独自のフルハイブリッドシステムを採用したルノー・アルカナが本年5月26日に日本発売

SUVクーペのスタイルを纏ったルノー・アルカナの日本仕様が発表。発売は本年5月26日で、車両価格は429万円に設定

 ルノー・ジャポンは2022年2月24日、新世代SUVクーペモデルのアルカナ(ARKANA)の日本仕様を発表し、会わせて本年5月26日に日本で発売するとアナウンスした。日本に導入するのはアルカナR.S.ラインE-TECHハイブリッドの1グレードで、車両価格は429万円に設定する。

▲ルノー・アルカナR.S.ラインE-TECHハイブリッド 価格:429万円 全長4570×全幅1820×全高1580mm ホイールベース2720mm 車重1470kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費22.8km/リットル
▲ルノー・アルカナR.S.ラインE-TECHハイブリッド 価格:429万円 全長4570×全幅1820×全高1580mm ホイールベース2720mm 車重1470kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費22.8km/リットル

 アルカナはキャプチャーと同じCMF-Bプラットフォームを採用したうえで、滑らかな弧を描く流麗なルーフラインを組み込んだSUVクーペのスタイルに仕立てる。基本フォルムは1580mmの全高に対して200mmの最低地上高を確保し、また高い位置に配したベルトラインと筋肉を思わせる造形のサイドビュー、幅広で張り出したフェンダー、前後のスキッドプレート、ホイールアーチプロテクションなどを採用して、SUVらしい力強さを強調。同時に、リアに向かって優雅な弧を描くルーフおよびサイドウィンドウのラインによって、クーペのような俊敏さとエレガントさを具現化した。

▲滑らかな弧を描く流麗なルーフラインを組み込んだSUVクーペのフォルムを採用。最低地上高は200mmを確保する
▲滑らかな弧を描く流麗なルーフラインを組み込んだSUVクーペのフォルムを採用。最低地上高は200mmを確保する

 一方、フロント部はF1から着想を得たブレードを組み込み、スポーティさを主張。バンパー両端にはホイールハウスにつながるエアディフレクターを配し、整流効果を高める。ヘッドライトには、近年のルノーモデルのアイデンティティであるCシェイプのデイタイムランプを装備した。対してリアセクションでは、テールゲートの幅全体に伸びる印象的なシグネチャーランプを配備。傾斜をつけたCピラーやスポイラー形状の後端、ツインクロームのエキゾーストフィニッシャーなどと相まって、存在感あふれる後ろ姿を創出した。

▲近年のルノー車のアイデンティティであるCシェイプのデイタイムランプを装備
▲近年のルノー車のアイデンティティであるCシェイプのデイタイムランプを装備
▲テールゲートの幅全体に伸びる印象的なシグネチャーランプを採用
▲テールゲートの幅全体に伸びる印象的なシグネチャーランプを採用

 ボディカラーはブルーザンジバル・メタリック、オランジュバレンシア・メタリック、ノワールメタル・メタリック、ブランペルレ・メタリック(3万5000円高)の計4色をラインアップしている。

▲ボディカラーは写真上よりブルーザンジバル・メタリック、オランジュバレンシア・メタリック、ノワールメタル・メタリック、ブランペルレ・メタリックの計4色を設定
▲ボディカラーは写真上よりブルーザンジバル・メタリック、オランジュバレンシア・メタリック、ノワールメタル・メタリック、ブランペルレ・メタリックの計4色を設定

 内包するインテリアは、R.S.ラインを取り入れてスポーティかつ上質に仕上げたことが特徴。ダッシュボードとドアトリムにはカーボン調パネルを採用し、合わせてレッドのアクセントを入れる。さらに、レザー×スエード調コンビ表皮の6ウェイ電動フロントシート(ヒーター機構付き)や6対4分割可倒式リアシート、シートベルト、ステアリングホイール(ヒーター機構付き)などにもレッドのステッチを施した。また、ステアリングホイールとシフトレバーにはレザー巻きを、ペダル類にはアルミ材を奢っている。

▲R.S.ラインを取り入れてスポーティかつ上質に仕上げたキャビン空間。レザー×スエード調コンビ表皮の6ウェイ電動フロントシート(ヒーター機構付き)や6対4分割可倒式リアシートを装備
▲R.S.ラインを取り入れてスポーティかつ上質に仕上げたキャビン空間。レザー×スエード調コンビ表皮の6ウェイ電動フロントシート(ヒーター機構付き)や6対4分割可倒式リアシートを装備

