3列シートラグジュアリーSUVのキャデラック・エスカレードがマイナーチェンジ。フロントフェイスを新世代のキャデラックデザインに刷新するとともに、機能装備のアップデートや悪路走破性の向上、先進安全システムの拡充などを実施。日本発売を記念した限定モデル「スポーツ ローンチエディション」もラインアップ
ゼネラルモーターズ・ジャパンは2025年5月15日、高級3列シートSUVのキャデラック・エスカレードの改良モデルを発売した。
▲キャデラック・エスカレード・スポーツ 価格:1950万円 全長5400×全幅2065×全高1930mm ホイールベース3060mm 車重2780kg 乗車定員7名 写真のボディカラーはブラックレーベンで、オプションの24インチ7スポークパールニッケル[ハイグロスブラックインサート付]アロイホイールを装着
車種展開は以下の通り。
エスカレード・プラチナム(PLATINUM):1890万円
エスカレード・スポーツ(SPORT):1950万円
特別限定車エスカレード・スポーツ ローンチエディション(SPORT LAUNCH EDITION):1995万円(販売台数50台)
なお、従来設定していた8名乗りの「プレミアム(PREMIUM)」グレードはカタログから外れている。
▲キャデラック・エスカレード・プラチナム 価格:1890万円 全長5400×全幅2065×全高1930mm ホイールベース3060mm 車重2780kg 乗車定員7名 写真のボディカラーはキャデラックグレーメタリックで、オプションの24インチ10スポークポリッシュドフィニッシュ[ハイグロスブラック&レーザーエッチング付]アロイホイールを装着
改良版のエスカレードは、フロントフェイスを新世代のキャデラックデザインに変更するとともに、機能装備のアップデートや悪路走破性の向上、先進安全システムの拡充のほか、発売を記念した日本限定モデル「スポーツ ローンチエディション」を設定したことが特徴である。
▲キャデラック・エスカレード・スポーツ ローンチエディション 価格:1995万円 全長5400×全幅2065×全高1930mm ホイールベース3060mm 乗車定員7名 ボディカラーには通常モデルで未設定のアージェントシルバーメタリックを採用。販売台数は50台限定
まずエクステリアでは、キャデラックブランド初のEV「リリック(LYRIQ)」から採用されたキャデラックの最新デザイン言語を反映した新世代フロントフェイスを採用したことがトピック。ボディ両端の縦型LEDヘッドランプとウィンカーランプがキャデラックらしさを際立たせ、高いアイポイントと新造形のフロントグリルが圧倒的な存在感を生み出し、同時にワイドなプロポーションをより強調する。また、2つのグレード「プラチナム」と「スポーツ」で異なるコンセプトのデザインを纏い、プラチナムがクロームを基調としてエレガンスさを、スポーツがブラックを基調として精悍さを表現した。一方、リアにはアイコニックなバーティカルタイプのコンビネーションランプを配備し、キャデラックならではの力強さと品格を主張。ルーフレールはプラチナムがブライト、スポーツがグロスブラックで仕立てる。さらに、新デザインのアロイホイールには22インチ(プラチナム:22インチ スプリット7スポークポリッシュドフィニッシュ[ハイグロスブラック&レーザーエッチング付]/スポーツ:22インチ18スポークアフターミッドナイトフィニッシュ)に加えて、24インチの大口径アロイホイール(プラチナム:24インチ10スポークポリッシュドフィニッシュ[ハイグロスブラック&レーザーエッチング付]/スポーツ:24インチ7スポークパールニッケル[ハイグロスブラックインサート付])をオプションで用意した。なお、ボディカラーはプラチナムにクリスタルホワイトトライコート/ブラックレーベン/ギャラクティックグレーメタリック/アージェントシルバーメタリックの4色を、スポーツにクリスタルホワイトトライコート/ブラックレーベン/ギャラクティックグレーメタリック/ラディアントレッドティントコートの4色を設定している。
▲キャデラックの最新デザイン言語を反映した新世代フロントフェイスを採用。ボディ両端の縦型LEDヘッドランプとウィンカーランプがキャデラックらしさを際立たせ、高いアイポイントと新造形のフロントグリルが圧倒的な存在感を生成する
▲ボディカラーはプラチナムにクリスタルホワイトトライコート/ブラックレーベン/ギャラクティックグレーメタリック/アージェントシルバーメタリックの4色を、スポーツにクリスタルホワイトトライコート/ブラックレーベン/ギャラクティックグレーメタリック/ラディアントレッドティントコートの4色を設定
