第20回ホンダ「子どもアイディアコンテスト」開催

小学生が考える「未来にあったらいいな」の夢をかたちに作り上げる

 ホンダが主催する子どもアイディアコンテストが、2022年で第20回を迎えた。12月10日に行われた最終審査(20作品が対象)で、最優秀賞、優秀賞、審査委員特別賞、キッズ大賞が合計10名に授賞された。

 子どもたちが考える「未来にあったらいいな」というアイディアを具体的なカタチ(立体作品)にまとめていく過程を通じて、モノ作りの楽しさや工夫することの重要性、仲間と連携する面白さなどが感じ取れる。

 最優秀賞は南遥紀さん(低学年の部)の『うちゅうみみずスペースワームくん』と黒田怜生さん(高学年の部)の『話がつたわりマスク』が受賞した。

『うちゅうみみずスペースワームくん』は、地球の軌道上にあるスペースデブリ(宇宙ゴミ)回収する。使命を果たした人工衛星や、故障した人工衛星などがこれに該当し、10cm以上の物体が約2万個、1cm以上は50万~70万個あるという。

小学生が考える、宇宙ゴミやコミニュケーションというテーマ

 宇宙ゴミは、宇宙での活動の支障をきたす恐れがあるため、これを除去するための装置が『宇宙みみずスペースワームくん』だ。みみずが土地をきれいにするのに役立っていることをヒントに、宇宙ごみを回収する装置を考えたという。

『話がつたわりマスク』は、補聴器が必要な田舎の祖父と会話をスムーズに進めるために、「テレビに字幕がでるように、マスクにAIとディスプレイを内蔵し、相手に見やすいカラーや速度、文字のサイズで表示する」というアイデア。

 聞こえにくい人とのコミュニケーションを図るために、会話の内容を電光掲示板のように表示する点が作るのが難しかったというが、見事に作品として完成させている。

 食品ロスの問題をテーマに掲げたり、エネルギー問題、空き家問題、災害など、今日の日本社会が抱える問題に真正面から取り組む子どもたちのアイディアは、作品を見て、プレゼンテーションを聞いているだけで「子どもたちの可能性と才能」を感じさせてくれた。

 審査員が審査を進めている時間を利用して、子どもたちに「倒れないバイク」(ライディングアシスト)の「特別授業」(技術説明)が行われた。バイクには二足歩行ロボット、「アシモ(ASIMO)」で培った技術が搭載され、バイクが単独で自立する。

 倒れないバイクを開発する理由は「バイクは支えていないと倒れてしまう。倒れて当たり前を、当たり前でないようにしたい。転ばず、安全に、楽に」を目指してのこと。バイクが倒れないようにするためには「倒れそうな方向にバイクを傾ければいい」という基本的な理論を「技術で可能にした」バイクが、倒れないバイク。バイク自身がバランスをとって、自立し続ける。

 ホンダはこうした技術を使って「交通事故ゼロ」にアプローチしていることを、子どもたちにアピールしていた。

 

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