「ドライビングアスリート」の実力を競うインタープロトシリーズの特徴

関谷正徳選手がオーガナイズするインタープロトシリーズのハイライト

IPSハ4リッターV6エンジンをミッドシップに搭載したオリジナルマシンで競う

 インタープロトシリーズ(IPS)は、富士スピードウェイで年間4戦開催(2023年)されるワンメイクレース。国内トップレースで活躍し、日本人初のル・マン24時間レース優勝ドライバーとしても知られる関谷正徳選手がオーガナイザーを務めるイベントだ。

 その特徴は、レーシングドライバーを「ドライビングアスリート」と位置付けて、ドライビングスキル、運転力を争う競技としている点にある。
 これは、モータースポーツは「レーシングカー」という「道具」を必要とする競技である。レーシングカーの性能を極限まで引き出し、ライバルよりも1000分の1秒早くゴールできるかを競う。競技の性質上、「マシン」の優劣が成績に大きく関与する。

 開発資金が豊富で、最新機器をふんだんに用意し、それを駆使するエンジニアやスタッフを豊富に投入すれば、マシンの開発が進み、戦闘力が高まっていく。決められた規則の中であっても、1000分の1秒を削るために巨額の投資を惜しまない戦い方を続けると、「開発競争」が主体になりかねない。

 そうした姿勢とは一線を画し、ワンメイクマシンで車両の性能をイコールコンディションに保ち、ドライビングアスリートの力量を競うことを主眼に据えたイベントがインタープロトシリーズである。4リッターV6エンジンを搭載するオリジナルマシンに乗るオーナードライバー(アマチュア)が戦いの主人公であり、シリーズではジェントルマンドライバーと呼んでいる。

 このシリーズが面白いのは、ジェントルマンドライバーはプロフェッショナルドライバーとチームを組んで参戦する点だ。ジェンルマンはジェントルマンで土日にわたって2レースを戦い、ジェントルマンから引き継いだマシンでプロフェッショナルは日曜日に2レースを戦う。

 ジェントルマンはプロと走行データの比較できるので、アクセルやブレーキのタイミングが的確につかめるようになる。プロフェッショナルは、プロの観点からジェントルマンにドライビングスキルをアドバイスできる。

 2022年のIPSにプロフェッショナルドライバーとして参戦した選手は、ロニー・クインタレッリ選手、野尻智樹選手、坪井翔選手、福住仁嶺選手、坂口晴南選手ら国内のトップレーサーたち。これはアマチュアドライバーにとって、得難いチャンスだ。

 インタープロトシリーズで併催されるKYOJO CUPは女性ドライバーを対象にしたワンメイクレースである。ゴルフやサッカー、野球、柔道、レスリング、ボクシング、バスケットボール、水泳、アイススケート、陸上競技など、多くのスポーツは男女別に競う。KYOJO CUPは男女の体力差を考慮して、女性ドライバーに限定した競技として開催されている。

 インタープロトシリーズは、子供たちや女性が観戦に訪れても楽しめるコンテンツを多数用意している大会である。インタープロトキッズは、子供が参加するペダルカーを使ったイベント。IPSに出場するマシンのミニチュア版ペダルカーである。このほか、キッズカート、キッズバイク体験や子供たちが大好きな働くクルマの展示、交通安全を学ぶ展示やイベントなどが盛りだくさん。女性来場者のためにはレディースルームを設けてネイル体験などのチャンスなどを設けている。

 クルマ好きには、スーパーカーの同乗体験や、IPSマシンに同乗するチャンスなどもあり、ファミリーで楽しめるイベントになっている。

■インタプロトシリーズ開催予定

・第1大会:5月13日(土)〜5月14日(日)
・第2大会:7月22日(土)〜7月23日(日)
・第3大会:9月23日(土)〜9月24日(日)
・第4大会:11月25日(土)〜11月26日(日)

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