NISMOは「革新と感動」を届けるブランド。日産DNAの象徴として新たな発展を表明

NISMOは、レースなどモータースポーツ活動を通じて日産のDNAでもある「走り」を究め、それをロードカーなどに積極的にフィードバックするプロ集団。今後ますます存在感を高める

NISMOは、レースなどモータースポーツ活動を通じて日産のDNAでもある「走り」を究め、それをロードカーなどに積極的にフィードバックするプロ集団。今後ますます存在感を高める

日産も「モータースポーツを通じた、もっといいクルマ作り」を宣言

 日産自動車と日産モータースポーツ&カスタマイズは2025年12月16日、NISMOブランドを通じて日産全体の価値向上を目指す新たな取り組みを発表した。

 NISMOは、レースなどモータースポーツ活動を通じて日産のDNAでもある「走り」を究め、それをロードカーなどに積極的にフィードバックするプロ集団。最近はフェアレディZ、オーラ、X-TRAIL、アリア、パトロール(海外専売)など、さまざまな車種にNISMOロードカーを設定し、日産のスペシャルブランドとして認知度が高まっている。今回の発表は、日産の財産とDNAを、より有効に使い伝える前向きの取り組みである。

社長

イメージ

 NISMOを統括する日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社の社長兼CEOの真田裕氏は、「NISMOは、日産の大先輩でありモータースポーツ活動の功労者である難波靖治氏が初代社長を務め1984年に設立。モータースポーツを人・技術・クルマを鍛える場と位置付け、革新を繰り返しながら感動を届けてきました。今後はその経験をもとに、日産車のワクワク感と先進性を一層高めていきます。ご期待ください」と豊富を語った。具体的な取り組みは以下の3点になる。

「Road to track,Track to road」モータースポーツの継続的な取り組み

GT-R

Z GT4

 スーパーGTやフォーミュラEといったトップカテゴリーへのレース参戦を継続。そこで培った技術とパッションを「Road to track,Track to road」のコンセプトのもと、市販モデルにフィードバックする。NISMOの原点は、モータースポーツ、頂点を目指し最新技術を積極的に投入するのはもちろん、そこで得た知見を市販モデルへとフィードバックする体制を強化する。さらにスーパー耐久シリーズなど、新たなレースカテゴリーへの挑戦を通じ、次世代スポーツモデルへと結実させるのもポイントになる。

モデル拡大と海外展開で、新たなユーザーニーズに対応。カスタマイズ事業の拡充

オーラ

X-TRAIL

 より多くのユーザーに「Emotion & Excitement」を届けるため、NISMOロードカーシリーズを拡充。現在、グローバルで5車種あるラインアップを倍増し、仕向地も拡大する。目標は現在年間10万台の出荷台数を、2028年には約1.5倍にすること。それに向けて現在は約40%の海外販売比率を約60%まで増加させる。さらに新たな付加価値提供創造のため、カスタマイズ事業において、外部パートナーと積極的なコラボレーションを検討していくという。ちなみにノートオーラのNISMOモデルの販売比率は、現在20%ほど。販売比率が10%ほどのZやX-TRAILを、オーラ並みに高める努力によって、販売増は十分に達成可能なように見える。モデル拡充も計画しているのだから、なおさらだ。

並び

 真田社長は「[e-4ORCE]に代表される、4輪の駆動力を緻密に制御する日産独自の電動技術を駆使した新たなモデルを開発、それをレースの場で熟成し市販化する」というプランも表明した。またX-TRAILに新たに加わったアウトドアテイストを高めた「ロッククリーク」はNISMO発のアイデアという。NISMOロードモデルは、今後ますます間口を広げ、魅力的に発展するに違いない。

NISSAN/NISMOファンに向けたレストア事業の拡大

レストア

エンジン

 世界のレストア市場規模は、グローバルで約5000億円、2032年には1.2兆円規模に成長すると予想されている。それに対応し、すでに展開している第二世代GT-R(R32~R34型)を中心としたレストア・レストモッド事業、パーツ販売の対象車種、対象地域を拡大する。現在行っているユーザー車両のレストアとともに、レストアしたコンプリートモデルの販売も目指し、車種もGT-RだけでなくフェアレディZやパトロールにも拡大予定という。

 トヨタは、先日GR GT/GR GT3/レクサスLFAを発表するなど、「レースを通じた、もっといいクルマづくり」を実践するGRが存在感を高めている。今回のNISMOブランド強化も、流れとしては同様だ。クルマの魅力を積極的に高める取り組みは大歓迎。NISMOの今後を大いに期待したい。

ヘルメット

マシン

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