スズキがジャパンモビリティショー2025において「あなたに、ワクワクの、アンサーを。」をテーマに軽乗用BEVや二輪BEVのコンセプトモデルの出展を予告

スズキがジャパンモビリティショー2025における出展概要を発表。前回の「世界中に、ワクワクの、アンサーを。」から「あなたに、ワクワクの、アンサーを。」というメッセージに発展させ、軽乗用BEVコンセプトモデル「Vision e-Sky」や二輪BEVコンセプトモデル「e-VanVan」をはじめ、次世代四脚モビリティ「MOQBA(モクバ)2」、最新の船外機などを展示し、総合モビリティメーカーとしての技術を集結することで、スズキが目指すユーザー1人ひとりの困りごとの解決に寄り添うインフラモビリティを提案

 スズキは2025年10月8日、本年10月29日から11月9日にかけて開催されるジャパンモビリティショー2025の出展概要を発表。合わせて、スズキのジャパンモビリティショー2025に関する様々な情報を発信していくスペシャルサイトを開設した。

 今回のショーでは、前回の「世界中に、ワクワクの、アンサーを。」から「あなたに、ワクワクの、アンサーを。」というメッセージに進化させ、軽乗用BEVや二輪BEVのコンセプトモデルをはじめ、次世代四脚モビリティ、最新の船外機などを展示し、総合モビリティメーカーとしての技術を集結することで、スズキが目指すユーザー1人ひとりの困りごとの解決に寄り添うインフラモビリティを提案。合わせて、電動モビリティベースユニットやCBG(Compressed Biomethane Gas=圧縮バイオメタンガス)事業などの取り組みも紹介する。

▲スズキはジャパンモビリティショー2025において「あなたに、ワクワクの、アンサーを。」をテーマに掲げて、軽乗用BEVや二輪BEVのコンセプトモデルなどを出展する

▲スズキはジャパンモビリティショー2025において「あなたに、ワクワクの、アンサーを。」をテーマに掲げて、軽乗用BEVや二輪BEVのコンセプトモデルなどを出展する

 まず四輪車では、軽乗用BEVコンセプトモデルの「Vision e-Sky」を出展する。Vision e-Skyは日々の通勤や買い物、休日のちょっとした遠出など、軽自動車を“生活の足”として愛用するユーザーの毎日に寄り添うEVとして開発。“ユニーク・スマート・ポジティブ”をテーマに据え、前向きで明るい気持ちになれる、スズキらしいデザインを表現する。ボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1625mmに設定し、一充電航続距離は270km以上を想定。量産化は2026年度内を目指している。

▲ユーザーの生活に寄り添う“ちょうど良い”軽乗用BEV「Vision e-Sky」を参考出品

▲ユーザーの生活に寄り添う“ちょうど良い”軽乗用BEV「Vision e-Sky」を参考出品

 次に、スズキ、ダイハツ、トヨタ自動車の3社で共同開発している、BEVシステムを搭載した商用軽バンのEVモデルのスズキ版「e EVERY CONCEPT」を参考出品する。e EVERY CONCEPTは軽バンとしての使い勝手の良さはそのままに、EVならではの静かで力強い走りを実現するだけではなく、非常時にはクルマの電気を外部に供給するなど、地域社会へ貢献できるモデルとして開発。ボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1890mmに設定し、一充電走行距離は200kmを想定している。

▲スズキ、ダイハツ、トヨタの3社で共同開発している、BEVシステムを搭載した商用軽バンのEVモデルのスズキ版「e EVERY CONCEPT」を披露

▲スズキ、ダイハツ、トヨタの3社で共同開発している、BEVシステムを搭載した商用軽バンのEVモデルのスズキ版「e EVERY CONCEPT」を披露

 二輪車については、まずBEVコンセプトモデルの「e-VanVan」をひな壇に上げる。e-VanVanはEVになってもバイクに乗る楽しさ、操るワクワクを感じたいというユーザーの願いを叶えるコンセプトモデルに位置。1970年代より人気を博したスズキのレジャーバイク「VanVan」をモチーフとし、独創的なスタイリングとデジタルテーマのユニークなカラー&グラフィックで先進性を表現して、ファンバイクとしてEVの新たな楽しみ方を提案する。ボディサイズは全長1810×全幅825×全高1050mmに設定。車両区分としては原付二種に相当している。

