日本車のイメージを大きく塗り替えたトヨタ・ソアラ(1stモデル)の追憶

先進技術満載、贅沢な作り込みで大人気に
 1stトヨタ・ソアラのデビューは1981年。
 市場からは大きな拍手で迎えられた。高価であり、購入できるユーザーは限られていたが、そんな現実とは関係なしに、多くの人々がソアラの誕生を喜んだ。少なくとも、ボクの周囲のクルマ好きはそうだった。
 ソアラが発売された当時、日本のモータリゼーションは力強く成長を続け、クルマを保有するライフスタイルは当たり前といった状況になっていた。日本車の海外進出にも目覚ましい勢いがあった。
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▲1981年 トヨタ・ソアラ
 日本は自動車大国の一角を占めるまでになっていた。とはいえ、当時の日本車は大衆車と小型車が中心で、大型車や高級車クラスとなると、欧米との差は歴然だった。
 そんな時代に登場したソアラは輝いて見えた。インポートカーにしか振り向かなかったようなユーザーが関心を寄せ、そして購入した。これは〝事件〟といえるほどの衝撃だった。「ソアラに乗っていれば女子大生にモテる」。いまではジョークに聞こえるが、本当の話だった。
 デザイナー出身のエンジニアが開発主査を務めた点も話題になった。贅沢でスタイリッシュな内外装は「なるほど!」と納得できる仕上がりだった。
 当時としては突出した性能を持つ、2.8リッター直列6気筒ツインカムエンジンが、ソアラの贅沢感を決定づけた。いまにつながる多くの先進技術もインパクトがあった。
 そんなソアラに、デビュー直後アウトバーンで乗る機会があった。日本車でのアウトバーン走行は初めてだった。高速安定性はまだ万全ではなく、200km/hを超えると、〝雲の上を走っている〟ような感覚になった。怖かったが、メーター(日本初のデジタル式)上で、223km/hまで到達した。
 1stソアラの実力とデザイン性は、日本車のイメージを大きく変えた。日本車史に残る1台であることは間違いない。

■主要諸元

写真のグレード:2800GTエクストラ(1981年2月発売)
価格:5MT 285万5000円/4AT 293万8000円
ボディサイズ:全長×全幅×全高4655× 1695×1360mm 
ホイールベース2660mm 
車重1300(AT1305)kg 
エンジン:2.8リッター直6DOHC24V(170ps/5600rpm 24.0kgm/4400rpm)
10モード燃費:8.9km/リッター(ATは8.1km/リッター)
乗車定員:5名 
駆動方式:FR
タイヤサイズ:195/70HR14
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
サスペンション:フロントはストラット/リアはセミトレーリングアーム

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