【CD取材ノート】「1980-1999」高性能車にバンバン乗れて、直6やロータリーを普通に楽しんだ。なんていい時代だったんだろう by 岡本幸一郎

スープラ0170スープラの1JZ-GTE型に惚れ、愛車にした!

 激動の1990年代。筆者も学生から社会人になり、会社員から自営業者(フリーライター)になったのは、すべて1990年代だ。愛車も1990年代だけで、数えてみたら12台も乗り替えていた。
 最初の愛車は、学生時代のアルバイト先の先輩から譲り受けたセリカXXだった。その後、社会人になる直前に、奮発して1.8リッターから2リッターになったばかりの180SXを新車で買った。それはもう、うれしくて、うれしくて(笑)

セリカXX

180SX

 やっぱりクルマの仕事がしたいと、自動車メディアの世界に身を投じたのが1992年のこと。日本車の走り系のクルマを主に扱う媒体だったので、20代前半ながら毎月のようにGT-RやNSXやRX-7に乗ることができた。いま思えば恵まれた環境だった。
 初めて運転した280psカーは、社用車の70スープラ・ターボRだった。このエンジンが絶品で気に入って、のちに自分でも愛車として購入してしまった。
 スカイラインGT-RのRB26DETTと比べても、1JZ-GTEは負けていなかったと思っている。少なくとも80スープラの2JZ-GTEよりは、吹け上がりもサウンドも断然よかった。

 一方で、これは!と思ったのがFD3S型RX-7だ。とにかくカッコよくて、もちろん速い。でも、初めて乗ったのがピーキーな1型で、雨の日に怖い思いをしたので、自分の手に余ると思っていた。ところが、1990年代の終わりごろにひさびさに乗ったときに、こんなにいいクルマだったっけ?と思った。これまた愛車として購入してしまった。

スープラ02

RX-7

 あと1990年代といえばエボvsインプだ。実をいうと最初のうちはスポーツカーより速いセダンというのがどうにもしっくりこなかったのだが、乗ると楽しくて、どんどん好きになっていった。インプがあまり変わらなかったのに対し、代替わりするたび派手になっていくエボを見るのも楽しみだった。
 いま思えば、あんなふうに高性能車にバンバン乗れて、とくに直6やロータリーに普通に乗れていたなんて、1990年代はなんていい時代だったんだろう、とつくづく思う。

1990年代は輸入車が買いやすくなった時代だった

 さらに、1990年代の思い出というと、円高が進んで高嶺の花だった輸入車が安くなったことだ。価格がひんぱんに改訂されて、どんどん安くなっていった。コルベットあたりも最安値で500万円台前半だったときがあった。

アストロ

 そんな中で流行りモノが好きな筆者は、1990年代の半ばに当時大人気だったシボレー・アストロのローライダーの中古車を手に入れた。ぜんぜんいいクルマじゃなかったのだが、乗ると妙にテンションが上がって楽しかった。いい思い出だ。

 そのアストロを手放そうと思ったときに、キャデラックセビルSTSの新車価格が、600万円を切っていた。当時のセルシオと大差ないではないか。しかもさらに大幅に値引きしてくれるという。なんとか資金を捻出して買ってしまった。
 そのセビルを自慢しようと、まだ結婚する前のいまの妻に初めて見せたときに、「ただのセダンじゃない?」と言われたときにはガッカリした…苦笑

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