【本格ヨンクがカッコいい!】プロのヨンク好きと専門誌エディターのランクル250&ジムニー対談。「人気沸騰の2台が愛される理由、教えます!」

ランクル250とジムニーの人気は沸騰中。各種イベントも積極開催。富士スピードウェイ/さなげアドベンチャーフィールド/レッツゴー4WDの3社で共催する「LAND CRUISER Fes.(通称ランクルフェス)」はラリーカーからレジェンドモデルまで個性的なランクルが参加

ランクル250とジムニーの人気は沸騰中。各種イベントも積極開催。富士スピードウェイ/さなげアドベンチャーフィールド/レッツゴー4WDの3社で共催する「LAND CRUISER Fes.(通称ランクルフェス)」はラリーカーからレジェンドモデルまで個性的なランクルが参加

モータージャーナリスト「九島辰也」×レッツゴー4WD 編集長「松本晃一」

九島辰也さん(以下、九島):松本さん、こんにちは。今日はよろしくお願いします。
松本晃一さん(以下、松本):九島さん、ご足労ありがとうございます。
九島:今回のテーマは「本格ヨンクがカッコいい!」です。本格ヨンクは、マニアの永遠の憧れであり、究極のホビーカーだと思っています。そこでヨンクの専門誌に、現在のブームの状況や、その楽しみ方を語ってもらいたいと思います。まず、なぜ今、ランドクルーザー250やジムニーが熱いのでしょう。
松本:本格ヨンクはもともと根強い人気があったジャンルです。九島さんもご存知のように、現在のランクル250やジムニーは先代もファンから高い評価を受けていました。それがモデルチェンジを起爆剤にして一段と支持層が広がった、というイメージです。ともに原点回帰したのが良かったのでしょうか、通常はモデルチェンジすると、アンチ層というか、前のモデルの方が良かったという声が上がりがちですが、ランクル250もジムニーもそれがない。以前のモデルの高い評価をそのままに、さらに魅力が鮮明になった印象です。イベントも盛り上がっています。ランクルについては、富士スピードウェイ、さなげアドベンチャーフィールド、レッツゴー4WDの3社共催でイベントを展開しています。ジムニーは個人が開催するものでも1000台以上を集める催しがたくさんあります。ちなみに丸目スタイルも高評価の要因になっている気がします。昔からの愛好家の人には懐かしく、若い人には新鮮さ、本物感を感じる要因になっていますよね。

ランクル イベント

ジムニーイベント

九島:ランクルもジムニーもモデルチェンジしてこれまでよりもかっこよくなりましたね。デザインの力は大きいと思います。定番となるオフローダーのポイントをしっかり押さえていますね。ラングラーもゲレンデもディフェンダーも、昔のイメージを大切にしながら進化していて、ランクルもジムニーも、その流れにしっかり乗っています。

松本:ディフェンダーは、旧型はより好事家向けの存在でしたが、モデルチェンジしてユーザーの幅が広がりました。ジープも5ドアのアンリミテッドが登場して、ユーザーフレンドリーになり人気が拡大しました。ランクルもジムニーも新型になってユーザー層が広がっているイメージです。ウチでは『アメ車MAGAZINE』も編集・発行しているのですが、以前、アメ車を選んでいた若い方や、ヤングファミリー層が本格ヨンクに乗り換えている印象があります。

カスタマイズはタイヤとアルミが第一歩。最近は「屋根使い」が注目されています

九島:確かに今は本当にヨンクのユーザー層が幅広くなっています。しかもクルマを自分好みにカスタマイズするのが主流。

松本:そうですね。カスタマイズに積極的だと思います。とくにランクル250とジムニーはその傾向が明確です。レッツゴー4WDでは、カスタマイズに特化したMOOKも出版しているのですが、この厚さを見てください。『JIMNY CUSTOM BOOK』は560㌻もあります。“本の厚みがカスタマイズのニーズに直結している”といって間違いないでしょう。ノーマルのまま乗っている人は少数派、とはいいませんが、いつかカスタマイズしたい、と考えている予備軍はたくさんいらっしゃいます。納車まで時間がかかる車種ですから、納車待ちの間、カスタムを夢見てイメージを膨らませている、という人は多いでしょうね。

 

ランクル カスタム01

ジムニーカスタム01

九島:“本の厚み”はマーケットが大きいことをそのまま物語っていますね。ノーマルで乗るのはもったいない気がするなぁ。せっかくこれだけアフターパーツが揃っているんだからカスタムしないと損した気になる(笑)。ところでカスタマイズの第一歩としてオススメは何になるのでしょう? まずはタイヤとホイールかな?

