【エンジン車よ永遠なれ!】シビック・タイプR用K20Cは、究極の「赤バッジ」にふさわしく洗練。全域パワフルでしかも刺激的。絶品だ!

ホンダ・シビック・タイプR/価格:6MT 499万7300円。最新K20C型VTECユニットは従来比10㎰/20Nmアップの330㎰/6500rpm、420Nm/2600〜4000rpmにファインチューンが施されている。パワーウェイトレシオは4.33kg/ps。鈴鹿サーキットのラップタイムはFF車最速の2分23秒20をマークする。低回転域でのフレキシビリティを確保したうえで、レッドラインの7000rpmまで一気に吹き上がるレーシーなフィーリングは絶品。全長×全幅×全高4595×1890×1405mm、車重1430kg

ホンダ・シビック・タイプR/価格:6MT 499万7300円。最新K20C型VTECユニットは従来比10㎰/20Nmアップの330㎰/6500rpm、420Nm/2600〜4000rpmにファインチューンが施されている。パワーウェイトレシオは4.33kg/ps。鈴鹿サーキットのラップタイムはFF車最速の2分23秒20をマークする。低回転域でのフレキシビリティを確保したうえで、レッドラインの7000rpmまで一気に吹き上がるレーシーなフィーリングは絶品。全長×全幅×全高4595×1890×1405mm、車重1430kg

HONDA CIVIC Type R/K20C

シビックRエンジン

種類:直列 4気筒DOHC16V・VTECターボ
総排気量:1995cc
ボア×ストローク:86×85.9mm
圧縮比:9.8:1
最高出力:243kW(330ps) /6500rpm
最大トルク:420Nm(42.8kgm)/2600〜4000rpm
※2023年モデル(6BA-FL5)の数値

 ホンダは「2040年までにグローバルの4輪事業でEV/FCVの販売比率100%を目指し、そのタイミングでハイブリッドを含めたエンジンの全廃を達成する」と表明。フル電動化に対して日本メーカーの中で最も積極的な姿勢を明らかにしている。

 しかし、そんな戦略とは裏腹に「やっぱりホンダはエンジンのメーカーだ!」と実感するシーンは多い。とりわけシビック・タイプRに搭載されたK20C型と呼ばれる2リッターのターボ付き4気筒ユニットに触れると、その思いを強くする。

歴代シビックR

旧型シビックR

 K20Cが初めて搭載されたのは、2015年登場の4代目シビック・タイプR。歴代モデル用として初めてターボチャージャーを加えたユニットのアウトプットは強烈。最高出力が310psで最大トルクは400Nm。3代目用の自然吸気K20A(225ps/215Nm)と比べると最高出力も最大トルクも大幅な向上を果たした。ただし。それを発生させる回転数が大きく下がったことに関しては、一部に反発の声も挙がったと記憶する。

 2022年秋に登場した最新6代目に搭載されるユニットは、同じ形式名ながら数々のリファインが施された進化バージョン。エンジン本体では排気側に「VTEC」(可変バルブタイミング・リフト機構)、吸排気双方に「VTC」(連続可変バルブタイミングコントロール機構)を用い、ターボ制御の自由度が高い電動ウエイストゲートを採用。ターボチャージャーは、翼の外径、枚数、形状に至るまで新設計され、優れた効率とターボの低慣性化が図られたモノスクロール型を組み込む。スペックは330ps/6500rpm、420Nm/2600〜4000rpm。

エンジン02

 最新ユニットを積む新型シビック・タイプRをドライブすると、まず驚かされるのは、実にフレキシビリティに富んで、街乗りシーンでもすこぶる扱いやすいこと。
 最高出力は先代比10㎰増し。ターボ付きゆえにパワーをさらに上乗せしようと思えば、それは比較的簡単に可能であったはず。だが、FFレイアウトということもあって「あまりピーキーな性格にしたくなかった」という開発陣のコメントにあるとおり、驚異的に扱いやすい。レッドラインまできっちり回る伸び感のよさも文句なしだ。

 フル電動化への切り替えを鮮明にするホンダだが、その中にあってK20Cは歴史に残る名機といえるユニットである。

エンブレム

室内

SNSでフォローする