SUBARU XVの全面改良モデルとなる新型SUVの「クロストレック」が世界初公開

SUBARUが2023年以降の日本導入を予定する次期型XVの概要を発表。車名はグローバルで「クロストレック(CROSSTREK)」に統一。従来型の個性的なデザインをさらに際立たせ、動的質感にもより磨きをかける

 SUBARUは2022年9月15日、次世代のXVとなる新型クロスオーバーSUV「クロストレック(CROSSTREK)」の概要を発表した。

▲SUBARUクロストレック 次世代のXVとなる新型クロスオーバーSUVで、車名はグローバルでクロストレック(CROSSTREK)に統一される。クラッディングエリアを拡大して高い走破性を予感させるスタイリングを創出。写真は標準グレードのプロトタイプ

▲SUBARUクロストレック 次世代のXVとなる新型クロスオーバーSUVで、車名はグローバルでクロストレック(CROSSTREK)に統一される。クラッディングエリアを拡大して高い走破性を予感させるスタイリングを創出。写真は標準グレードのプロトタイプ

 

 SUBARUはこれまで、コンパクトクロスオーバーSUV車の車名を市場によって「XV」と「クロストレック」に分けて販売していたが、今回の第3世代となる新型からはワールドワイドで「クロストレック」を採用する。その背景には、新型で具現化した機能性や走行性能の高さに裏付けられたアクティブなイメージを従来型以上に大切にしたいという考えがあった。これを市場で訴えるために、「カジュアルなトレッキングシューズにように、街中からアウトドアまでシーンを選ばず、どんな場所にもマッチし、アクティビティのパートナーとして、クルマと過ごす時間を愉しんでもらいたい」という意図を込めた“CROSSOVER+TREKKING”の合成語である「CROSSTREK」に統一したのである。

▲ボディサイズは全長4480×全幅1800×全高1580mm(ルーフレール/シャークフィンアンテナ無しの場合は-30mm)、ホイールベース2670mm、最低地上高200mm、車重は1540~1620kgに設定。写真は上級グレードのプロトタイプ

▲ボディサイズは全長4480×全幅1800×全高1580mm(ルーフレール/シャークフィンアンテナ無しの場合は-30mm)、ホイールベース2670mm、最低地上高200mm、車重は1540~1620kgに設定。写真は上級グレードのプロトタイプ

 

 新型クロストレックは、「愉しさ=FUN」をキーワードに、ユーザーの毎日を“FUN”で笑顔あふれるものにすることを想像しながら開発が推し進められる。

 まずエクステリアは、アクティブなライフスタイルに寄り添えるクルマをイメージし、クルマを運転している時だけでなく、外から眺めるだけでもワクワクするような愉しさが感じられる個性のあるSUVデザインで仕立てる。フロントマスクは厚みを感じさせる高いフード位置により、逞しさを表現。合わせて、シャープな造形のフロントグリルバーやLEDヘッドランプを配して、軽快かつ精悍なイメージの顔つきを演出した。一方、サイドビューはクラッディングエリアを拡大して高い走破性を予感させるとともに、ダイナミックなラインや造形を盛り込んだパネル面により、頼もしさと躍動感を両立。足もとには標準グレードに新造形の17インチアルミホイールと225/60R17タイヤを、上級グレードに2トーンの新造形18インチアルミホイールと225/55R18タイヤを組み込む。そしてリアセクションは、キャビンを絞り込むことでフェンダーの張り出しを強調し、合わせてアグレッシブな造形のバンパーおよびディフューザーを配して、安定感と力強さを具現化した。

▲シャープさを感じさせるフロントグリルバーやLEDヘッドランプを配して軽快かつ精悍なイメージのフロントマスクを演出

▲シャープさを感じさせるフロントグリルバーやLEDヘッドランプを配して軽快かつ精悍なイメージのフロントマスクを演出

▲ルーフレールとシャークアンテナを設定

▲ルーフレールとシャークフィンアンテナを設定

▲アグレッシブな造形のリアバンパーとディフューザーを配して力強さを表現

▲アグレッシブな造形のリアバンパーとディフューザーを配して力強さを表現

▲標準グレードには新造形の17インチアルミホイールと225/60R17タイヤを装着

▲標準グレードには新造形の17インチアルミホイールと225/60R17タイヤを装着

▲上級グレードには2トーンの新造形18インチアルミホイールと225/55R18タイヤを組み込む

▲上級グレードには2トーンの新造形18インチアルミホイールと225/55R18タイヤを組み込む

▲リアゲートに車名のCROSSTREKエンブレムとパワートレインを示すe-BOXERエンブレムを貼付

▲リアゲートに車名のCROSSTREKエンブレムとパワートレインを示すe-BOXERエンブレムを貼付

 