インテリアについては、フロントディスプレイを助手席側にも配して大型化した湾曲型55インチHDカーブドディスプレイを採用したことが注目ポイントだ。8K解像度のドライバー用画面と4K解像度の助手席用画面を左右シームレスにつなぎ、ドライバーには車載用として世界初の車両全周を映し出すサラウンドビジョンやさまざまな車両情報を高い視認性で鮮明に表示。対して助手席側の専用画面では、足元のHDMI端子を利用することで、お気に入りのコンテンツや車両情報を閲覧することができる。ヒューマンマシンインターフェース(HMI)を刷新した点も見逃せない。新HMIはセンターコンソールに配備したタブレット型のコマンドセンターを中心に設計され、エアコンやライト、シート調整などあらゆる機能をコントロールできるようにアレンジする。キャデラッククレストが美しく光るジョグダイヤルや音量調整用の物理スイッチも引き続き装備した。一方、ステアリングホイールは往年のキャデラックをオマージュした新デザインに変更し、操舵する楽しみを増幅させている。
エスカレードでしか味わえないくつろぎとステータスをもたらすキャビン空間を創出したことも、改良モデルの訴求点だ。素材には深みのある天然木や滑らかなセミアニリンレザーなど本物の素材を惜しみなく使用し、またロングホイールベースならではの広大な足もとスペース、二層構造で断熱性と遮音性に優れ、かつ開放感にあふれるパノラミックパワーサンルーフ(電動サンシェード付)、ヒーター&ベンチレーション機能付きの12ウェイ調整フロントパワーシート、冷凍機能付き冷蔵庫などを配備して、最上級のドライビングエクスペリエンスを提供する。さらに、シーンや気分に合わせたライティングをカスタマイズできるアンビエントライトには126色のカラーバリエーションを設定し、乗員の好みやシチュエーションに合わせて室内のムードを演出することを可能とした。36個のスピーカーによる立体音響を実現したAKG社製の車載サラウンドサウンドシステムを装備して、臨場感あふれる音響体験を提供することも、エスカレードのセールスポイントである。なお、インテリアカラーはジェットブラックを標準で、ウィスパーベージュ(ギデオンアクセント付)をオプションで設定している。
パワートレインに関しては、従来と共通の6156cc・V型8気筒OHV直噴ガソリンエンジン(最高出力416ps/5800rpm、624Nm/4000rpm)と、エレクトロニックシフトコントロールを備えた10速ATのトランスミッション、電子制御リミテッドスリップディファレンシャル(eLSD)を組み込んだセレクタブル4WDシステムを採用したうえで、AUTOTRAC 2スピードトランスファーケース(WD HI/4HI/NEUTRAL/AUTO)に副変速機の4LOWを新設定。深い雪道や泥地などの悪路で、より高い走破性を実現した。
▲パワーユニットには6156cc・V型8気筒OHV直噴ガソリンエンジン(416ps/624Nm)を搭載。AUTOTRAC 2スピードトランスファーケースに副変速機の4LOWを新設定して悪路走破性を高める
先進安全システムについては、アシスト付きドアとリアカメラミラーを新たに採用した点が特徴である。センサーとモーターを内蔵した前後のパワーオープン/クローズドアは、強風時や傾斜地での開閉を制御するとともに、障害物にも自動で配慮して、エレガントなドア操作をサポート。電動アシストステップやソフトクローズ機能も標準で組み込み、ドライバーおよび同乗者のスムーズな乗降をエスコートする。一方でリアカメラミラーは、通常のルームミラーとして使用するだけでなく、デジタルミラーに切り替えることで広角な後方映像を表示。角度調整やズーム機能を駆使して視界や視認性を高めて、より安全なドライビング環境を実現する。従来と同様、ナイトビジョンやHDサラウンドビジョンなども標準で組み込んだ。
限定モデルの「スポーツ ローンチエディション」の概要に話を移そう。ベース車は通常モデルのスポーツで、エクステリアには通常モデルで未設定のアージェントシルバーメタリックのボディカラーや、モノトーンの前後キャデラッククレスト、グロスブラックのモデルバッジ&トルクバッジを特別装備。足もとには通常モデルでオプション設定の24インチ7スポークパールニッケル[ハイグロスブラックインサート付]アロイホイールを標準で装着した。
▲限定モデルの「スポーツ ローンチエディション」はモノトーンの前後キャデラッククレストとグロスブラックのモデルバッジ&トルクバッジを特別装備。足もとには通常モデルでオプション設定の24インチ7スポークパールニッケル[ハイグロスブラックインサート付]アロイホイールを標準で組み込む
内装については、専用インテリアカラーのシェアグレイ・ジェットブラックアクセントを採用したうえで、ファセットキルティングを施したセミアニリンのフルレザー仕様を導入。ラグジュアリーかつスペシャルなキャビン空間に仕立てている。