トヨタがジャパンモビリティショー2025でセンチュリーのブランド化を宣言。コンセプトカーとして新ボディタイプのクーペモデルを披露

「日本から“次の100年”をつくる挑戦」を謳って、トヨタ自動車がジャパンモビリティショー2025においてセンチュリーのブランド化を表明。ショーの舞台では豊田章男会長が“最高峰”にして“別格”のクルマとして誕生したセンチュリーの歴史を振り返るとともに、これからは“ジャパン・プライド”を世界に発信していくブランドとしてセンチュリーを育んでいくことをアナウンス。そのブランドの新モデルとして“クーペ×ショーファー”をコンセプトに据えたクーペモデルの「センチュリー コンセプト」を世界初公開

 トヨタ自動車はジャパンモビリティショー2025において「センチュリー」を独立したブランドとして展開することを発表。合わせて、ブランドの新モデルとして“クーペ×ショーファー”をコンセプトに据えたクーペモデルの「センチュリー コンセプト」をひな壇に上げるとともに、セダンモデルのフルチューンバージョンとなる「センチュリーGRMN」と、SUVモデルのビスポークモデル「センチュリー テーラーメイド」を出展した。

▲トヨタがジャパンモビリティショー2025において「日本から“次の100年”をつくる挑戦」を謳ってセンチュリーのブランド化を宣言。ショーの舞台では豊田章男会長が登壇し、ブランド化について熱く語る

▲トヨタがジャパンモビリティショー2025において「日本から“次の100年”をつくる挑戦」を謳ってセンチュリーのブランド化を宣言。ショーの舞台では豊田章男会長が登壇し、ブランド化について熱く語る

 ショーの舞台では豊田章男会長が登壇し、センチュリーのブランド化を宣言。“最高峰”にして“別格”の最高級プレステージカーとして1967年に市場デビューを果たしたセンチュリーの開発過程や車歴を振り返り、「センチュリーは“ジャパン・プライド”を背負って生まれたクルマ」であると位置づける。そして、日本という国が少し元気や活力を失い、また存在感が薄くなりつつある現在、“ジャパン・プライド”を新たに世界に発信していくブランドが必要と考え、センチュリーをブランド化し、育てていくと表明した。

 出展車両としては、センチュリー ブランドの新たな提案として、“クーペ×ショーファー”をコンセプトに据えたクーペモデルの「センチュリー コンセプト」を世界初公開。また、“GAZOO Racing tuned by Meister of the Nürburgring”の略であるGRMNの名を冠したフォーマルセダンのフルチューンバージョン「センチュリーGRMN」と、ビジネスカジュアルSUVのビスポークモデル「センチュリー テーラーメイド」を展示し、今後は3種類のボディタイプのセンチュリーをラインアップすることを公にする。

▲今後のセンチュリーはクーペモデル、フォーマルセダン、SUVという3種類のボディタイプをラインアップしてセンチュリー ブランドを展開していくと公表

▲今後のセンチュリーはクーペモデル、フォーマルセダン、SUVという3種類のボディタイプをラインアップしてセンチュリー ブランドを展開していくと公表

 ワールドプレミアを飾ったクーペモデルの「センチュリー コンセプト」は、ボディカラーに日本の伝統色で、鳳凰をイメージした専用調色の緋色(ひいろ)を纏って登場。エンブレムには江戸彫金、シート生地には西陣織など、随所に日本の伝統や文化を取り入れる。また、組子細工をモチーフとしたフロントグリルとセンチュリーブランドのシンボルである鳳凰エンブレム、4眼LEDでアレンジしたヘッドランプおよびリアコンビネーションランプ、矢羽根を思わせるスポークを配したアルミホイールなども配備した。助手席側に前後両開きのスライドドアを配し、開口部を広くとって乗員の乗降性を高めたこともトピックだ。

 キャビンスペースはショーファーカーらしく運転席側が前後2席、助手席側が1席の3名乗り仕様とし、合わせて前後に広大なスペースを確保した助手席側のシートにはフルリクライニングとロングスライド機構を内蔵して、乗員がゆっとりと過ごせる空間を創出する。また、運転席と助手席を分ける仕切りに“機(はた)織り”をイメージしたアレンジを採用し、織機の発明から始まったトヨタのルーツを表現した。

 走行面も気になるところだが、現地のスタッフは「ビジネスシーンはショーファーカーとして、休日はドライバーズカーとして楽しんでいただけるよう、“FUN TO DRIVE”にもとことんこだわっていく」と説明していた。

