カーボンニュートラルに向けたマルチパスウェイのひとつ、水素燃焼エンジンの研究開発を目的にダカールラリー参戦決定

 

 クルマのパースペクティブ本編では「国内各社のカーボンニュートラルへの取り組み」について調査レポートを掲載したが、ジャパンモビリティショー2023を目前にカーボンニュートラルに向けた新たな発表があった。水素燃料エンジン車でのダカールラリーへの挑戦だ。

 参戦するのは国内2輪メーカーで構成された水素小型モビリティ・エンジン研究組合:HySEという組織。ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4社が中心となって水素エンジンの研究開発を行っている。そこにトヨタが加わり5社でダカールラリーに挑戦する、というのが今回の発表である。

 HySEはダカールラリーの新カテゴリー“ミッション1000”に「HySE-X1」という4輪車で、2024年1月5日からサウジアラビアで開催されるダカール2024に参加する。

 “Mission 1000”は、水素エンジンや電動およびバイオフューエルとのハイブリッドなど、カーボンニュートラルに向けた次世代パワートレインの技術開発を自動車メーカーに促す、「Dakar Future Program」の一環として新たに導入。HySEはこの“Mission 1000”に参加し、世界一過酷なモータースポーツと言われる厳しい環境条件下で研究中の水素燃料エンジンを搭載した「HySE-X1」を実走行させ、現状未知でかつ、容易に想像できない課題を早期に抽出し、水素エンジンの基盤技術構築を目指す。また、全世界で注目されるダカールラリーへの参加を通じ、HySEのプレゼンスや取り組みをアピールすることで、小型水素モビリティの実現に向けたグローバルで業界の垣根を超えた仲間づくりを図っていくという。

 大型バイクはBEV化が難しいジャンルのひとつ。水素燃焼エンジンの研究開発は大型バイクの存続に欠かせない。そこで水素燃焼エンジンの研究開発をモータースポーツの現場で行うわけだ。HySEはジャパンモビリティショー2023のモータースポーツプログラムブースに「HySE-X1」のモックアップを展示する予定だ。

水素燃料エンジン車「HySE-X1」の概要
全長×全幅×全高 3,530mm×2,070mm×1,700mm
車両重量 約1,500kg
エンジン種類 水冷4ストローク直4スーパーチャージドエンジンDOHC16バルブ
総排気量 998cc

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