往年のジャガーEタイプのレースにおける初勝利を称えた「Eタイプ ZPコレクション」が登場

ジャガー・クラシックがアイコニックな名車「Eタイプ」のレースでの初優勝を記念する新企画「プロジェクトZP」を発足。1961年にグラハム・ヒル選手とロイ・サルバドーリ選手がステアリングを握り、レースで初優勝を果たした「Eタイプ」のドロップヘッドクーペとフィックスドヘッドクーペから着想を得た特別なコレクションモデル「Eタイプ ZPコレクション」を製作。販売は2台1組、7組限定で実施

 英国ジャガー・ランドローバーは2023年6月6日(現地時間)、アイコニックな名車「Eタイプ」のレースでの初優勝を称える新企画「プロジェクトZP」をジャガー・クラシックによって発足させ、1961年にグラハム・ヒル(Graham Hill)選手とロイ・サルバドーリ(Roy Salvadori)選手がステアリングを握り、レースで初優勝を果たした「Eタイプ」のドロップヘッドクーペとフィックスドヘッドクーペから着想を得た特別なコレクションモデル「Eタイプ ZPコレクション(E-TYPE ZP COLLECTION)」を製作して発表した。販売は2台1組、7組限定で実施する。

▲ジャガー・クラシックがアイコニックな名車「Eタイプ」のレースでの初優勝を記念する新企画「プロジェクト ZP」を発足。1961年にレースで初優勝を果たしたEタイプのドロップヘッドクーペとフィックスドヘッドクーペから着想を得た特別なコレクションモデル「Eタイプ ZPコレクション」を製作する

▲ジャガー・クラシックがアイコニックな名車「Eタイプ」のレースでの初優勝を記念する新企画「プロジェクト ZP」を発足。1961年にレースで初優勝を果たしたEタイプのドロップヘッドクーペとフィックスドヘッドクーペから着想を得た特別なコレクションモデル「Eタイプ ZPコレクション」を製作する

 

 Eタイプは1961年3月開催のジュネーブ・モーターショーでワールドプレミアを飾り、その1カ月後の4月にはGTカーレースのオールトンパークトロフィー(Oulton Park Trophy)に参戦。グラハム・ヒル選手がドライブした登録番号「ECD 400」のドロップヘッドクーペが見事にデビューウィンを果たし、さらにロイ・サルバドーリ選手がドライブする登録番号「BUY 1」のフィックスドヘッドクーペが3位を獲得する。また、サルバドーリ選手の「BUY 1」は同年5月開催のクリスタルパレス(Crystal Palace)のレースにおいて初勝利を飾った。

 今回のコレクションモデルは、このドロップヘッドクーペ「ECD 400」と、フィックスドヘッドクーペ「BUY 1」を忠実に再現。製造は英国コベントリーに居を構えるジャガー・クラシックのファクトリーにおいて手作業で行い、1台あたり約2000時間かかる綿密な工程で完成させる。

 パワーユニットには3.8リットル直列6気筒DOHCエンジン(最高出力265bph)を搭載。日常的な扱いやすさや耐久性を考慮して、電動クーリングファンや電子イグニッションを備えたアロイラジエーター、光沢仕上げのステンレススチール製エキゾーストシステムを装着する。一方、トランスミッションにはジャガー・クラシックがこのモデル専用に開発したクロスレシオ5速MTを採用。すべてのギアにシンクロメッシュ機構を配し、合わせてヘリカルカットギアと強化鋳造アルミニウムケーシングを組み込むことで信頼性と耐久性を向上させる。また、フロントフェンダー後方のシールドの中にはユニオンジャックとEタイプのシルエット、“PROJECT ZP”のレタリングを配したエンブレムを、リアエンドには“JAGUAR”および“PROJECT ZP”のロゴを、燃料フィラーキャップ/車両カバー/ルーフカバーには“ZP”ロゴを配備。足もとにはワイヤースポークホイールおよびジャガーヘリテージのロゴ入りホイールキャップを装着した。さらに、Bluetooth接続やナビゲーション機能を備えたジャガー・クラシック・インフォテインメント・システムを装備して機能性を高めている

▲今回のコレクションモデルはグラハム・ヒル選手がドライブしたドロップヘッドクーペ「ECD 400」と、ロイ・サルバドーリ選手がドライブしたフィックスドヘッドクーペ「BUY 1」を忠実に再現。製造は英国コベントリーに居を構えるジャガー・クラシックのファクトリーにおいて手作業で行う。販売は2台1組、7組限定で実施

