【CD取材ノート】ホンダのKカーというと、トゥデイ、ビート、そして2代目のZに強烈な印象を受けた! by 山本シンヤ

ビート メイン他と違うことをするのがホンダ流!? そんなイメージが強い

 同業の先輩方は「ホンダの軽自動車(Kカー)の思い出」というと1967年に登場したNシリーズの原点となるN360の思い出を語ると思うが、残念ながらボクは1975年生まれなので……。
 ボクらの世代だと1991年に登場した「ビート」と答える人が多いに違いない。スズキ・カプチーノ、オートザムAZ-1と合わせて「平成のABCトリオ」と言われたあのモデルだ。もちろんボクもビートに憧れた一人だが、その6年前に登場した「トゥデイ」も衝撃だった。

ビート02

トゥデイ01

 当時、Kカーと言えばコロッとしたセダンタイプが主流だった中、トゥデイはワイド&ローのスタイリッシュなフォルム、CR-Xよりも長いホイールベース(2330㎜)を活かしたパッケージング。Kカーの未来を感じさせた。エンジンはデビュー当初は2気筒だったが、マイナーチェンジで3気筒に変更。ライバルがターボ化する中、高回転型のNAにこだわる点に「ホンダらしさ」を感じた。

 1998年に登場した2代目ホンダZも思い出深い。初代はNⅢ360(N360後継)をベースにしたスペシャルティクーペだったが、2代目は新たなスペシャルティの提案として開発。SUVタイプの2ドアスペシャルティKだった。驚きは縦置きミドシップで4WDと言う独自性満点のメカニズムを採用していた点。エンジンはホンダでは当時珍しかったターボも設定されていた。見た目に似合わずオンロードでも活発に走ったのを覚えている。当時はクロスオーバーブーム前で販売セールス面ではまったくダメだったが、今ラインナップされていたら、大化けしたかも⁉

Z01

Z02

 現在のホンダKカーはN-BOXをはじめ「手堅いモデル」が多い。もちろん国内のビジネスを支える大事なモデルなのは解るが、もう少し「飛んだモデル」があってもいいと思うのは、ボクだけじゃないはずだ。

【プロフィール】
山本シンヤ(やまもとしんや)/静岡県生まれ。自動車メーカー商品開発、チューニングメーカーの開発を経てモータージャーナリストに転身。「造り手」と「使い手」の気持ちを伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗る。AJAJ会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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