 ボディサイズは現行XV比で5mm短いだけで、それ以外は同寸の全長4480×全幅1800×全高1580mm(ルーフレール/シャークフィンアンテナ無しの場合は-30mm)、ホイールベース2670mmに設定。最低地上高200mmと最小回転半径5.4mも共通だ。一方、ボディカラーは新色のオフショアブルーメタリックとオアシスブルーを含む、全9色をラインアップしている。

▲ボディカラーは全9色を設定。写真は新色のオフショアブルーメタリック

▲ボディカラーは全9色を設定。写真は新色のオフショアブルーメタリック

▲新色のオアシスブルー

▲新色のオアシスブルー

▲継続色のピュアレッド

▲継続色のピュアレッド

 

 内包するインテリアは、使い勝手と居心地のよさを徹底追求してデザインする。インストルメントパネルは、マルチマテリアルの多層構造とすることで、各素材の風合いを活かした、シンプルでありながら表情豊かな造形を創出。また、センターコンソール上面の位置を高くして包まれ感と上質感を表現するとともに、操作性も向上させた。さらに、ドアトリムには人体工学に基づいて設計したインナープルハンドルを配して、自然な姿勢で開閉できるように設定。そして、インパネセンターにはレヴォーグやWRX S4などの他車種で採用している11.6インチセンターインフォメーションディスプレイを配備し、大画面がもたらす使い勝手のよさや、先進的ですっきりとしたデザインはそのままに、スマートフォンとの連携機能を大幅に強化した。

▲インストルメントパネルはマルチマテリアルの多層構造とすることで、各素材の風合いを活かしたシンプルでありながら表情豊かなデザインに仕立てる。写真上は標準グレードで、同下は上級グレード

▲インストルメントパネルはマルチマテリアルの多層構造とすることで、各素材の風合いを活かしたシンプルでありながら表情豊かなデザインに仕立てる。写真上は標準グレードで、同下は上級グレード

▲センターコンソール上面の位置を高くして包まれ感と上質感を表現するとともに、操作性も向上させる

▲センターコンソール上面の位置を高くして包まれ感と上質感を表現するとともに、操作性も向上させる

▲インパネセンターには11.6インチセンターインフォメーションディスプレイを配備。大画面がもたらす使い勝手のよさや先進的ですっきりとしたデザインはそのままに、スマートフォンとの連携機能を大幅に強化した

▲インパネセンターには11.6インチセンターインフォメーションディスプレイを配備。大画面がもたらす使い勝手のよさや先進的ですっきりとしたデザインはそのままに、スマートフォンとの連携機能を大幅に強化した

 

 キャビン空間自体は従来と同等のスペースを確保したうえで、大学医学部との共同研究による医学的知見を取り入れた仙骨を押さえて骨盤を支えるシート構造を新たに取り入れる。シートと車体の固定構造を従来型のブラケットを介した方法からシートレールを直接車体に固定する構造に変更し、取り付け部の剛性と振動収束性を高めたこともトピックだ。一方、シート表皮は標準グレードにトリコット(シルバーステッチ)を、上級グレードにファブリック(シルバーステッチ)を採用。オプションとして、本革シートも用意している。

 荷室スペースに関しては、従来型と同等の大きな荷室開口部と必要十分な荷室容量を確保。6:4分割可倒式リアシートを活用して荷室を自在に拡張することで、大きな荷物や長尺物が積載できる。また、リアゲート下部のトリムやサイドシルプレートに、山をモチーフとしたテクスチャーを装備。優れたデザイン性だけでなく、滑り止めやキズの防止という実用性も兼ね備える。さらに、サイドシルプレートは形状を最適化し、ルーフに荷物を載せたり、屋根を拭き上げるために足をかけたりする際の安定性を向上させた。

▲大学医学部との共同研究による医学的知見を取り入れた仙骨を押さえて骨盤を支えるシート構造を新採用。写真は標準グレードのトリコット(シルバーステッチ)表皮

▲大学医学部との共同研究による医学的知見を取り入れた仙骨を押さえて骨盤を支えるフロントシート構造を新採用。写真は標準グレードのトリコット(シルバーステッチ)表皮

▲シートと車体の固定構造を従来型のブラケットを介した方法からシートレールを直接車体に固定する構造に変更し、取り付け部の剛性と振動収束性を高める。写真は上級グレードのファブリック(シルバーステッチ)表皮

▲フロントシートと車体の固定構造を従来型のブラケットを介した方法からシートレールを直接車体に固定する構造に変更し、取り付け部の剛性と振動収束性を高める。写真は上級グレードのファブリック(シルバーステッチ)表皮

▲サイドシルプレートに山をモチーフとしたテクスチャーを装備。合わせてプレート自体の形状を最適化し、ルーフに荷物を載せたり、屋根を拭き上げるために足をかけたりする際の安定性を向上させた

