現行4シリーズ・カブリオレのハイライトは、リトラクタブルハードトップ(RHT)をついに諦めて「ソフトトップ」へと回帰したことである。
最大の利点は軽量化だ。ルーフ開閉システムだけで従来に比べ40%軽くなった。その結果、以前は18km/h以下でしか開閉操作ができなかったが、時速50km/hでも可能になった。開閉に要する時間も短縮され、約18秒で完了する。ソフトトップは、皮をめくればハードトップが入っているんじゃないか、と思ったほどに頑丈で硬い仕上がりである。
オープン状態でのスタイリングは以前とさほど変わらない。けれどもクローズドの状態での見栄えが激変した。トップデザインが流麗で美しい。この一点をもって筆者はソフトトップ支持者だ。
ラインアップは2リッターターボの420i、3リッターターボのM440i、そしてリアルスポーツのM4まで豊富。最高出力387psのM440の味わいは奥深い。まずはトップを閉じて走り出す。スポーティな乗り味はクーペと同様だ。速度を上げるにつれて硬さは消えていくが、ハードな印象は否めない。ちなみにソフトトップによる風切り音は皆無だ。
速度を50km/h以下に落としてオープンに。ウィンドウとディフレクターを立てると風の巻き込みは最小限。快適なドライブが楽しめる。オープン状態では低速度域でも少しだけ乗り心地がまろやかになる。BMWはオープンの魅力を熟知している。