▲EVになってもバイクに乗る楽しさ、操るワクワクを感じたいというユーザーの願いを叶えるBEVファンバイク「e-VanVan」を出展

▲EVになってもバイクに乗る楽しさ、操るワクワクを感じたいというユーザーの願いを叶えるBEVファンバイク「e-VanVan」を出展

 次に、2025年7月に発表した新型ネオレトロモデル「GSX-8T」および「GSX-8TT」を日本での市販予定車として初めて展示する。既存のGSX-8Sをベースに、レトロとモダンを融合させたスタイリングデザインと、最新の電子制御を組み合わせ、走りに安心感・楽しさを享受できるミドルクラスモデルとして開発。ボディサイズは全長2115×全幅775×全高1105mmに設定し、パワーユニットには775cc水冷4サイクル2気筒DOHCエンジンを搭載している。

▲新型ネオレトロモデル「GSX-8T」(写真・上)と「GSX-8TT」(同・下)を日本での市販予定車として初展示

▲新型ネオレトロモデル「GSX-8T」(写真・上)と「GSX-8TT」(同・下)を日本での市販予定車として初展示

 3台目はペダル付折り畳み電動バイクの「e-PO」を参考出品する。e-POは「普段使いからレジャーまで、身近な移動をもっと自由に!」をコンセプトに、電動アシストとEVバイクを掛け合わせた新ジャンルの原付一種相当のモビリティとして企画。ペダルを漕ぐことで強力なアシスト走行が可能な特性に加え、アクセル操作のみでも快適に走行できる。ボディサイズは全長1531×全幅550×全高990mmに設定。パワーユニットには定格出力0.25kW(原付一種相当)のモーターを配し、航続距離は30km以上を想定している。

▲「普段使いからレジャーまで、身近な移動をもっと自由に!」をコンセプトに、電動アシストとEVバイクを掛け合わせた新ジャンルの原付一種相当のペダル付折り畳み電動バイク「e-PO」を披露

▲「普段使いからレジャーまで、身近な移動をもっと自由に!」をコンセプトに、電動アシストとEVバイクを掛け合わせた新ジャンルの原付一種相当のペダル付折り畳み電動バイク「e-PO」を披露

 4台目は二輪BEV世界戦略車第1弾となるBEVスクーター「e-Address」を参考出品する。e-Addressは2025年1月にインドで開催された「Bharat Mobility Global Expo 2025」において発表したモデルで、日本では初展示。十分な航続可能距離(WMTCモードで80km)と洗練された外観を持つ実用性に優れた原付二種相当のスクーターで、「最新の技術を活用したバイクに乗って、日常生活をよりスマートにしたい」というユーザーの願いを叶えるモデルとして提案する。ボディサイズは1860×全幅715mm×全高1140mmに設定。パワーユニットには定格出力0.98kW(原付二種相当)を実現したモーターを搭載している。

▲二輪BEV世界戦略車第1弾のBEVスクーター「e-Address」がジャパンプレミアを飾る

▲二輪BEV世界戦略車第1弾のBEVスクーター「e-Address」がジャパンプレミアを飾る

 5台目は市販予定車で、2025年8月に鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいて発表した「GSX-R1000R」(海外仕様モデル)を出展する。ボディサイズは全長2075×全幅705×全高1145mmに設定し、パワーユニットには999cc水冷4サイクル直列4気筒DOHCエンジンを搭載している。

▲2025年8月に鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいて発表した市販予定車の「GSX-R1000R」(海外仕様モデル)を展示

▲2025年8月に鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいて発表した市販予定車の「GSX-R1000R」(海外仕様モデル)を展示

 6台目は「水素エンジン バーグマン」を二輪技術展示車として披露する。スズキはカーボンニュートラルの実現に向けたマルチパスウェイでの取り組みのひとつとして水素エンジンの研究開発を行っており、水素エンジン バーグマンは「バイクの楽しさのひとつである、排気音を楽しみながらも環境に配慮した乗り物に乗りたい」を叶えるモビリティとして開発する。今回のショーではJapan Mobility Show 2023で参考出品したモデルからの進化がわかるよう、カットモデルを展示する予定だ。

▲「バイクの楽しさのひとつである、排気音を楽しみながらも環境に配慮した乗り物に乗りたい」を叶える新モビリティの「水素エンジンバーグマン」を技術展示

▲「バイクの楽しさのひとつである、排気音を楽しみながらも環境に配慮した乗り物に乗りたい」を叶える新モビリティの「水素エンジンバーグマン」を技術展示

 電動小型モビリティに関しては、まずJapan Mobility Show 2023で参考出品した「MOQBA」を技術的に進化させた次世代四脚モビリティの「MOQBA(モクバ)2」を参考出品車として展示する。四脚のプラットフォームをベースに荷物配送仕様・バイク仕様など、ユーザーの多様な用途に対応できる様々なバリエーションを提案する予定だ。