▲今回のコレクションモデルはグラハム・ヒル選手がドライブしたドロップヘッドクーペ「ECD 400」と、ロイ・サルバドーリ選手がドライブしたフィックスドヘッドクーペ「BUY 1」を忠実に再現。製造は英国コベントリーに居を構えるジャガー・クラシックのファクトリーにおいて手作業で行う。販売は2台1組、7組限定で実施

 

 各モデルの特徴を見ていこう。

 まずドロップヘッドクーペは、ヒル選手がドライブしたインディゴブルーの「ECD 400」から着想を得たオールトンブルーでボディを塗装。また、ボンネットとドアに配するラウンデル(ゼッケンを表示するための丸いエリア)はホワイトで仕上げ、合わせてフロントエアインテークの内側には同色のリップスティックを装着する。オリジナル車両を忠実に再現するため、グリル全体のモチーフバーとフロントオーバーライダーは削除し、一方で溶接されたボンネットルーバーや、ロック可能なキー付きの外部ボンネットラッチ(「ZP」ロゴ付き)および革製ボンネットストラップを配備した。さらに、フロントとリアのバンパーは光沢のある上質なクロームで仕上げている。

 インテリアについては英国のトップレザーメーカーであるブリッジ・オブ・ウィアー社(Bridge of Weir Leather Company)が製作したレッドのソフトレザーを採用し、当時と同じくハードデュラトリム仕上げを実施。また、当時の仕様を正確に再現したブナ材のステアリングホイールを装着する。さらに、ゴールドのグラウラー・ホーンボタンに加えて、アルマイトアルミニウムのセンターコンソールに英国の彫刻アーティストであるジョニー“キング・ナード”ダウェル(Johnny“King Nerd”Dowell)氏が手掛けたビスポークのパネルを配備。ここにオールトンパークのサーキットレイアウト、Eタイプ・ドロップヘッドクーペのシルエット、ヒル選手の名言「In a race my car becomes part of me, and I become part of it(レースで車は私の一部となり、私は車の一部となった)」、そして栄光の勝利を象徴する月桂樹の冠(ペアのフィックスドヘッドクーペと組み合わせるために半分)を刻印した。

▲ドロップヘッドクーペはヒル選手がドライブしたインディゴブルーの「ECD 400」から着想を得たオールトンブルーでボディを塗装。ボンネットとドアに配するラウンデルはホワイトで仕上げ、合わせてフロントエアインテークの内側には同色のリップスティックを装着する

▲ドロップヘッドクーペはヒル選手がドライブしたインディゴブルーの「ECD 400」から着想を得たオールトンブルーでボディを塗装。ボンネットとドアに配するラウンデルはホワイトで仕上げ、合わせてフロントエアインテークの内側には同色のリップスティックを装着する

▲フロントフェンダー後方のシールドの中にはユニオンジャックとEタイプのシルエット、“PROJECT ZP”のレタリングを配したエンブレムを装備

▲フロントフェンダー後方のシールドの中にはユニオンジャックとEタイプのシルエット、“PROJECT ZP”のレタリングを配したエンブレムを装備

▲足もとにはワイヤーホイールおよびジャガーヘリテージのロゴ入りホイールキャップを組み込む

▲足もとにはワイヤースポークホイールおよびジャガーヘリテージのロゴ入りホイールキャップを組み込む

▲インテリアには英国のトップレザーメーカーであるブリッジ・オブ・ウィアー社が製作したレッドのソフトレザーを採用し、当時と同じくハードデュラトリムで仕上げる

▲インテリアには英国のトップレザーメーカーであるブリッジ・オブ・ウィアー社が製作したレッドのソフトレザーを採用し、当時と同じくハードデュラトリムで仕上げる

▲アルマイトアルミニウムのセンターコンソールに英国の彫刻アーティストであるジョニー“キング・ナード”ダウェル氏が手掛けたビスポークのパネルを配備。ここにオールトンパークのサーキットレイアウト、Eタイプ・ドロップヘッドクーペのシルエット、ヒル選手の名言「In a race my car becomes part of me, and I become part of it」、そして栄光の勝利を象徴する月桂樹の冠を刻印

▲アルマイトアルミニウムのセンターコンソールに英国の彫刻アーティストであるジョニー“キング・ナード”ダウェル氏が手掛けたビスポークのパネルを配備。ここにオールトンパークのサーキットレイアウト、Eタイプ・ドロップヘッドクーペのシルエット、ヒル選手の名言「In a race my car becomes part of me, and I become part of it」、そして栄光の勝利を象徴する月桂樹の冠を刻印

