ボルボが油圧ダンプトラック「アーティキュレートハウラー」のA25/A30/A35/A40/A45/A60の新型モデル6車種を日本に導入。悪路走行時の高い操舵性と直進安定性の進化や荷台に積載した土砂や砕石を降ろすダンプ操作の電子制御化、キャビンデザインの一新、運用と保守の工数・コストの削減などを実施して、油圧ダンプトラックとしての訴求力をアップ。まずは本年5月よりA35/A40/A45を先行販売
ボルボ・グループ・ジャパンは2025年5月12日、油圧ダンプトラック「アーティキュレートハウラー(Articulate Hauler)」のA25/A30/A35/A40/A45/A60の新型モデル6車種を日本に導入すると発表した。
まずは12.8リットル直列6気筒24VディーゼルVGTターボエンジン(451hp/2407Nm)を搭載する34.5トン積のA35、12.8リットル直列6気筒24VディーゼルVGTターボエンジン(469hp/2525Nm)を搭載する39.0トン積のA40、16.1リットル直列6気筒24VディーゼルVGTターボエンジン(490hp/2600Nm)を搭載する42.0トン積のA45を本年5月より先行販売し、7月以降にA25/A30/A60を順次発売。販売は山﨑マシーナリー株式会社と第一東洋株式会社の正規ディーラー2社が担当する。
約10年ぶりのフルモデルチェンジを果たした新型アーティキュレートハウラーは、悪路走行時の高い操舵性と直進安定性の進化や、荷台に積載した土砂や砕石を降ろすダンプ操作の電子制御化、キャビンデザインの刷新、運用と保守の工数・コストの削減などを実施して、油圧ダンプトラックとしての魅力度をいっそう高めたことが特徴である。
主なトピックを紹介していこう。まずはデザインを一新したキャビン。出入口を広く乗り降りしやすい構造にしたほか、全面ガラス窓と高性能カメラの採用などによりオペレーターの安全性と快適性を改善する。また、収納スペースを拡充し、清掃のしやすさにも配慮した。コクピットは操縦に必要なあらゆる情報を2つのディスプレイに表示するとともに、操作性に優れた「Volvo Co-pilot」を搭載。Volvo Co-pilotが提供する「オンボード計量付Haul Assist」を活用すれば、有効搭載量情報がリアルタイムで把握できる。ハンドル前部には、動的な計器クラスターを配置した。
卓越したオフロード性能を実現したことも訴求点だ。6×6および6×4駆動を自動で切り替え可能としたうえで、オフロードでの走行性能を最適化するボルボ自動トラクションコントロールシステム(ATC)を採用。また、全地形対応型ボギーや油圧・機械式ステアリング、下り坂での速度制御、路面や走行状況に応じて最適なギアを選ぶ予測変速機構などを配備して、安全かつ優れた悪路走破性を実現した。
次世代のダンプトラックとしての性能を高度に具現化したことも注目ポイント。積載量をリアルタイムで確認できるオンボード計量付きHaul Assistや、コネクテッドマップと性能インジケータ、アップグレードに柔軟に対応できるソフトウェアアーキテクチャ、車両を最適化して最大限の生産性を実現するCareTrackテレマティクスなどの先進機能を採用する。さらに、250時間の給脂間隔によるメンテナンス頻度の低減や、遠隔モニタリング機能および整備アラートの導入、集中電子制御システムの強化などを図って、整備・メンテナンスコストを効果的に削減した。使用性の向上として、オペレーター向けのトレーニングプログラムや整備点検契約の提供も実施している。