▲Japan Mobility Show 2023で参考出品した「MOQBA」を技術的に進化させた次世代四脚モビリティの「MOQBA(モクバ)2」を出展

▲Japan Mobility Show 2023で参考出品した「MOQBA」を技術的に進化させた次世代四脚モビリティの「MOQBA(モクバ)2」を出展

 次に、Japan Mobility Show 2023にて参考出品した「SUZU-RIDE」から進化した電動パーソナルモビリティの「SUZU-RIDE 2」を参考出品車として披露する。SUZU-RIDE 2は日常、商用、レジャーまで、いつでも楽しく軽快な気分になるスタイリングや、使い勝手の良いラゲッジスペース、簡単で扱いやすい操作などを実現。ユーザーのもっと気軽に移動を楽しみたいという願いを叶える電動モビリティに仕立てている。

▲Japan Mobility Show 2023 にて参考出品した「SUZU-RIDE」から発展した電動パーソナルモビリティの「SUZU-RIDE 2」を披露

▲Japan Mobility Show 2023 にて参考出品した「SUZU-RIDE」から発展した電動パーソナルモビリティの「SUZU-RIDE 2」を披露

 そして、電動小型モビリティのコーナーで「セニアカー40周年記念展示」を実施する。スズキのセニアカーは、1985年10月の発売から今年で40周年を迎え、常に高齢者の足として生活に密着し、移動の自由を守り続けてきた。今回の展示では、初代セニアカーのET11と現行セニアカーのET4DBの実機をひな壇に上げるほか、セニアカーの歴史を紹介するパネルを展示する。

▲セニアカー40周年記念展示として初代セニアカーのET11(写真は初代セニアカー〈4.5km/hタイプ〉ET10型)と現行セニアカーのET4DBの実機を出展

▲セニアカー40周年記念展示として初代セニアカーのET11(写真は初代セニアカー〈4.5km/hタイプ〉ET10型)と現行セニアカーのET4DBの実機を出展

 船外機については、「船外機60周年記念展示」を催す。スズキの船外機は、ユーザーにとって水上の“楽しむ”と“働く”を支える頼れるパートナーになることを目指して、1965年4月に初代モデルを発売し、今年で60周年を迎える。今回の展示では、初代船外機のD55と現行のフラッグシップモデルのDF350Aの実機を披露するとともに、船外機の歴史を紹介するパネル展示を実施する。

▲船外機60周年記念展示として初代船外機のD55と現行フラッグシップモデルのDF350Aの実機を披露

▲船外機60周年記念展示として初代船外機のD55と現行フラッグシップモデルのDF350Aの実機を披露

 次に、船外機による「スズキクリーンオーシャンプロジェクト」の取り組みを紹介する。スズキは海洋プラスチックごみに焦点を当てた「スズキクリーンオーシャンプロジェクト」を2020年に始動し、これまでマイクロプラスチック回収装置の開発、水辺の清掃活動、船外機や部品の梱包資材からプラスチックを削減する取り組みなどを実施してきた。今回の展示では、マイクロプラスチック回収装置を搭載したDF140Bの実機を出展。また、スズキクリーンオーシャンプロジェクトで取り組んでいる水辺の環境保護活動をパネルや映像で披露する。

▲「スズキクリーンオーシャンプロジェクト」の取り組みとしてマイクロプラスチック回収装置を搭載した船外機のDF140Bの実機を展示

▲「スズキクリーンオーシャンプロジェクト」の取り組みとしてマイクロプラスチック回収装置を搭載した船外機のDF140Bの実機を展示

 四輪・二輪・船外機の総合展示として、カーボンニュートラル実現に向けたスズキのマルチパスウェイでの取り組みのひとつである、エタノール燃料を活用した環境技術を紹介する。実車および実機としては、四輪車の「フロンクスFFVコンセプト」、二輪車の「GIXXER SF 250 FFV」(海外仕様モデル)、船外機の「DF60A FFVコンセプト」を披露。FFVはFlexible Fuel Vehicle=フレックス燃料車の意で、2025年1月にインドで発売したGIXXER SF 250 FFVについては、インジェクターや燃料ポンプ、エンジン制御等を改良して、バイオエタノール85%の混合燃料を使用可能とする。植物を原料とするバイオエタノール燃料を使用することで、従来の化石燃料に比べてCO2削減に貢献しながら、ガソリンの使用も可能となるなど高い利便性を実現した。スズキはそれぞれの地域にあったカーボンニュートラル実現の選択肢として、FFVを広げていくことを目指している。