▲サイドシルプレートに山をモチーフとしたテクスチャーを装備。合わせてプレート自体の形状を最適化し、ルーフに荷物を載せたり、屋根を拭き上げるために足をかけたりする際の安定性を向上させた

▲荷室スペースは従来型同等の大きな荷室開口部と必要十分な荷室容量を確保。6:4分割可倒式リアシートを活用して荷室を自在に拡張することで、大きな荷物や長尺物が積載できる。リアゲート下部には山をモチーフとしたテクスチャーを配備

▲荷室スペースは従来型同等の大きな荷室開口部と必要十分な荷室容量を確保。6:4分割可倒式リアシートを活用して荷室を自在に拡張することで、大きな荷物や長尺物が積載できる。リアゲート下部には山をモチーフとしたテクスチャーを配備

 

 基本骨格に関しては、従来型の優れた操縦安定性および乗り心地を支えた「スバルグローバルプラットフォーム」をさらに進化させて採用。レヴォーグやWRX S4などの他車種で採用しているフルインナーフレーム構造の導入や、構造用接着剤の適用拡大、サスペンション取り付け部の剛性アップなど、最新の知見や技術をふんだんに盛り込む。また、ルーフパネルとブレースの間に振動の吸収性が高く、制振性に優れた高減衰マスチック(弾性接着剤)を採用し、ルーフの共振抑制および音の収束性を引き上げた。

▲基本骨格には従来型の優れた操縦安定性および乗り心地を支えた「スバルグローバルプラットフォーム」をさらに進化させて採用。ボディ全体の骨格部材を強固に組み立ててから外板パネルを溶接するフルインナーフレーム構造を導入する

▲基本骨格には従来型の優れた操縦安定性および乗り心地を支えた「スバルグローバルプラットフォーム」をさらに進化させて採用。ボディ全体の骨格部材を強固に組み立ててから外板パネルを溶接するフルインナーフレーム構造を導入する

 

 パワートレインについては、振動や騒音を低減する改良を施した2リットル水平対向4気筒DOHC16V直噴ガソリンエンジン+モーター+リチウムイオン電池で構成する2.0L e-BOXERを搭載。トランスミッションには改良版のリニアトロニックを組み合わせる。一方、懸架機構は前ストラット式/後ダブルウィッシュボーン式サスペンションを踏襲したうえで、セッティングを変更。また、操舵機構には応答遅れが少ないスポーティで上質なステアリングフィールを実現する2ピニオン電動パワーステアリングと操舵角に応じてステアリングのギア比が変化するVGR(Variable Gear Ratio)を、制動機構には優れた昇圧性能を持つ電動ブレーキブースターを組み込んだ。

▲パワートレインには振動や騒音を低減する改良を施した2リットル水平対向4気筒DOHC16V直噴ガソリンエンジン+モーター+リチウムイオン電池で構成する2.0L e-BOXERを搭載

▲パワートレインには振動や騒音を低減する改良を施した2リットル水平対向4気筒DOHC16V直噴ガソリンエンジン+モーター+リチウムイオン電池で構成する2.0L e-BOXERを搭載

 

 先進安全運転支援システムの進化も注目ポイントだ。具体的には、4つのカメラ映像を合成して車両周囲360°を映し出す3Dビュー/トップビューや、新採用のセンターインフォメーションディスプレイを使用して従来型のマルチファンクションディスプレイより大きく高精細な画面で表示するデジタルマルチビューモニター、SUBARU初設定となるフルLEDハイ&ロービームランプ+LEDコーナリングランプ、画角を従来型の約2倍に拡大するとともに画像認識ソフトや制御ソフトを改良し、合わせてフロントガラス取り付け式に変更した新型ステレオカメラユニット、低速での走行時に新型ステレオカメラよりも広角で二輪車/歩行者を認識できる広角単眼カメラなどを新たに導入する。また、コネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」もさらに進化。従来の「つながる安全」機能に加えて、利便性や快適性を高める新サービスを展開して、コネクティッドサービスの領域拡大を図った。

▲画角を従来型の約2倍に拡大するとともに画像認識ソフトや制御ソフトを改良し、合わせてフロントガラス取り付け式に変更した新型ステレオカメラユニットを採用

▲画角を従来型の約2倍に拡大するとともに画像認識ソフトや制御ソフトを改良し、合わせてフロントガラス取り付け式に変更した新型ステレオカメラユニットを採用

 

 なお、新型クロストレックは2023年以降に日本市場で導入を開始し、その後順次、世界各国の市場で発売する予定である。

▲新型クロストレックは2023年以降に日本市場で導入を開始する予定

▲新型クロストレックは2023年以降に日本市場で導入を開始する予定

 

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