トヨタがカローラのSUVモデルのカローラ・クロスに、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を通じて鍛え上げられたスポーツカーシリーズの「GR SPORT」グレードを設定。GR SPORT専用の2.0Lハイブリッドシステムに専用チューニングの足回り、空気の流れを最適化したエクステリア、クルマとの一体感を高めるインテリアなどを採用して、オリジナリティあふれる高性能SUVへと昇華
トヨタ自動車およびTOYOTA GAZOO Racingは2025年5月23日、カローラ・シリーズのSUVモデルであるカローラ・クロスに「GR SPORT」グレードをラインアップし、本年8月4日に発売すると発表した。車両価格は389万5000円に設定する。
▲トヨタ・カローラ・クロスGR-SPORT(E-Four) 価格:389万5000円 全長4460×全幅1825×全高1600mm ホイールベース2640mm 車重1500kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費23.3km/リットル 写真のボディカラーはブラック×プラチナホワイトパールマイカ
GRが取り組む「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」で培った知見を活用し、走りの味やスポーティなデザイン・機能美を追求した新設定のカローラ・クロスGR SPORTは、パワートレインにGR SPORT専用の2.0Lハイブリッドシステムを搭載したうえで、足回りの専用チューニングや空気の流れを最適化したエクステリア、クルマとの一体感を高めるインテリアなどを採用して、独自の高性能SUVへと昇華させたことが特徴である。
まず注目のパワートレインは、ロングストローク化やバルブ挟角拡大、レーザークラッドバルブシートによる高効率吸気ポートの採用などによって最大熱効率40%を実現したM20A-FXS型1986cc直列4気筒DOHC・D-4Sガソリンエンジン(最高出力152ps/6000rpm、最大トルク19.2kg・m/4400~5200rpm)に、1VM型フロントモーター(最高出力83kW、最大トルク206Nm)、1WM型リアモーター(最高出力30kW、最大トルク84Nm)、リチウムイオン電池(容量4.08Ah)、専用10速シーケンシャルシフトマチックを組み合わせて構成する、GR SPORT専用の2.0Lハイブリッドシステムを搭載。システム最高出力は146kW(199ps)を発生し、また燃費性能はWLTCモードで23.3km/リットルを実現した。
▲パワートレインにはM20A-FXS型1986cc直列4気筒DOHC・D-4Sガソリンエンジン(152ps/19.2kg・m)+1VM型フロントモーター(83kW/206Nm)+1WM型リアモーター(30kW/84Nm)、リチウムイオン電池(容量4.08Ah)+専用10速シーケンシャルシフトマチックで構成するGR SPORT専用の2.0Lハイブリッドシステムを搭載
シャシー面に関しては、前マクファーソンストラット式/後ダブルウィッシュボーン式のサスペンションに専用チューニングを施したことがトピック。具体的には、フロントロアアームNo.1およびNo.2ブッシュ高硬度化、リバウンドスプリング内蔵式ショックアブソーバの採用、コイルスプリングばね定数の変更、車高10mmダウンによる低重心化などを実施して、操舵応答性・操縦安定性と質感の高い乗り心地を高次元で両立させる。また、ベース車の高いボディ剛性をより高水準にする目的でロアバックにリアバンパーリインフォースを設定し、高い操縦安定性とフラットな乗り心地を追求した。さらに、複数の走行モードから状況に合わせて最適な走りを選択できるドライブモードセレクトに、GR SPORT専用のSPORTモードを採用(ECO/NORMAL/SPORT/SNOW EXTRAの計4モード)。同モードではGR SPORT専用のチューニングによりエンジンの回転数を通常走行時より高く維持し、モーターのパワーとともに加速時のレスポンスを最大限に向上させる。また、雪道走行に安定性をもたらすSNOW EXTRAモードにも対応させた。