 コクピット自体は、ドライバーを中心に設計したスマートコクピットを採用。ディスプレイや操作系をドライバーが見やすく、かつ扱いやすいようにレイアウトし、運転に集中できる環境を演出する。また、インパネにはクラス最大級の10.2インチフルデジタルインストルメントパネルを配備。豊富な情報をシンプルかつ直感的に表示する。さらに、センター部には各種インフォテインメントを表示するタッチスクリーン式の7インチマルチメディアイージーリンクを設定。スマートフォンをUSBポートに接続すれば、Apple CarPlayおよびAndroid Autoを介して、各種アプリが活用できるミラーリング機能を組み込む。センターコンソールには、USBポート×2とAUX入力×1を装備した。
 運転モードやインテリア照明(アンビエントライト)をカスタマイズできるルノー・マルチセンスを組み込んだこともトピック。モード選択は前述の7インチマルチメディアイージーリンクのタッチスクリーンから操作し、3つの運転モード、具体的にはMy Sense:個別設定が可能なカスタマイズモード(初期設定モード)、Sport:スポーツ走行に適した運転モード、Eco:エコロジーおよびエコノミーを重視した運転モードが選択できる。また、フルデジタルインストルメントパネルの表示スタイルはエコ/コンフォート/レギュラー/スポーツを、アンビエントライトはブルー/エレクトリックブルー/パープル/イエロー/オレンジ/レッド/グリーン/ホワイトを設定した。

▲ドライバーを中心に設計したスマートコクピットを採用。インパネにはクラス最大級の10.2インチフルデジタルインストルメントパネルを、センター部にはタッチスクリーン式の7インチマルチメディアイージーリンクを装備。日本導入モデルのハンドル位置は右
▲ドライバーを中心に設計したスマートコクピットを採用。インパネにはクラス最大級の10.2インチフルデジタルインストルメントパネルを、センター部にはタッチスクリーン式の7インチマルチメディアイージーリンクを装備。日本導入モデルのハンドル位置は右
▲スマートフォンをUSBポートに接続すればApple CarPlayおよびAndroid Autoを介して各種アプリが活用できるミラーリング機能を採用
▲スマートフォンをUSBポートに接続すればApple CarPlayおよびAndroid Autoを介して各種アプリが活用できるミラーリング機能を採用

 実用的かつ豊富な収納スペースを用意したことも見逃せない。ラゲッジスペースには上下に分割するダブルフロアシステムを採用。容量は後席使用時で480リットルを確保する。また、センターコンソールには2リットル、フロントアームレストには1.1リットルの収納スペースを装備。さらに、リアアームレストには1.5リットルの収納スペースと2個のカップホルダーを、ドアポケットには0.75リットルのボトルが2本収納できるスペースを配した。

▲ラゲッジスペースには上下に分割するダブルフロアシステムを採用。容量は後席使用時で480リットルを確保
▲ラゲッジスペースには上下に分割するダブルフロアシステムを採用。容量は後席使用時で480リットルを確保

 パワーユニットには、F1で培った技術を活用したフルハイブリッドの「E-TECHハイブリッド」を搭載する。E-TECHハイブリッドは、ピストンやコネクティングロッド、クランクシャフト、そしてエンジンマッピングといった機構をHR16型より再設計したH4M型1597cc直列4気筒DOHCガソリンエンジン(最高出力94ps/5600rpm、最大トルク148Nm/3600rpm)、最高出力36kW/最大トルク205Nmを発生するメインの5DH型駆動用E-モーター、最高出力15kW/最大トルク50Nmを発生する始動および発電用モーターのHSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)、容量1.2kWh(250V)のリチウムイオンバッテリーでシステムを構成。トランスミッションにはF1の技術を活用するとともに、工業用LEGOブロックを使ってトランスミッションのモデルを組み上げて検証を行った、電子制御ドッグクラッチ付きのマルチモードATを採用する。エンジンは4速、メインモーターは2速の変速機構を持ち、それぞれのニュートラルと合わせて計15通りの変速モードを設定。また、走行状況に応じてシリーズ、パラレル、エンジン駆動のみと、効率を最適化する。合わせて、減速時のバッテリー回生システムを導入。ギアポジションをB(ブレーキ)位置にすると、より多くのエネルギーを回収する。燃費面では、WLTCモードで22.8km/リットルを実現した。

