【最新モデル試乗】グーグルシステムを搭載した電動SUV。時代を先駆けるボルボXC60の完成度

ボルボXC60リチャージ・プラグインHV・T8・AWDインスクリプション 最新モデルはインフォテインメント機能を刷新 XC60は日常ユースをEVとして使えるT8系と48VマイルドHVのB5/B6系を設定 駆動方式は全車4WD
ボルボXC60リチャージ・プラグインHV・T8・AWDインスクリプション 最新モデルはインフォテインメント機能を刷新 XC60は日常ユースをEVとして使えるT8系と48VマイルドHVのB5/B6系を設定 駆動方式は全車4WD

ボルボXC60リチャージ・プラグインHV・T8・AWDインスクリプション 価格:949万円 試乗記

人気のXC60のインフォテイメント機能が一新された

 ボルボの主力モデル、XC60がマイナーチェンジした。XC60は日本でも持て余さないサイズと上質な乗り味で、デビュー以来、高い人気をキープするSUVである。
 今回の改良の主軸は、新世代インフォテインメント機能の搭載。すでにさまざまな生活シーンでお馴染みのグーグルシステムを全面導入した。新型は音声で各種の操作ができ、グーグルマップによるナビゲーションや、多数のアプリが活用できる。グーグルアシスタントを利用すると、ナビの目的地設定や空調の温度調節などの車内操作をはじめ、各種の操作がすべて音声でコントロールできる。

 従来、クルマは自宅とは別の独立した空間だった。グーグルシステムは、それをシームレスに繋いだ点が新しい。グーグルアプリ/サービスは、日本では2021年年末から運用がスタート。新車時から4年間は無料で利用できる。

外観はグリルとバンパー形状をリファイン。フルLEDライトは中央にハンマーヘッド形状のラインを刻む
外観はグリルとバンパー形状をリファイン。フルLEDライトは中央にハンマーヘッド形状のラインを刻む
最新モデルはリア衝突回避ブレーキを新採用 全長×全幅×全高4710×1900×1660mm 車重2160kg
最新モデルはリア衝突回避ブレーキを新採用 全長×全幅×全高4710×1900×1660mm 車重2160kg

通常走行はBEV感覚。3種のモードでオールマイティな走りを実現

 試乗車は最上級仕様のリチャージ・プラグインHV・T8・AWDインスクリプション。グーグルシステムは本格サービス開始前だったので試せなかったが、XC60の魅力を改めて実感した。最新モデルは、グリルやバンパー形状をリファインしたほか、メーターが一新され、後退時に障害物との衝突を回避するブレーキ機能を新たに装備している。

 ボルボは2030までに全車のBEV化を宣言。すでに販売車両の電動化対応を完了している。リチャージ・プラグインHV・T8・AWDは、電気モーター(フロント34kW/リア65kW)とターボとスーパーチャージャーを備えた2リッター直4(318ps)を組み合わせたPHEV。XC60のイメージリーダーという存在だ。満充電時EVとして39.4km走行でき、走行モードは電気で走るピュア、燃費効率と航続距離をバランスさせたハイブリッド、そしてモーターとエンジンのパワーを最大限に生かすパワーの3種が選べる。

 ピュアでスタート。EV状態での加速性能は強力。あくまで静粛でスムーズな走りは上質なXC60とよく似合う。ハイブリッド状態でも印象はそのままだった。エンジン始動や停止に伴うショックは皆無。時に4気筒エンジンのかすかな唸りが耳につくが、全般的に静かな印象が持続する。パワーモードを選択すると、スポーティカーと同等の鮮烈なパフォーマンスが味わえた。

 XC60のクルージング性能は、エアサスペンション仕様の足回りが滑らかな乗り心地を保証することもあり最高水準だった。リチャージ・プラグインHVは、地球にも人にも優しいSUVの最右翼である。