▲前マクファーソンストラット式(写真・上)/後ダブルウィッシュボーン式(同・下)のサスペンションを専用チューニング。フロントロアアームNo.1およびNo.2ブッシュ高硬度化やリバウンドスプリング内蔵式ショックアブソーバの採用、コイルスプリングばね定数の変更、車高10mmダウンによる低重心化などを実施する
エクステリアについては、スポーティなデザインと走りのための機能を高次元で融合させたことが訴求点だ。クルマの顔となるフロントバンパーセンターのメイングリルには進化したFunctional MATRIXグリルを採用し、合わせて専用フロントバンパーの両サイドにはダウンフォース機能を持たせたサイドポンツーン形状を配置。また、アッパーグリルはGRのニューフロントアイデンティティをテーマにヘッドランプ造形を一文字につなげたシンプルなデザインとし、専用ガーニッシュのアッパーモールを薄く、アンダーを低く構成することで低重心と安定感を強調して、フロントフェイスにスポーティな印象を与えた。ほかにも、専用ブラックパーツ(ドアウィンドウフレームモールディング/リアバンパーロアガーニッシュ/トヨタエンブレム[フロント・リア])や前後の専用“GR”エンブレムを配備。足もとには専用7.5J×19アルミホイール(ダーククリア切削光輝+ブラック塗装センターオーナメントブラック塗装ホイールナット付)+225/45R19タイヤ(YOKOHAMA ADVAN FLEVA)を組み込み、オプションとしてレッド塗装のブレーキキャリパー(フロントGRロゴ付)を設定した。そして、ボディカラーには専用2トーンのブラック×プラチナホワイトパールマイカ、ブラック×エモーショナルレッドⅡ、ブラック×アッシュをオプションで用意している。
▲クルマの顔となるフロントバンパーセンターのメイングリルには進化したFunctional MATRIXグリルを採用。合わせて専用フロントバンパーの両サイドにはダウンフォース機能を持たせたサイドポンツーン形状を配置する
▲足もとには専用7.5J×19アルミホイール(ダーククリア切削光輝+ブラック塗装センターオーナメントブラック塗装ホイールナット付)+225/45R19タイヤ(YOKOHAMA ADVAN FLEVA)を配備
高性能SUVモデルとしての機能美と上質感を高度に融合させたインテリアも見逃せない。前席には合成皮革+ブランノーブ(パーフォレーション&グレーステッチ/スモークシルバーメタリック加飾付)表皮の専用スポーツシート(GRロゴ付)を装着。コーナリングで強い横Gがかかった際にしっかりと身体をサポートできるように形状を最適化し、またシート表皮のメイン材に身体が滑りにくいスエード調表皮を張ることで、クルマとの一体感を向上させて正確なステアリング操作に寄与する。グレー色のステッチやベゼル加飾など、機能性だけでなくデザイン性にもこだわった点もアピールポイントだ。また、Sポジション選択時にステアリングから手を離すことなく指先の操作で俊敏なシフトアップ&シフトダウンが可能な専用パドルシフトや、機能的にもデザイン的にもGRにふさわしいスポーティな仕立ての専用本革巻き3本スポークステアリングホイール(グレーステッチ/スモークシルバーメタリック加飾/GRロゴ付)、スポーティな印象を際立たせる専用アルミ製ペダル(アクセル・ブレーキ)を標準装備。さらに、専用スモークシルバーメタリック加飾(センタークラスター/インパネオーナメント/サイドレジスターベゼル/ヒーターコントロールパネル/メータークラスター/本革巻きシフトノブ/ステアリングホイール/インサイドドアハンドル)で上質感を際立たせるとともに、スマートキーにはオーナーの所有欲を満たすGRロゴを配した。機能装備の拡充も図り、アダプティブハイビームシステムとパノラミックビューモニター(床下透過表示機能付)をオプションで用意。また、ディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plusも採用している。
▲機能美と上質感を高度に融合させたブラック基調のインテリア。機能的にもデザイン的にもGRにふさわしいスポーティな仕立ての専用本革巻き3本スポークステアリングホイール(グレーステッチ/スモークシルバーメタリック加飾/GRロゴ付)を配備