▲四輪・二輪・船外機の総合展示としてカーボンニュートラル実現に向けたスズキのマルチパスウェイでの取り組みのひとつである、エタノール燃料を活用した環境技術を紹介。実車および実機として四輪車の「フロンクスFFVコンセプト」、二輪車の「GIXXER SF 250 FFV」(海外仕様モデル)、船外機の「DF60A FFVコンセプト」をひな壇に上げる

▲四輪・二輪・船外機の総合展示としてカーボンニュートラル実現に向けたスズキのマルチパスウェイでの取り組みのひとつである、エタノール燃料を活用した環境技術を紹介。実車および実機として四輪車の「フロンクスFFVコンセプト」、二輪車の「GIXXER SF 250 FFV」(海外仕様モデル)、船外機の「DF60A FFVコンセプト」をひな壇に上げる

 スズキは今回のショーにおいて、最新事業の紹介コーナーも設置する。まず、電動モビリティベースユニットとして「MITRAコンセプト」を出展する。MITRAコンセプトは、多様なロボットの足回りとして活用できることを目指した、開発中の電動ユニット。このMITRAコンセプトにパートナー企業が自律走行やAIなどの技術を組み合わせることで、物流や農業、土木建設など、様々な分野でロボットによる課題解決を目指す。今回のショーではMITRAコンセプトのほか、パートナー企業であるLOMBYの自動配送ロボット「LM-A」やHBAの「屋外巡視点検ロボット」、オムロンの「作物育成モニタリングシステム」を展示する予定だ。

▲多様なロボットの足回りとして活用できることを目指して開発を進める電動モビリティベースユニットの「MITRAコンセプト」を参考出品

▲多様なロボットの足回りとして活用できることを目指して開発を進める電動モビリティベースユニットの「MITRAコンセプト」を参考出品

 次に、軽自動車並みの小型電動車両を専用レーンで隊列自動運転させる、オンデマンドの都市交通システムを開発しているスタートアップの「Glydways」を紹介する。スズキはGlydwaysと協業し、インフラ整備や運用コスト、車両台数を抑えながら必要な時に必要な台数だけ配車することが可能な、効率的で利便性の高い新しい交通システムによって、世界中の都市の交通問題の解決を目指している。今回のショーでは、Glydwaysで使用する車両「Glydcar」の実車を披露するほか、想定される走行シーンなどをパネルで展示する。

▲軽自動車並みの小型電動車両を専用レーンで隊列自動運転させる、オンデマンドの都市交通システムを開発しているスタートアップ「Glydways」で使用する車両「Glydcar」の実車を展示

▲軽自動車並みの小型電動車両を専用レーンで隊列自動運転させる、オンデマンドの都市交通システムを開発しているスタートアップ「Glydways」で使用する車両「Glydcar」の実車を展示

 そして、CBG(=Compressed Biomethane Gas、圧縮バイオメタンガス)事業の取り組みを披露する。スズキは酪農廃棄物の資源化により、インド農村の活性化や各種社会課題解決への貢献と、カーボンニュートラル 向けたマルチパスウェイ実現の両立を図ることができると考え、2022年よりCBG事業に取り組んできた。今回のショーでは、2025年9月にインドで発表した最新SUVモデル「ビクトリス」のCNG(=Compressed Natural Gas、圧縮天然ガス)/CBG仕様やスクーターの「ACCESS」をCNG/CBG仕様とした試験車両、そしてスズキがインドの酪農組合と共同で立ち上げたバイオガスプラントのミニチュア模型などを展示する予定である。

▲CBG事業の取り組みとしてスズキがインドの酪農組合と共同で立ち上げたバイオガスプラントのミニチュア模型を出展

▲CBG事業の取り組みとしてスズキがインドの酪農組合と共同で立ち上げたバイオガスプラントのミニチュア模型を出展

 なお、スズキは今回のショーで、軽トラック「スーパーキャリイ」の荷台を活用したスズキの用品販売コーナーも設置すると予告している。

▲軽トラック「スーパーキャリイ」の荷台を活用したスズキの用品販売コーナーも設置

▲軽トラック「スーパーキャリイ」の荷台を活用したスズキの用品販売コーナーも設置

 

 

SNSでフォローする