▲パワーユニットにはフルハイブリッドの「E-TECHハイブリッド」を搭載。H4M型1597cc直列4気筒DOHCガソリンエンジン(94ps/148Nm)、36kW/205Nmを発生するメインの5DH型駆動用E-モーター、15kW/50Nmを発生する始動および発電用モーターのHSG、容量1.2kWhのリチウムイオンバッテリーでシステムを構成
▲パワーユニットにはフルハイブリッドの「E-TECHハイブリッド」を搭載。H4M型1597cc直列4気筒DOHCガソリンエンジン(94ps/148Nm)、36kW/205Nmを発生するメインの5DH型駆動用E-モーター、15kW/50Nmを発生する始動および発電用モーターのHSG、容量1.2kWhのリチウムイオンバッテリーでシステムを構成

 シャシーについては、専用セッティングの前マクファーソンストラット式/後トーションビーム式を採用。シューズには7J×18アロイホイール“Silverstone”+215/55R18タイヤを装着する。また、制動機構には電動パーキングブレーキを装備。オートホールド機能を組み込み、交差点の長い信号待ちなどでドライバーがブレーキペダルから足を離しても停止状態を保ち、アクセルペダルを踏むと自動的にブレーキを解除する仕組みを導入した。

▲電子制御ドッグクラッチ付きのマルチモードATを採用。エンジンは4速、メインモーターは2速の変速機構を持ち、それぞれのニュートラルと合わせて計15通りの変速モードを設定する
▲電子制御ドッグクラッチ付きのマルチモードATを採用。エンジンは4速、メインモーターは2速の変速機構を持ち、それぞれのニュートラルと合わせて計15通りの変速モードを設定する

 先進安全運転支援システムの充実ぶりも訴求点だ。高速道路や自動車専用道路などを走行する際に同一車線を走る先行車を感知してドライバーが設定した速度と車間距離に基づき加速・減速し、先行車が停止したときは自車も減速あるいは停止して、先行車が3秒以内に発進すると自車も自動的に再発進し、渋滞時の走行に対応するアダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)、走行車線の中央を走るようにハンドル操作を支援するレーンセンタリングアシスト(車線中央維持支援)、アダプティブクルーズコントロールとレーンセンタリングアシストを組み合わせたハイウェイ&トラフィックジャムアシスト、フロントバンパー/両側ドアミラー/リアゲートに配した4つのカメラが車両の周囲の状況を撮影し、真上から見下ろしたような俯瞰画像を合成して7インチタッチスクリーンに表示する360°カメラ、12個のセンサーが駐車可能なスペースを検出し、自動でステアリング操作を行って縦列駐車やバックでの車庫入れをサポートするイージーパーキングアシスト、前方の車両や歩行者に衝突する可能性を感知してアラーム音や表示灯による警告を行い、さらに衝突の危険が高まるとドライバーのブレーキ操作をサポートして衝突時の被害や衝撃の軽減を図るアクティブエマージェンシーブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)歩行者・自転車検知機能付、シフトレバーをリバースに入れた際に車両の左右後部に接近する車両を検知すると、ドアミラー内の表示灯の点灯と7インチタッチスクリーンの後方映像の画面表示により注意を促すリアクロストラフィックアラートなどの最新システムを標準で組み込んでいる。

▲渋滞時の走行にも対応するアダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)を装備
▲渋滞時の走行にも対応するアダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)を装備
▲4つのカメラが車両の周囲の状況を撮影し、真上から見下ろしたような俯瞰画像を合成して7インチタッチスクリーンに表示する360°カメラを採用
▲4つのカメラが車両の周囲の状況を撮影し、真上から見下ろしたような俯瞰画像を合成して7インチタッチスクリーンに表示する360°カメラを採用

 なお、アルカナは発売に先駆けて全国4都市で先行展示・試乗会を実施。試乗はルノー・ジャポンオフィシャルウェブページ特設サイトから事前の予約が必要だ。開催場所および日時は、東京の代官山T-SITEで4月23~24日、大阪の枚方T-SITEで4月30日~5月1日、福岡のTSUTAYA BOOK GARAGE福岡志免で4月30日~5月1日、愛知県の名古屋みなと蔦屋書店で5月7~8日に行う予定である。

▲アルカナは発売に先駆けて全国4都市で先行展示・試乗会を実施する
▲アルカナは発売に先駆けて全国4都市で先行展示・試乗会を実施する
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