日本と欧州で、クルマを長く使っているのはどちらでしょうか? 平均車齢を国別に比べてみよう

▲2011年当時のVWトゥアレグ 日本でこのスタイリングのトゥアレグを見かけたら「欧州の平均車齢に近い」
▲2011年当時のVWトゥアレグ 日本でこのスタイリングのトゥアレグを見かけたら「欧州の平均車齢に近い」

 欧州自動車工業会(ACEA)は2022年4月、欧州諸国の平均車齢を発表した。

 平均車齢とは何か。一般社団法人・自動車検査登録情報協会(自検協)の説明を紹介すると、「ナンバープレートをつけている自動車が、初年度登録してから経過年の平均」値だとしている。「人間の平均年齢に相当する」ものであり、「新車販売台数が減少し、自動車が長く使われると高齢化が進む」と説明している。
 
 欧州のデータを確認する前に、日本の状況を把握しておこう。自検協の発表データである。

 日本の平均車齢は2021年3月末時点で、乗用車(軽自動車を除く)が8.84年。前年比0.12年伸びた。29年連続で平均車齢はアップしている。

▲2013年にデビューした2ndMINI   日本国内の乗用車の平均車齢とほぼ一致する
▲2013年にデビューした2ndMINI 日本国内の乗用車の平均車齢とほぼ一致する

 では、欧州のデータはどうなっているのか?
 
 ACEAの発表は、乗用車が11.8年。日本よりもほぼ3歳上だ。

 国別に見ると次のようになる。

■2021年・欧州諸国の乗用車平均車齢 1〜15位
*ACEA発表データをもとに作成

順位=国名/平均車齢(年)

1=ルクセンブルク/6.7
2=オーストリア/8.5
3=アイルランド/8.6
4=デンマーク/8.9
5=スイス/9.0
6=ベルギー/9.2
7=英国/9.4
8=ドイツ/9.8
9=スウェーデン/10.2
10=フランス/10.3
11=ノルウェー/10.7
12=オランダ/11.2
13=イタリア/11.8
14=スロベニア/12.0
15=アイスランド/12.0

 奇しくもイタリアが平均車齢と一致した。アイルランド、デンマークは日本の平均車齢に近い。

 欧州の主要マーケット(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)の平均車齢は、いずれも日本よりも高い。

 貨物車の平均車齢は、日本が11.53年。

 欧州は小型貨物が11.9年、中型貨物が13.9年となっている。貨物車の平均車齢は、日欧で近似している。

▲メルセデス・ベンツ・スプリンター スプリンターはデリバリーバン・タイプもラインアップする(写真は2009年)
▲メルセデス・ベンツ・スプリンター スプリンターはデリバリーバン・タイプもラインアップする(写真は2009年)

■2021年・欧州諸国の乗用車平均車齢 16〜27位

16=フィンランド/ 12.5
17=スペイン/13.1
18=ポルトガル/13.2
19=ハンガリー/14.2
20=ラトビア/14.3
21=ポーランド/14.3
22=スロバキア/14.3
23=クロアチア/14.8
24=チェコ/15.3
25=ギリシア/16.6
26=エストニア/16.7
27=ルーマニア/16.9
28=リトアニア/17.0

 平均車齢とは別に、日本には平均使用年数という指標もある。

 これは「1年前の保有台数と比較して、減少した車両を1年間に抹消された車両と見なし、国内で新規登録されてから抹消登録するまでの平均年数」である。

 自動車検査登録情報協会のデータによれば、乗用車の平均使用年数は13.87年、貨物車は15.73年(2021年3月時点)である。

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