最高出力を727psにまで引き上げたアストンマーティンDBXのハイパフォーマンスモデル「DBX S」が登場

アストンマーティンがプレミアムSUVのDBXに“SUVのスーパーカー”を謳う高性能モデルの「DBX S」を設定。4リットルV8ツインターボエンジンの最高出力は既存のDBX707より20psアップの727psを発生。外装にはハニカム構造のグリルやカーボンファイバー材のエアロプレーンおよびリアディフューザー、4本出しエキゾーストフィニッシャー、カーボンファイバー製ルーフ、23インチマグネシウム製ホイールなどを、内装には軽量なスポーツアルカンターラ素材を張ったシート/インパネ/センターコンソール/アッパートリムなどを採用

 英国アストンマーティンは2025年4月30日(現地時間)、同ブランドのプレミアムSUVに位置するDBXのハイパフォーマンスモデル「DBX S」を発表した。

▲アストンマーティンがプレミアムSUVのDBXのハイパフォーマンスモデル「DBX S」を発表。ボディサイズは全長5039×全幅1998×全高1680mm/ホイールベース3060mm、車重は空荷重量(DIN)で2245kgに設定。予約注文は現在受け付け中で、ユーザーへの納車は本年第4四半期以降を予定する

▲アストンマーティンがプレミアムSUVのDBXのハイパフォーマンスモデル「DBX S」を発表。ボディサイズは全長5039×全幅1998×全高1680mm/ホイールベース3060mm、車重は空荷重量(DIN)で2245kgに設定。予約注文は現在受け付け中で、ユーザーへの納車は本年第4四半期以降を予定する

 従来の高性能バージョンである「DBX707」を上回るパフォーマンスを発揮する「DBX S」は、パワーユニットの出力アップやカーボンエレメントの拡大展開による軽量化、内外装のアレンジ変更などを実施して、アストンマーティンにおいて長い歴史を誇るハイパフォーマンスな“S”シリーズの最新モデル、そしてプレミアムSUVとしての究極のパフォーマンスを体現したモデルであることを主張したことが特徴である。

▲DBX Sはアストンマーティンにおいて長い歴史を誇るハイパフォーマンスな“S”シリーズの最新モデル、そしてプレミアムSUVとしての究極のパフォーマンスを体現したモデルに位置

▲DBX Sはアストンマーティンにおいて長い歴史を誇るハイパフォーマンスな“S”シリーズの最新モデル、そしてプレミアムSUVとしての究極のパフォーマンスを体現したモデルに位置

 注目のパワーユニットは、間もなく登場予定のハイパーカー「ヴァルハラ(VALHALLA)」に採用する、ホットV構造にフラットプレーンのクランクシャフト、軽量アルミニウム製の鍛造ピストンとコネクティングロッド、新型高流量ターボチャージャーおよび空冷式インタークーラーを備えた3982cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンをベースに専用セッティングを施して搭載。最高出力はDBX707より1750rpm高い回転域で20psアップの727ps/6250rpm、最大トルクはDBX707と同数値の900Nmを3000~5250rpmの回転域で発生する。また、トランスミッションには湿式多板クラッチを配した軽量鋳造マグネシウム製のデュアルクラッチ式9速DCTを組み合わせ、駆動機構にはカーボンファイバー製ドライブシャフトやエレクトロニック・リミテッドスリップ・リアディファレンシャル(e-diff)を組み込んだAWDシステムを採用。性能面では0→100km/h加速3.3秒、最高速度310km/hを実現した。ドライブモードとしてオンロード向けのスポーツ/スポーツ+/GT/インディビデュアルと、オフロード向けのテレインを設定して、多様な走行状況やドライバーの好みに応じた走りが楽しめることも、DBX Sの走りの訴求点である。

▲パワーユニットにはホットV構造にフラットプレーンのクランクシャフト、軽量アルミニウム製の鍛造ピストンとコネクティングロッド、新型高流量ターボチャージャーおよび空冷式インタークーラーを備えた3982cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。最高出力は727ps/6250rpm、最大トルクは900Nm/3000~5250rpmを発生

▲パワーユニットにはホットV構造にフラットプレーンのクランクシャフト、軽量アルミニウム製の鍛造ピストンとコネクティングロッド、新型高流量ターボチャージャーおよび空冷式インタークーラーを備えた3982cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。最高出力は727ps/6250rpm、最大トルクは900Nm/3000~5250rpmを発生