▲“クーペ×ショーファー”をコンセプトに据えたクーペモデルの「センチュリー コンセプト」を初公開

▲“クーペ×ショーファー”をコンセプトに据えたクーペモデルの「センチュリー コンセプト」を初公開

▲ボディカラーには日本の伝統色で、鳳凰をイメージした専用調色の緋色を纏う

▲ボディカラーには日本の伝統色で、鳳凰をイメージした専用調色の緋色を纏う

▲組子細工をモチーフとしたフロントグリルに、センチュリーブランドのシンボルである江戸彫金の鳳凰エンブレムを装着

▲組子細工をモチーフとしたフロントグリルに、センチュリーブランドのシンボルである江戸彫金の鳳凰エンブレムを装着

▲4眼LEDでアレンジしたヘッドランプおよびリアコンビネーションランプや矢羽根を思わせるスポークを配したアルミホイールを装備

▲4眼LEDでアレンジしたヘッドランプおよびリアコンビネーションランプや矢羽根を思わせるスポークを配したアルミホイールを装備

▲助手席側に前後両開きのスライドドアを配し、開口部を広くとって乗員の乗降性を高める

▲助手席側に前後両開きのスライドドアを配し、開口部を広くとって乗員の乗降性を高める

▲運転席と助手席を分ける仕切りに“機織り”をイメージしたアレンジを採用

▲運転席と助手席を分ける仕切りに“機織り”をイメージしたアレンジを採用

▲ショーファーカーらしく運転席側が前後2席、助手席側が1席の3名乗り仕様に設定。助手席側のシートはフルリクライニングとロングスライド機構を内蔵。シート生地は西陣織

▲ショーファーカーらしく運転席側が前後2席、助手席側が1席の3名乗り仕様に設定。助手席側のシートはフルリクライニングとロングスライド機構を内蔵。シート生地は西陣織

▲広報画像ではブラックのボディカラーも披露

▲広報画像ではブラックのボディカラーの別仕様も披露

 フォーマルセダンの「センチュリーGRMN」については、特別なパールホワイトのボディカラーに、ダークカラーで仕立てた専用デザインのフロントグリルやアルミホイール、西陣織のカーボンファイバー材で製作したフロントリップやドアパネルなどを装備したことが訴求点。また、インテリアには随所にレッドのアクセントおよびステッチをあしらい、スポーティな雰囲気を際立たせた。市販化に関しては現在のところ未定で、現地のスタッフは「今回のショーで来場者の反応を見たい」と語っていた。

▲セダンモデルではフルチューンバージョンの「センチュリーGRMN」を出展。特別なパールホワイトのボディカラーに、ダークカラーで仕立てた専用デザインのフロントグリルやアルミホイール、西陣織のカーボンファイバー材で製作したフロントリップやドアパネルなどを装備。インテリアには随所にレッドのアクセントおよびステッチをあしらう

▲セダンモデルではフルチューンバージョンの「センチュリーGRMN」を出展。特別なパールホワイトのボディカラーに、ダークカラーで仕立てた専用デザインのフロントグリルやアルミホイール、西陣織のカーボンファイバー材で製作したフロントリップやドアパネルなどを装備。インテリアには随所にレッドのアクセントおよびステッチをあしらう

 SUVモデルの「センチュリー テーラーメイド」は、既存のセンチュリーSUVをベースとする今後の注文製作の一例を示した参考出品車。ボディカラーに現行モデルでは未設定のマットブラックを纏ったうえで、フロントグリルやモール、アルミホイールなどをブラックで加飾し、精悍かつ重厚なルックスを実現する。一方、インテリアは緋色を基調とした専用カラーでコーディネートし、さらに内装材やステッチなどにも特別な仕様を施した。海外の高級車ブランドは“ビスポーク=注文製作”を担う部門を設置し、顧客の注文に対して幅広くかつ細かく対応しているが、センチュリーがブランド化した際には、従来以上に注文製作に力を入れることだろう。

▲SUVモデルではビスポークモデルの「センチュリー テーラーメイド」を展示。ボディカラーにマットブラックを纏ったうえで、フロントグリルやモール、アルミホイールなどをブラックで加飾。インテリアは緋色を基調とした専用カラーでコーディネートする

▲SUVモデルではビスポークモデルの「センチュリー テーラーメイド」を展示。ボディカラーにマットブラックを纏ったうえで、フロントグリルやモール、アルミホイールなどをブラックで加飾。インテリアは緋色を基調とした専用カラーでコーディネートする

 

 

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