
ラディカルジャパンはSR1 XXR/SR3 XXR/SR10 XXRなどを投入予定。1.5リッター(232hp)ユニットを搭載したSR3 XXRが主力モデル。2026年にはSR3 XXRによる「ラディカル・カップ・ジャパン」も開催予定。鮮烈なパフォーマンスはリアルマシンならでは。価格は約2200万円
英国生まれのレーシングカー、ラディカルが日本に再上陸した。10数年前に試乗したラディカルにはナンバープレートが付いていた。生粋のレーシングカーながら箱根を堂々と走行し、筑波サーキットにも行った。とはいえ時代は変わった。本国イギリスでも同様だが、保安基準が厳しくなり、現在ナンバープレートは認可されず公道は走れない。最新のラディカルは、サーキットやクローズドコース専用車である。イギリスは伝統的に街の小さな工場で造られたスポーツカーを好む。ラディカルはその性能と品質が支持されて世界各国に3000台のモデルを送り出すメーカーへと大躍進した。
今回の日本再上陸は、ラディカル・モータースポーツと日本のクラフト・バンブーレーシングが手を結び、ラディカル・ジャパンを設立したことで実現した。
メインモデルは、2023年に最新版となったSR3 XXR。このマシンを使ったワンメイクスレースは世界14カ国で開催されている。そして2026年からは、ラディカル・カップ・ジャパンとして日本でも開催すると発表もあった。
ドライバーの頭部を保護するヘイローを跨ぎながらシングルシーターの試乗車に滑り込む。なおSR3 XXRにはツインシート版も用意されている。試乗の舞台は、コーンズが運営するクローズドコース、MAGARIGAWA CLUBだ。アップダウンを含む変化量の大きさがチャレンジングなトラックである。
4周の試乗がスタート。スタート時のみクラッチペダル操作を行いまずは造作なく発進。スペースフレーム構造シャシーにボディは複合材プラスチックとカーボンの組合わせ。車重は620kg。非常に軽い。試乗車のエンジンはスズキ隼がベースの1.5リッター・4気筒。ラディカルがチューンして232hpを発生し、ギアボックスはバイク流の6速シーケンシャルミッションと組む。変速はステアリング左右のパドルで操作。右アップ、左ダウンの世界標準だ。
軽快で豪快な加速の伸びは、パワーウェイトレシオ2.6kg/㎰とあの「GT-Rニスモ」も凌ぐ数値ならでは。走りはじめると瞬時の加速と、左パドルを引くと同時に自動ブリッピングする点が印象的。走れ走れとクルマ側から急かされて、アクセルを踏みこむ。3〜4〜5速で10000rpmまで引っ張って6速へ。車速は軽く200km/hを超えた。コーナリングも見事。ハンコック製スリックタイヤのグリップ力とMAGARIGAWAの路面ミューの高さに加えて、速度が上がれば上がるほど効くダウンフォースの効果だ。箱型車ではおよそ曲がれない速度でコーナーに進入しても、あっさりと向きを変え、立ち上がり時にスライドすら起こさずにダイレクトに加速する。その限界を探ろうとしたが、試乗4周ではそこまで至らず、走り足りない思いでピットに戻る。
価格は約2200万円。SR3 XXRは、1台でスポーツ走行が楽しめ、ワンメイクレースに参戦できる。となれば走る楽しみは充実する。確かに高価だが、その価値はある。実に痛快な試乗会だった。久しぶりに首の筋が張る筋肉の緊張も心地いい。
