレベリング機能付)+LEDクリアランスランプ(LEDデイタイムランニングランプ機能付)+LEDフロントターンランプ+ヘッドランプクリーナーを装備

▲新造形のLEDヘッドランプ(オートレベリング機能付)+LEDクリアランスランプ(LEDデイタイムランニングランプ機能付)+LEDフロントターンランプ+ヘッドランプクリーナーを装備

▲新デザインの18インチアルミホイール(エアロホイールカバー[グレー塗装+ブラック塗装]/センターオーナメント付)を標準で装着

▲新デザインの18インチアルミホイール(エアロホイールカバー[グレー塗装+ブラック塗装]/センターオーナメント付)を標準で装着

▲20インチアルミホイール(切削光揮+ブラック塗装/エアロホイールカバー/センターオーナメント付)をZグレードにメーカーオプションで設定

▲20インチアルミホイール(切削光揮+ブラック塗装/エアロホイールカバー/センターオーナメント付)をZグレードにメーカーオプションで設定

 インテリアに関しては、インストルメントパネルのデザインを水平基調で薄くシンプルな形状に刷新。また、センターコンソールの形状も変更し、足もとの開放感を高めるとともに、おくだけ充電(運転席用・助手席用2台分)を設定することで使い勝手を向上させる。さらに、ディスプレイオーディオはサイズを14インチに拡大したうえで、最新のコネクティッドナビに対応させた。Zグレードに標準装備するパノラマムーンルーフのセンターリインフォースメントを省いて、より開放感のあるキャビン空間に仕立てたことも、室内のアピールポイントである。

▲インストルメントパネルのデザインを水平基調で薄くシンプルな形状へ変更

▲インストルメントパネルのデザインを水平基調で薄くシンプルな形状へ変更

▲ディスプレイオーディオはサイズを14インチに拡大したうえで、最新のコネクティッドナビに対応させる

▲ディスプレイオーディオはサイズを14インチに拡大したうえで、最新のコネクティッドナビに対応させる

▲センターコンソールの形状を刷新。足もとの開放感を高めるとともに、おくだけ充電(運転席用・助手席用2台分)を設定することで使い勝手を向上

▲センターコンソールの形状を刷新。足もとの開放感を高めるとともに、おくだけ充電(運転席用・助手席用2台分)を設定することで使い勝手を向上

▲Zグレードには合成皮革表皮のシート装着

▲Zグレードには合成皮革表皮のシート装着

▲Gグレードにはファブリック+合成皮革表皮のシートを配備

▲Gグレードにはファブリック+合成皮革表皮のシートを配備

▲Zグレードに標準装備するパノラマムーンルーフのセンターリインフォースメントを省いて、より開放感のあるキャビン空間に仕立てる

▲Zグレードに標準装備するパノラマムーンルーフのセンターリインフォースメントを省いて、より開放感のあるキャビン空間に仕立てる

 なお、トヨタはbZ4Xの一部改良と同日、従来のEV・PHV充電サポートサービスの後継として、よりいっそう快適なBEV・PHEVライフを送るための新たな充電サービス「TEEMO(ティーモ)」をスタートする。サービス内容としては、TEEMO充電器(トヨタ販売店とレクサス一部販売店に設置)に加えてeMP充電器を利用可能とし、合わせて月額基本料金0円でアプリによる充電器の検索・予約・決済を実現する。また、bZ4Xを購入したユーザー限定で、TEEMO充電器の充電料金が1年間無料になるキャンペーンを展開している。

▲トヨタはbZ4Xの一部改良と同日、新たな充電サービス「TEEMO(ティーモ)」をスタート

▲トヨタはbZ4Xの一部改良と同日、新たな充電サービス「TEEMO(ティーモ)」をスタート

▲月額基本料金0円でアプリによる充電器の検索・予約・決済を可能とする

▲月額基本料金0円でアプリによる充電器の検索・予約・決済を可能とする

 

 

SNSでフォローする