トヨタが“走り”と“広さ”を追求した新しいSUVタイプの電気自動車「bZ Woodland」を北米で世界初披露。現行のbZ4Xより全長を伸ばして荷室空間を拡大するとともに、パワートレインに高効率化したeAxleと総電力量74.7kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載して、一充電航続距離260マイル(約418km)を実現。日本市場では「bZ4X Touring」として2026年春頃に発売予定
トヨタ自動車は2025年5月15日、トヨタの北米事業体であるToyota Motor North America(TMNA)が5月19日から21日にかけて開催する新車発表イベントにおいて、新たなバッテリーEV「bZ Woodland(ウッドランド)」を世界初披露するとアナウンスした。
▲トヨタが“走り”と“広さ”を追求した新しいSUVタイプの電気自動車「bZ Woodland」を北米で世界初披露。発売は2026年初頭を予定。日本向けモデルは「bZ4X Touring」の車名を冠して2026年春頃に発売する見込み
トヨタはこれまで「もっといいクルマづくり」を目指し、商品と地域を軸とした経営を推進。その中でカーボンニュートラルの実現に向けたパワートレインの開発においては、あらゆる国・地域の様々なユーザーニーズに応えうる電動車の選択肢を用意する“マルチパスウェイ”の取り組みのもと、多様なモビリティを展開している。そして、米国市場においてはバッテリーEV(BEV)を中心に堅調な成長が想定され、いっそうの商品力強化が必要不可欠と想定。そこで、トヨタは「bZ」と「C-HR」とともに、北米市場で主要となるSUVをカバーできるBEVラインアップとして新型車の「bZ Woodland」を投入することを決定した。
bZ Woodlandは、“走り”と“広さ”にこだわって開発を進める。広さにおいては、ホイールベースを現行のbZ4Xと同寸の2850mmに設定しつつ、全長を140mmほど伸ばして4830mm(全幅×全高は1860×1620mm)とし、その延長分を主に荷室空間の拡大にあてがって、30cu.ft(約850リットル)を超えるラゲッジ容量を実現する。また、最低地上高は8.3インチ(約211mm)を確保した。ボディカラーにはStepping StoneやRaven Black、Trueno Blueなど、アウトドアシーンに似合う新色を設定している。
▲ホイールベースを現行のbZ4Xと同寸の2850mmに設定しつつ、全長を140mmほど伸ばして4830mmとし、その延長分を主に荷室空間の拡大にあてがって、30cu.ft(約850リットル)を超えるラゲッジ容量を確保する
インテリアについては、コクピットに独立タイプのドライバーインフォメーションディスプレイと、様々な情報を見やすく、かつアクセスしやすく表示する14インチセンターディスプレイを配備。木目調のパネルやアンビエントライティング、9スピーカーJBLオーディオシステム、パノラミックムーンルーフなども設定する。シートには手入れが簡単なSofTexトリム表皮を採用した。
パワートレインに関しては、高効率化したeAxleと総電力量74.7kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。一充電航続距離はAWDモデルで260マイル(約418km)を実現する。また、有効な視界を確保するマルチテレインモニター付きパノラマビューモニターを配備。牽引能力は3500ポンドを成し遂げる。さらに、AWDモデルは進化した制御システムの採用によって前後駆動力配分の自由度を拡大し、アウトドアシーンでも卓越した走行安定性を達成した。一方、充電についてはバッテリープレコンディショニングを採用することでバッテリーを充電に最適な温度とし、冷間時での急速充電時間約30分を目標に開発。急速充電(DC)規格としては、北米充電規格のNACS=North American Charging Systemを導入した。
なお、「bZ Woodland」は2026年初頭に北米市場で発売予定。また、bZ Woodlandの日本向けモデルは「bZ4X Touring(ツーリング)」の車名を冠して2026年春頃に発売する計画で、さらに「bZ4X」自体は本年後半に一部改良モデルがリリースされる予定である。