インパネ造形は機能的 各部の作りは入念 新型はグーグルシステムの採用でセンターディスプレイの画面デザイン&操作ロジックを一新 ボディは大柄だが視界はワイド 運転しやすい
インパネ造形は機能的 各部の作りは入念 新型はグーグルシステムの採用でセンターディスプレイの画面デザイン&操作ロジックを一新 ボディは大柄だが視界はワイド 運転しやすい
インスクリプションは上質なファインナッパレザーシート標準 サポート性/座り心地ともに高水準 室内はゆったり&静粛設計
インスクリプションは上質なファインナッパレザーシート標準 サポート性/座り心地ともに高水準 室内はゆったり&静粛設計
メーターはフル液晶タイプの新意匠 メーター内に地図が表示でき利便性に優れる設計
メーターはフル液晶タイプの新意匠 メーター内に地図が表示でき利便性に優れる設計
8速ATのセレクターはクリスタル製 走行モードはピュア/ハイブリッド/パワーの3種を設定
8速ATのセレクターはクリスタル製 走行モードはピュア/ハイブリッド/パワーの3種を設定
センターディスプレイは見やすい多機能設計 後退時は俯瞰で周囲の状況がわかる
センターディスプレイは見やすい多機能設計 後退時は俯瞰で周囲の状況がわかる
ラゲッジスペースは広く使い勝手に優れた設計 リアゲートは電動開閉式
ラゲッジスペースは広く使い勝手に優れた設計 リアゲートは電動開閉式
ターボとスーパーチャージャーでツイン過給した2リッター直4エンジン(318ps)と2モーターでPHEVを構成
ターボとスーパーチャージャーでツイン過給した2リッター直4エンジン(318ps)と2モーターでPHEVを構成
255/45R20タイヤ+新形状アルミ装着 T8はエアサスペンション標準
255/45R20タイヤ+新形状アルミ装着 T8はエアサスペンション標準
充電リッドは左フロントフェンダーに配置 200V普通充電に対応
充電リッドは左フロントフェンダーに配置 200V普通充電に対応

ボルボXC60リチャージ・プラグインHV・T8・AWDインスクリプション 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=XC60リチャージ・プラグインHV・T8・AWDインスクリプション
価格=8SAT 959万円
全長×全幅×全高=4710×1900×1660mmホイールベース=2865mm
トレッド=フロント:1650×リア:1655mm
最低地上高=210mm
車重=2160kg
エンジン=1968cc直4DOHC16Vターボ&SC(プレミアム仕様、燃料タンク容量71リッター)
最高出力k=233kW(318ps)/6000rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/2200〜5400rpm
モーター最高出力=フロント:34kW/2500rpm/リア:65kW/7000rpm
モーター最大トルク=フロント:160Nm/0〜2500rpm/リア:240Nm/0〜3000rpm
EV走行換算距離(等価EVレンジ)=39.4km
WLTCモード燃費=12.6km/リッター
(市街地/郊外/高速道路=15.3/9.6/14.4km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ディスク
タイヤ&ホイール=255/45R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.7m
主な燃費改善対策=プラグインハイブリッドシステム/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/ブレーキエネルギー回生システム/アイドリングストップ主要装備:シティセーフティ(プリクラッシュブレーキ+歩行者&サイクリスト&大型動物検知機能+対向車対応機能+インターセクションサポート)/対向車線衝突回避支援機能/LKA/ロードサインインフォメーション/道路逸脱回避支援機能/ドライバーアラートコントロール/全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール/パイロットアシスト(車線維持支援機能)/フルアクティブハイビーム(LEDヘッドランプ)/360度ビューカメラ/ケアキー(速度制限付きリモコンキー)/180㎞/hスピードリミッター/電動パーキングブレーキ/ヒルスタート&ヒルディセントコントロール/電子制御4輪エアサスペンション&アクティブパフォーマンスシャシー/ファインナッパレザーコンフォートシート/前後席シートヒーター/フルオートAC/Googleアプリ/サービス・ナビゲーションシステム/ヘッドアップディスプレイ/ハーマンカードン・プレミアムサウンドオーディオ/新車時5年保証
ボディカラー:シルバードーン(op9万2000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は2万6900円

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