▲駆動機構にはカーボンファイバー製ドライブシャフトやエレクトロニック・リミテッドスリップ・リアディファレンシャル(e-diff)を組み込んだAWDシステムを採用。性能面では0→100km/h加速3.3秒、最高速度310km/hを実現

▲駆動機構にはカーボンファイバー製ドライブシャフトやエレクトロニック・リミテッドスリップ・リアディファレンシャル(e-diff)を組み込んだAWDシステムを採用。性能面では0→100km/h加速3.3秒、最高速度310km/hを実現

 シャシー面には関しては、フロントに鍛造/中空鋳造の独立懸架ダブルウィッシュボーン式サスペンション、リアに押し出し成形&中空鋳造のマルチリンク式サスペンションを配したうえで、電動ダンパーとエアスプリングを組み合わせた専用セッティングのアダプティブトリプルチャンバーエアサスペンションを装備。走行安定性を高めるeARCアンチロール制御も組み込んだ。一方、足もとには前10J/後11.5×23インチの鍛造アルミホイールを標準で、同サイズのマグネシウムホイールをオプションで設定。タイヤは前285/35/後325/30ZRサイズのピレリP-Zeroを専用チューニングで装着し、市場によってはオールシーズンタイヤのピレリ Scorpion Zeroを配備する。また、制動機構には前アルミニウム製6ピストンモノブロックキャリパー/後アルミニウム&鋳鉄製スライディングシングルピストンキャリパーとセミフローティング構造のカーボンセラミック製ベンチレーテッド&溝付き2ピースディスクを、操舵機構には専用セッティングのラック&ピニオン電動パワーアシストステアリングシステム(EPAS)を装備した。

▲電動ダンパーとエアスプリングを組み合わせた専用セッティングのアダプティブトリプルチャンバーエアサスペンションを装備

▲電動ダンパーとエアスプリングを組み合わせた専用セッティングのアダプティブトリプルチャンバーエアサスペンションを装備

▲足もとには前10J/後11.5×23インチの鍛造アルミホイールを標準で、同サイズのマグネシウムホイールをオプションで設定

▲足もとには前10J/後11.5×23インチの鍛造アルミホイールを標準で、同サイズのマグネシウムホイールをオプションで設定

 エクステリアについては、押し出し成形&鋳造アルミニウム製の連続熱接合モノコックボディシェルおよびアルミニウム&複合材のボディパネルを基本骨格に、徹底した軽量化とエアロダイナミクスの向上を果たしたことがトピックだ。軽量化については、車体質量を最大47kg軽減。オプション設定のカーボンファイバー製ルーフは3.8㎡というアストンマーティン車で史上最大の広さを誇るとともに、車体最上部の質量を18kg以上軽くする。また、LEDデイタイムランニングライト(DRL)の周囲に配したカーボンファイバー製エアロウィングレットと一体型のカーボンファイバー製リアパネルにより7kg分の軽量化を実現。さらに、オプションで設定するグロスブラックのハニカム構造ポリカーボネートグリルを組み合わせれば、3kg分の軽量化を可能としている。

▲オプション設定のカーボンファイバー製ルーフは3.8㎡というアストンマーティン車で史上最大の広さを誇るとともに、車体最上部の質量を18kg以上軽減する

▲オプション設定のカーボンファイバー製ルーフは3.8㎡というアストンマーティン車で史上最大の広さを誇るとともに、車体最上部の質量を18kg以上軽減する

 各部のデザインにも徹底してこだわる。フロント部はダークカラーでダブルベーンのオールメタルグリル(前述の通りオプションでグロスブラックのハニカム構造ポリカーボネートグリルも選択可)や新デザインのロワースプリッターおよびエアロブレーン、ロッソコルサレッドのグラフィックスなどを配して、アストンマーティンのエレガンスさとスポーツ志向の自己主張を巧みに融合したマスクを創出。一方でサイドビューは、上向きプロフィールのウィングレットを組み込んだシルやアイコニックなサイドストレーキ、ガラスにエナメル加工を施したレッドの“S”バッジ、フラッシュガラス製の回転式ドアミラーなどを装備して、個性的かつ空力特性に優れるフォルムを実現する。そしてリアセクションは、新デザインのリアディフューザーおよび全幅に渡るロワーウィングや、ヴァルハラの流れを汲む4本のエキゾーストフィニッシャー(グロスフィニッシュとマットフィニッシュの選択可)などを採用して、存在感あふれる後ろ姿を具現化した。ボディサイズは全長5039×全幅1998×全高1680mm、ホイールベース3060mmに設定。車重は空荷重量(DIN)で2245kgに仕上げている。

