マツダ、自動車用モーター技術の開発で「NEDO省エネルギー技術開発賞」を受賞

 マツダは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)主催の2022年度「省エネルギー技術開発賞」において、「理事長賞」を受賞した。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)ロゴ

▲国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

 NEDOは、経済成長と両立する持続可能な省エネルギーの実現のため、民間企業などから省エネルギーに寄与する技術開発テーマを公募して開発費の一部を助成する「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」(2012年度~2024年度)を実施している。今回「ENEX 2023」イベント内で「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」で行った研究開発のうち2021年度までに事業終了を迎えたテーマの中から、優れた成果をあげた11テーマ20事業者の表彰式がとり行われた。

「省エネルギー技術開発賞」は、省エネルギーに寄与する優れた成果をあげた事業者を表彰するもので、このうちマツダの「自動車用モーター可変界磁技術の開発」に、最優良事業者に贈られる「理事長賞」が授与された。

可変界磁モータの写真

▲可変界磁モータ

 今回受賞したマツダの「自動車用モーター可変界磁技術の開発」は、自動車用モーターの減速回生時における実効的な発電量を大幅に向上させる技術だ。自動車用モーターは、幅広い領域での運転が求められるため、効率が低下することで発電量が低下する領域が存在する。そこで、自動車用モータの発電向上のため、磁石磁力可変型の可変界磁技術の開発を行った。

具体的には、従来は一定であった界磁(磁石磁力)の大きさを運転条件に応じて変化させ、各運転条件に適したモーター性能を確保することにより、モーターの発電量向上を実現した。

本開発技術のコンセプトのイラスト

▲本開発技術のコンセプト

 本技術の導入により、モーター実用域の効率改善と減速エネルギー回生量の増加が可能になり、高効率内燃機関との組み合わせで、従来のモーターを用いたハイブリッド車に対して15%の燃費向上(WLTCモード燃料消費率)を見込んでいる。

省エネ効果は、2027年度で2.37万kL/年、2030年度で5.68万kL/年、ドラム缶換算で約28.4万本分の原油を削減を想定。

今後は、プラグインハイブリッド車や電気自動車にも当該技術を適用して、モーター駆動による走行距離を延長しつつ、使用エネルギーの効率を改善することにより、環境負荷低減を図るとしている。

■NEDO公式サイト
https://www.nedo.go.jp/index.html

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