松本:はい、タイヤとアルミが第一歩だと思います。足元を変えるだけでスタイルはもちろん、走りもグッとたくましくなります。

九島:その次は車高を上げたり、フォグランプを付けたり、マフラーを交換したり、ユーザーそれぞれということかな。グローバルで販売されているクルマはとにかくパーツが多く揃っています。

松本:そういえば、最近は、ルーフラックを装着する“屋根使い”が目立っています。昔の流行の再現という側面もあるのですが“オーバーランドスタイル”が注目されています。もともとはオーストラリアの大地を長く旅するためのしつらえで、ルーフに水や燃料、テントなどを積み込めるようにした様式です。ルーフに荷物を積みやすくするためにラダーを装着する人も多いですね。

九島:バイクでいう“グローブトロッター”ですね。グローブトロッターというのは“世界を旅する人”という意味なんだけれど。バイクもヨンクもタフと旅にこだわるのはカッコいい。

松本:機能美とラギッド感がみんな好きなんだと思います。たとえばアウトドア用のブーツでもオーバースペックが好まれますよね。ダイバーズウォッチだって、実際には100mや300mも潜る人はいない。でも潜っても大丈夫な機能を有していることに価値がある。ロマンを感じる。

ノマド

九島:それはスーパーカーも同じで、その定義は“日常には使わないポテンシャルを持ったクルマ”なんですよね。なので、本格ヨンクの性能は、フェラーリやポルシェのオフロード版と考えられる。スーパーカーの1ジャンルと考えていいでしょう。では最後に本格ヨンクを手に入れた人にアドバイスはありますか?

松本:本格ヨンクを手に入れても、オフロードに持ち込む人は全体の1〜2割程度でしょうか。ほとんどの人は4WDのローレンジに入れたことがないと思います。でもせっかくのオフロードモデルです。なので、オフロードコースに持ち込んでその素晴らしい力強さと悪路走破性を味わってほしいと思います。

九島:確かに4WDローレンジを使ったことのない人はいるかもしれませんね。本格ヨンクの高い人気は、最近のアウトドア、キャンプ・ブームも強力な追い風になっています。キャンプサイトで、テントと焚き火を設営し、その背後に本格ヨンクが佇むビジュアルは、本当にカッコいい。そのうえで、ローレンジでの力強さを知れば、もっと愛着が湧くのは間違いないでしょう。ところで、この本格ヨンクのブームはどこまで続くのでしょうか?

ランクル250

ジムニー走り

松本:まだまだ上昇傾向だと思います。ランクル250も、海外で販売しているHVモデルが導入されれば話題になるでしょうし、ジムニーも5ドアのノマドが登場したことで、人気が拡大しています。ランクルもジムニーも、長い歴史を誇る伝統的なモデルです。最近は若いユーザーが増加していますが、話を聞くと「昔、お父さんが乗っていた」という人も多い。世代を超えて同じ車種に乗るなんて素晴らしいですよね。これも本格ヨンクの人気を支える要因のひとつになっている気がします。

九島:お父さん世代はクロカンブームでしたからね。80年代はサファリにパジェロにビッグホーンと多いに盛り上がりました。今日は本格ヨンクについていろいろ話をしてくれてありがとうございました。また近々オフロード取材一緒に行きましょう。

松本:はい、今後ともよろしくお願いします。

人物

本01

本02

『レッツゴー4WD』は4WD & SUVファンのためのカーライフ情報誌。毎号、気になるモデルやトレンドを採り上げる特集主義が魅力。10月号はジムニー、8月号はランクルを深掘り。月刊/毎月6日発売/価格:880円

松本さん

松本晃一/レッツゴー4WD編集長/栃木県生まれ。2004年入社でレッツゴー4WD編集部に配属。オフロード経験値ゼロだったが、取材やオフロード競技への参戦などで徐々に本格ヨンクの魅力に開眼。それから20余年、4WD雑誌一筋。愛車はヨンクとSUVとミニバンのイイトコドリな三菱デリカD:5。

雑誌『CAR and DRIVER』連動記事

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