▲ダークカラーでダブルベーンのオールメタルグリルを標準で、グロスブラックのハニカム構造ポリカーボネートグリル(写真)をオプションで採用

▲ダークカラーでダブルベーンのオールメタルグリルを標準で、グロスブラックのハニカム構造ポリカーボネートグリル(写真)をオプションで採用

▲新デザインのロワースプリッターやエアロブレーン、ロッソコルサレッドのグラフィックスを配備

▲新デザインのロワースプリッターやエアロブレーン、ロッソコルサレッドのグラフィックスを配備

▲アイコニックなサイドストレーキやガラスにエナメル加工を施したレッドの“S”バッジを装着

▲アイコニックなサイドストレーキやガラスにエナメル加工を施したレッドの“S”バッジを装着

▲新造形のリアディフューザーおよび全幅に渡るロワーウィングを装備

▲新造形のリアディフューザーおよび全幅に渡るロワーウィングを装備

▲4本のエキゾーストフィニッシャーはグロスフィニッシュとマットフィニッシュの選択が可能

▲4本のエキゾーストフィニッシャーはグロスフィニッシュとマットフィニッシュの選択が可能

 内包するインテリアは、アストンマーティンのスポーツカーやハイパーカーからインスピレーションを得ると同時に、軽量なスポーツアルカンターラ素材やヘリンボーンのパーフォレーテッドステッチ、新たに設計した多くのパネルなどを配して、クラフトマンシップあふれる最上のキャビン空間を創出したことが特徴だ。アルカンターラ素材はシートやヘッドライニング、センターコンソール、下部インストルメントパネル、アッパートリムなどに採用し、摩耗の多いシートボルスターなどにはセミアニリンレザーをシームレスにブレンドする。シート自体には“S”のサフィックスも入れ、合わせてヘッドレストには1500kgの超高圧と熱によるエンボス加工とデボス加工の両方を使用するアストンマーティンウィングを刻印した。“S”ロゴはトレッドプレートとエンジンプレートにも配備。また、“S”のアイデンティティを強調するレッドのシートベルトも選択可能としている。

▲アストンマーティンのスポーツカーやハイパーカーからインスピレーションを得るとともに、軽量なスポーツアルカンターラ素材やヘリンボーンのパーフォレーテッドステッチ、新たに設計した多くのパネルなどを配して、クラフトマンシップあふれる最上のキャビン空間を創出

▲アストンマーティンのスポーツカーやハイパーカーからインスピレーションを得るとともに、軽量なスポーツアルカンターラ素材やヘリンボーンのパーフォレーテッドステッチ、新たに設計した多くのパネルなどを配して、クラフトマンシップあふれる最上のキャビン空間を創出

▲アルカンターラ素材を張ったシートを装着。ヘッドレストにはエンボス加工とデボス加工の両方を使用するアストンマーティンウィングを刻印

▲アルカンターラ素材を張ったシートを装着。ヘッドレストにはエンボス加工とデボス加工の両方を使用するアストンマーティンウィングを刻印

 機能面については、12.3インチドライバーインフォメーションディスプレイや10.25インチタッチスクリーン式センターディスプレイ、最新バージョンのインフォテインメントシステム、ナチュラルボイスコントロール、専用アプリ付きオンラインコネクテッドカーシステム、ネット接続によるサテライトナビゲーションシステムなどを標準装備。また、オーディオ面ではQuantumLogicサラウンドサウンド処理によるサラウンドサウンドモードを組み込んだアストンマーティン・プレミアムオーディオシステム(800W、スピーカー14基)を標準で、Bowers&Wilkinsオーディオシステム(1600W、スピーカー23基)をオプションで設定した。車外からのノイズを抑制する防音ラミネートサイドガラス(フロント)や、デュアルゾーンのアンビエントライト(64色)なども、標準で組み込んでいる。

▲12.3インチドライバーインフォメーションディスプレイや10.25インチタッチスクリーン式センターディスプレイ、最新バージョンのインフォテインメントシステムを配備

▲12.3インチドライバーインフォメーションディスプレイや10.25インチタッチスクリーン式センターディスプレイ、最新バージョンのインフォテインメントシステムを配備

 なお、DBX Sの予約注文は現在受け付け中で、ユーザーへの納車は本年第4四半期以降を予定している。

 

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