【300万円台のクルマ選び】ベストハンドリング電動スポーツ、日産ノートオーラNISMOはサーキットも射程に収めた作りが魅力

日産ノートオーラNISMO/価格:347万3800円。エクステリアはモータースポーツの知見を活かした専用エアロで空力性能を改善。効果的なダウンフォースを生み出す。各部のレッドトリムも印象的。タイヤはミシュラン製205/50R17を標準で装着。4WDは緻密な制御で旋回時の操舵量を2WD比で11%低減

日産ノートオーラNISMO/価格:347万3800円。エクステリアはモータースポーツの知見を活かした専用エアロで空力性能を改善。効果的なダウンフォースを生み出す。各部のレッドトリムも印象的。タイヤはミシュラン製205/50R17を標準で装着。4WDは緻密な制御で旋回時の操舵量を2WD比で11%低減

胸のすくパフォーマンス。刺激的にして安定。走りに没頭できる!

 オーラNISMOは、NISMOのモータースポーツ活動で得た豊富な経験を傾注した電動スポーツ。エンジンで発電、モーターで走るe-POWERの制御を専用化するとともに内外装を徹底チューン。胸のすくパフォーマンスを実現した。FWDと4WDが選べ、中でも4WDの刺激度は最高だ。

 4WDの価格はFWD比で約40万円高い347万3800円。これにコネクトナビ、プロパイロットなどのオプションを付けるとさらに40万円ほど高くなり、価格帯的には欧州車もライバルとなってくる。とはいえ独自の走りの個性を持ち、オールマイティに使えることを考えればコストパフォーマンスは優秀と感じる。

リア

インパネ

 ドライビングの第一印象は「静かで速い」だった。4WDメカはNISMO専用チューン。発電用モーターやフロントモーター(136ps/300Nm)出力は標準モデルと変わらないが、トルク配分制御が見直され、リアモーターは標準の68ps/100Nmから、82ps/150Nmへと大幅にアップ。ECO/ノーマル/NISMOの3段階に切り替えられる走行モードは専用設計。ECOでも標準のスポーツと同等、NISMOはアクセルで積極的にコントロールできるセッティングになった。なお、タイヤの接地状況にもよるが、NISMOモードにすると最大で7割強リア駆動となるという。

 実際に乗ってみると、びっくりするくらい安心して自然に走れる。回り込んだコーナーでアクセルをほんの数ミリ踏み込むだけで2WDとの違いが顕著に伝わってくる。FFならアクセルを抜いてタックインぎみにして旋回姿勢を作る場面でも、4WDならパーシャルスロットルを意識して、一定量の姿勢変化にとどめるだけで不思議とクルマが行きたい方向に向きを変えていってくれる。ドライバーの意思にアクティブに応える魅力がこのクルマにはある。

前シート

後シート

 車両重量は1390kg。FFと比較すると110kg、大人2名分ほど重くなっている。サーキットで速さを追い求めると、状況によっては2WDのほうが有利な場面もでてくるだろう。しかし、コーナー立ち上がり加速は4WDに軍配が上がる。しかも4WDは、4輪をリアルタイムで緻密に制御。それぞれのタイヤが性能を最大限に発揮するチューニングとなっている。ウエットやスノーなど低μ路面でも高いアドバンテージを発揮する。また乗り心地面では重量増が上質感向上に寄与しており、プラス方向に作用している印象を受けた。
 NISMOの技術屋集団らしいこだわりが満載された個性派だ。

エンジン

タイヤ

サイドビュー

エンブレム

諸元日産のもう1台/ノートオーラ・オーテック・スポーツスペック 価格:305万300〜333万1900円

日本版アルピナの風情、大人のスポーツ

オーテック

 オーテック・スポーツスペックは「目利きが選ぶ上質スポーツコンパクト」をコンセプトに開発された。NISMOだと目立ちすぎると考えるユーザーに最適な選択肢だ。開発にはNISMOの経験が生かされダンパーやバンプラバーなど一部パーツは共通。伸びのある加速と意のままのハンドリング、そして良好な乗り心地を追求している。

室内

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