メルセデスのオープンモデルと聞いて、すぐに思い浮かぶのはSLクラスだろう。Eクラス、Sクラスとともに今日の基礎を築いたモデルだ。もちろん、こちらは2シーターオープン。AMGの一員となった最新は4シーターだが、1970年代のR107型の時代にもリアシートのあるモデルがあった。1990年代のR129型からそれはなくなった。
現在メルセデスの4シーターオープンは、昨年リリースされたCLEカブリオレが一手に引き受ける。それまでCクラス・カブリオレ、Eクラス・カブリオレがそれぞれ存在したが、この2台が統合されCLEカブリオレとなった。統合といってもサイズなどは従来のEクラス寄りである。
2つあったモデルが1台に絞られたのは、マーケットが縮小したからだろう。オープントップに恋焦がれるよりも背の高いSUVに夢を膨らませる人が多いに違いない。
それはともかく、CLEカブリオレというモデルには、2つのグレードがある。CLE200カブリオレスポーツ(941万円)とメルセデスAMG CLE53 4MATIC+カブリオレ(1412万円)だ。正確にはブランドが異なるし、価格も500万円近く差があるから別モデルといっていいかもしれない。
今回はCLE200カブリオレスポーツをフィーチャーする。トップはファブリックが採用され、カラーは3色用意される。開閉は全自動で、60km/h以下であれば操作可能だ。約20秒で開閉動作が終わる。キャビンへの風の流入に関しては、フロントウィンドウ上部のウインドディフレクターと後席後ろのドラフトストップで構成する通称「エアキャップ」が防いでくれる。これは長年4シーターオープンを手掛けてきたうえで開発されたシステムだ。首元を温めるエアスカーフとともに一日の長を感じる。
パワーソースは2リッター直4ターボのガソリンエンジン+ISGというマイルドハイブリッドシステムを搭載。電動ブースト機能で力強い加速を味わうことができる。ギアボックスは9速の9Gトロニックが組み合わされる。
足回りにはスポーツサスペンションを標準装備。通常時はしなやかなさを演出しながら、ワインディングなどでサスペンションに負荷がかかると瞬時に減衰圧を高める。スポーティな走りが楽しめるのはいわずもがな。屋根を閉めれば2ドアクーペになるのだからそんな走りも似合う。
オプションとなる連続可変ダンピングシステム搭載の「ダイナミックボディコントロールサスペンション」を選べばさらに楽しい走りになるだろう。もちろん、リアに人を乗せるのであればジェントルな走りをお勧めするが。
というのがCLE200カブリオレスポーツ。4シーターオープンでもしっかりとメルセデス。デジタルインターフェイス、安全性、快適性、それとスポーティな走りと魅力がてんこ盛りである。