【NEW-CARプレビュー】新型ホンダ・プレリュードまもなく復活。スタイルと快適性、そして走りを楽しむスペシャルティの斬新世界

新型ホンダ・プレリュード。約30年ぶりに復活する6代目のグランドコンセプトは「UNLIMITED GLIDE」。どこまでも行きたくなる気持ちよさと、非日常のときめきを提供価値に掲げ、グライダーで大空を滑空するような高揚感にこだわった。正式デビューは2025年秋を予定する

新型ホンダ・プレリュード。約30年ぶりに復活する6代目のグランドコンセプトは「UNLIMITED GLIDE」。どこまでも行きたくなる気持ちよさと、非日常のときめきを提供価値に掲げ、グライダーで大空を滑空するような高揚感にこだわった。正式デビューは2025年秋を予定する

イメージは大空を自由に滑空するグライダー

 2025年秋の発売を予定している新型プレリュードのコンセプトと内外装が公開された。プレリュードは1970年代後半から2000年代初頭に絶大な人気を誇ったスペシャルティカー。新型はほぼ30年ぶりに復活する6代目モデルとなる。

 グランドコンセプトは「UNLIMITED GLIDE」。「どこまでも行きたくなる気持ちよさ×非日常のときめき」を提供価値に掲げ、プレリュードとともに過ごす特別な時間、操る喜び、そしてグライダーで大空を滑空するような高揚感にこだわったという。

リア

真横

 商品企画部チーフエンジニアの齋藤智史氏は「2代目NSXの終了が決まったころ、Hondaらしい[元気なクルマ]を作ろうという話がスタートしました。目指したのは電動化の時代に向けた、架け橋になるHEVスポーツです。スポーツというと戦闘機を連想しがちですが、あえてより自由なイメージのあるグライダーを意識し、最新の技術と思想を積極的に投入しています。当初は[プレリュードの復活]という意識は薄かったのですが、開発が進む中で、このクルマには、プレリュード(=前奏曲)というネーミングがふさわしい、ということになりました」と説明してくれた。

 ターゲットは、往年のプレリュードを知るX世代(40代半ばから60代前半)と、その子供たちのZ世代(10代から20代)である。フレッシュな感性を持つ大人と若者が、世代を超えて共感できる魅力を追求している。

細部までこだわった内外装。美しさと五感に響く走りで新たな価値を創造

 スタイリングは、低くシャープなノーズが印象的なクーペフォルム。グライダーをイメージしたプロポーション、三次元的にクロスするダイナミックなサーフェス、そして走りを予感させるスタンスを組み合わせた。具体的な数値は公表されていないが、エアロダイナミクス性能も高そうだ。

リアゲート開け

ラゲッジ

 ライトグラフィックは前後ともワイドな一文字形状で、ルーフラインはスムーズ。ボディタイプはリアに大型ゲートを配したプレリュード初の3ドアとなる。足元は19インチの大径タイヤとノイズリデューション形状アルミの組み合わせだ。ちなみにリアセンターに配置された「Prelude」のロゴは、かつてアイルトン・セナ選手がCMでドライビングを披露した4代目モデルのオマージュとなっている。

 室内は「TOKIMEKI」がキーワード。軽快なホワイトと深いブルーのカラーコーディネートが印象的だ。インパネは最新Honda車共通の機能的なレイアウト。上質なレザー調パッドやバイカラーのステッチがクーペらしい特別感を訴求する。実際に乗り込むとワイドな視界が好印象。低めの着座位置とも相まって「さぁ、走ろう!」という気分になる。ちなみに前席は、それぞれを専用仕様で仕上げた特別設計。運転席はサイドサポートにワイヤーを配し、クッションもやや固め。アクティブなドライビングでもドライバーをしっかりと支える。一方、助手席はワイヤーレスの快適仕様。座面両端の高さも乗降性を重視した作りとなっている。

インパネ

シート01

シート02

 パッケージングは2+2構成。後席シートバックは4対6で倒れる。リアシートを倒すとゴルフバッグが2セット積み込め、いざとなれば大人の乗り込みも可能。実際に座ると、前席下のスペースに余裕があるため、予想以上に快適だった。ただし頭上空間はタイトだ。

 メカニズムは完成度を高めた2リッター・e:HEVと新機構S+シフトの組み合わせ。すでにプロトタイプに試乗したテスターが「アクセルの踏み込みに対してエンジン回転と加速が完璧に同調する。まさにエンジン車の走行フィール。モーター主体のハイブリッドでも[俺たちエンジン屋]というホンダの主張が感じられる」と絶賛する仕上がりだ。速さ、ダイレクト感、サウンドのすべてで、ドライバーの操作とクルマの応答がシンクロする心地よさが最大の個性である。

メーター

タイヤ

 足回りは、シビック・タイプRのコンポーネンツをベースに専用チューニングで仕上げた。タイプRと同等のスポーツ性を実現しながら、新世代スペシャルティらしい快適性を吟味している。路面や走行シーンに応じて減衰力を最適に調節するアダプティブ・ダンパーシステムを採用し、ブレーキはブレンボ製の大容量タイプを組み込む。

 新型プレリュードは、スペシャルティクーペならではの贅沢な味わいと、ホンダらしい走りのこだわりが凝縮した意欲作。すでにディーラーには問い合わせが多数あると聞く。
 日本のモーターシーンの成熟を象徴する1台に期待が高まる。

歴代プレリュード・グラフィティ

初代プレリュードは1978年11月に登場。1.8リッターエンジンはアコードをベースにしていたが、シャシーは完全新設計。電動サンルーフなど装備も充実。サイズは4090×1635×1200mm

初代プレリュードは1978年11月に登場。1.8リッターエンジンはアコードをベースにしていたが、シャシーは完全新設計。電動サンルーフなど装備も充実。サイズは4090×1635×1200mm

1982年11月に2代目に進化。フロントにダブルウィッシュボーン式サスを採用し圧倒的に低いノーズ高を実現した。エンジンは当初が1.8リッター。1985年6月に2リッターDOHC16Vを追加する。サイズは4295×1690×1295mm

1982年11月に2代目に進化。フロントにダブルウィッシュボーン式サスを採用し圧倒的に低いノーズ高を実現した。エンジンは当初が1.8リッター。1985年6月に2リッターDOHC16Vを追加する。サイズは4295×1690×1295mm

1987年4月登場の3代目は大人気を博した2代目のコンセプトを踏襲。機械式4輪操舵システムを設定しシャープな操縦性を実現する。エンジンは2リッターが主力。サイズは4460×1695×1295mm

1987年4月登場の3代目は大人気を博した2代目のコンセプトを踏襲。機械式4輪操舵システムを設定しシャープな操縦性を実現する。エンジンは2リッターが主力。サイズは4460×1695×1295mm

1991年9月に登場した4代目はダイナミックに進化。ボディは3ナンバー規格となり、エンジンは2.2リッターに拡大。アイルトン・セナ選手が登場したCMも話題を呼んだ。サイズは4440×1765×1290mm

1991年9月に登場した4代目はダイナミックに進化。ボディは3ナンバー規格となり、エンジンは2.2リッターに拡大。アイルトン・セナ選手が登場したCMも話題を呼んだ。サイズは4440×1765×1290mm

5代目は1996年11月デビュー。スタイリングはノッチバック形状に回帰する。ボディサイズは4520×1750×1315mm

5代目は1996年11月デビュー。スタイリングはノッチバック形状に回帰する。ボディサイズは4520×1750×1315mm

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