 

 一方、フィックスドヘッドクーペはサルバドーリ選手がドライブしたパールグレーの「BUY 1」から着想を得たクリスタルグレーでボディを塗装。クリスタルという名称は、サルバドーリ選手がEタイプで初めて勝利を飾ったクリスタルパレスのレースに由来する。また、ドロップヘッドクーペと同様、ホワイトのラウンデルやクローム仕上げのバンパー、溶接されたボンネットルーバー、専用のサイドグラフィックディテールを装備。さらに、英国バーミンガムのジュエリークォーターに拠点を置くスペシャリスト、ヴォートンズ(Vaughtons)と協力して製作したエクステリアエンブレムを装着した。

 インテリアに関しては、ブリッジ・オブ・ウィアー社が製作したダークネイビーのソフトレザーを採用し、これにマッチするハードデュラトリムやブナ材のステアリングホイールを装備。また、アルマイトアルミニウムのセンターコンソールのパネルには月桂樹の冠(ペアのドロップヘッドクーペの半分)、クリスタルパレスのサーキットレイアウト、Eタイプ・フィックスドヘッドクーペのシルエットに加え、サルバドーリ選手のニックネームであった“King of the Airfields(飛行場の王)”の文字を彫刻した。

▲フィックスドヘッドクーペはサルバドーリ選手がドライブしたパールグレーの「BUY 1」から着想を得たクリスタルグレーでボディを塗装。クリスタルという名称はサルバドーリ選手がEタイプで初めて勝利を飾ったクリスタルパレスのレースに由来する

▲フィックスドヘッドクーペはサルバドーリ選手がドライブしたパールグレーの「BUY 1」から着想を得たクリスタルグレーでボディを塗装。クリスタルという名称はサルバドーリ選手がEタイプで初めて勝利を飾ったクリスタルパレスのレースに由来する

▲リアエンドには“JAGUAR”および“PROJECT ZP”のロゴを配備

▲リアエンドには“JAGUAR”および“PROJECT ZP”のロゴを配備

▲インテリアにはリッジ・オブ・ウィアー社が製作したダークネイビーのソフトレザーを採用し、これにマッチするハードデュラトリムやブナ材のステアリングホイールを装備する

▲インテリアにはリッジ・オブ・ウィアー社が製作したダークネイビーのソフトレザーを採用し、これにマッチするハードデュラトリムやブナ材のステアリングホイールを装備する

▲アルマイトアルミニウムのセンターコンソールのパネルには月桂樹の冠、クリスタルパレスのサーキットレイアウト、Eタイプ・フィックスドヘッドクーペのシルエットに加え、サルバドーリ選手のニックネームであった“King of the Airfields”の文字を彫刻する

▲アルマイトアルミニウムのセンターコンソールのパネルには月桂樹の冠、クリスタルパレスのサーキットレイアウト、Eタイプ・フィックスドヘッドクーペのシルエットに加え、サルバドーリ選手のニックネームであった“King of the Airfields”の文字を彫刻する

 

 Eタイプ ZPコレクションに付属する専用品も要注目。まず、ヒル選手とサルバドーリ選手が当時着用していたものを再現したヘルメットが付属する。これらは1950年代からヘルメットを製造してきた英国の専門メーカー、エバーオークのビル・ヴェロ(Bill Vero)が製造した逸品だ。また、インテリアと同じレザーを使ってジャガー・クラシックのトリムエキスパートが製作した、テーラードレザーのヘルメット収納用バッグ、車両ハンドブック用のレザーポーチを提供。さらに、“ZP”ロゴ入りの専用車両カバーと、トランクフロアの下に収納できる特注のジャッキ(専用の収納バッグ付き)も付属している。

▲Eタイプ ZPコレクションにはヒル選手とサルバドーリ選手が当時着用していたものを再現したヘルメットを付属する

▲Eタイプ ZPコレクションにはヒル選手とサルバドーリ選手が当時着用していたものを再現したヘルメットを付属する

 

 なお、ジャガーはSV BESPOKEパーソナライゼーションチームが「Eタイプ ZPコレクション」にインスピレーションを得た限定モデルとして、現行のFタイプをベースとした「Fタイプ ZPコレクション」を2023年後半に発表すると予告。このモデルは、5リットルV型8気筒スーパーチャージドエンジンを搭載した最後のジャガーのスポーツカーとなる。また、この限定モデルのうちの14台は「Eタイプ ZPコレクション」を購入した顧客に割り当てられ、これにより今後二度と再現されることのないカルテットが誕生するという。

 

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