ベントレーが誇る高性能グランドツアラーのコンチネンタルGTに最強バージョンの「スピード」が復活。6リットルW12エンジンは659psの最高出力を発生

ベントレー自ら“ベントレー史上最高の運動性能を誇るロードカー”と謳うハイパフォーマンスモデルの新型「コンチネンタルGT スピード」が登場。新設計の高度なシャシー技術にチューンアップした6リットルW12エンジンを搭載

 英国ベントレーは2021年3月23日(現地時間)、ラグジュアリーグランドツアラーのコンチネンタルGTの新しいハイパフォーマンスバージョンとなる「コンチネンタルGT スピード(Continental GT Speed)」を発表した。

▲ベントレー・コンチネンタルGT スピード ベントレー自ら“ベントレー史上最高の運動性能を誇るロードカー”と謳うハイパフォーマンスモデルに仕立てたことが特徴だ
▲ベントレー・コンチネンタルGT スピード ベントレー自ら“ベントレー史上最高の運動性能を誇るロードカー”と謳うハイパフォーマンスモデルに仕立てたことが特徴だ

 2007年デビューの初代、2012年デビューの2代目に続く、第3世代のコンチネンタルGT スピードは、ベントレー自ら“ベントレー史上最高の運動性能を誇るロードカー”と謳うハイパフォーマンスモデルに仕立てたことが特徴である。

▲ボディサイズは全長4850×全幅2187(ドアミラー含)×全高1405mm/ホイールベース2851mm 車重は2273kg 公表された最高速度は335km/h、0→100km/h加速は3.6秒を誇る
▲ボディサイズは全長4850×全幅2187(ドアミラー含)×全高1405mm/ホイールベース2851mm 車重は2273kg 公表された最高速度は335km/h、0→100km/h加速は3.6秒を誇る

 まずパワーユニットには、チューンアップを図った6リットルW型12気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。最高出力はコンチネンタルGT比で+24psの659ps/5000~6000rpm、最大トルクは900Nm/1500~5000rpmを発生する。また、高効率化を目的に気筒休止システムも内蔵し、エンジンコントロールユニットが状況に応じて片側バンクの6気筒すべてを停止させることで燃料消費を効果的に抑制。さらに、車両が静止しているときに加えて停車直前にもエンジンが止まるストップスタートテクノロジーも組み込んだ。一方、トランスミッションには専用セッティングの8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)をセット。「スポーツ」モードでは変速スピードを2倍にアップさせ、さらにターボチャージャーがパワーバンドに長く留まるようチューニングする。性能面では、最高速度が335km/h、0→100km/h加速が3.6秒を実現した。

▲チューンアップを図った6リットルW型12気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。最高出力はコンチネンタルGT比で+24psの659ps/5000~6000rpm、最大トルクは900Nm/1500~5000rpmを発生
▲チューンアップを図った6リットルW型12気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。最高出力はコンチネンタルGT比で+24psの659ps/5000~6000rpm、最大トルクは900Nm/1500~5000rpmを発生

 高性能エンジンを支えるシャシーに新技術を積極的に導入した点も要注目だ。まず、高速走行時のハンドリング性能と安定性、そして低速時の取り回し性を向上させた新設計のエレクトロニック・オールホイール・ステアリングを採用。合わせて、48Vのアクティブアンチロール制御システムのベントレー・ダイナミックライドとエレクトロニック・リミテッド・スリップ・デファレンシャル(eLSD)をステアリングに連動させ、操舵フィールや機動性を向上させる。一方、駆動機構には前後トルク配分とトラクション制御のプログラムの見直しを図ったアクティブAWDを採用。乗り心地重視の「コンフォート」、走り重視の「スポーツ」、乗り心地と走りを絶妙にバランスさせたベントレーシャシーチームが推奨する「ベントレー」といった各ドライブモードの制御において、動的性能をより最適化させた。さらに、ドライバーが可能な限り自由な走りを楽しめるように設定したエレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)も採用している。
 制動機構に関しては、新設計のカーボンセラミックブレーキをオプション設定したことがトピック。カーボンシリコンカーバイド製ブレーキディスクに、前10ピストン/後4ピストンのキャリパーを組み合わせ、優れた耐フェード性と制動力を確保する。ばね下重量を33kg以上軽減し、かつブレーキダストが少なくなることも、新ブレーキの特徴だ。

▲新設計のエレクトロニック・オールホイール・ステアリングやエレクトロニック・リミテッド・スリップ・デファレンシャル(eLSD)などを組み込んで高速走行時のハンドリング性能と安定性、そして低速時の取り回し性を向上させる
▲新設計のエレクトロニック・オールホイール・ステアリングやエレクトロニック・リミテッド・スリップ・デファレンシャル(eLSD)などを組み込んで高速走行時のハンドリング性能と安定性、そして低速時の取り回し性を向上させる

 エクステリアについては、筋肉質で存在感のあるコンチネンタルGTのスタイリングを、より力強い印象に昇華させたことが訴求点だ。具体的には、ダークティント化したフロントグリルおよびバンパーロアグリルや造形の美しいスポーツタイプのドアシル、フロントフェンダー部に配したクロームの“Speed”バッジ、“ジュエル”タイプのフューエルフィラーキャップとオイルフィラーキャップ、展開可能なリアスポイラー、ツインオーバルタイプのステンレススチール製テールパイプなどを標準装備。また、ヘッドライトにはハイビームアシスト付きフルLEDマトリクスヘッドランプを、リアコンビネーションランプにはフルLEDランプを組み込む。さらに、足もとにはブライトシルバーで彩った専用22インチアロイホイールを装着。ダークティント仕上げまたはブラックグロス仕上げのホイールもオプションで選択可能だ。

▲ダークティント化したフロントグリルおよびバンパーロアグリルを装備
▲ダークティント化したフロントグリルおよびバンパーロアグリルを装備
▲ブライトシルバーで彩った専用22インチアロイホイールを装着する
▲ブライトシルバーで彩った専用22インチアロイホイールを装着する

 内包するインテリアは、スピードモデル専用のカラースプリットやトリム、そしてハンドクラフトされた素材が絶妙に調和し、ラグジュアリーとパフォーマンスを高度に融合させたキャビン空間を創出する。室内はレザーとアルカンターラで手仕上げされたデュオトーンカラースプリットで彩り、ステアリングホイールも同様のカラーで統一。インパネにはピアノブラックのウッドを採用し、イルミネーション付きベントレートレッドプレート&“Speed”プレートも装備する。また、メインハイド15色とセカンダリーハイド11色を用意したほか、アルカンターラをレザーに置き換えることも可能。さらに、センターコンソールのオプションとしてエンジンターン加工を施したダークティントのアルミニウムを新たに設定した。4シーター構成のシートには、ベントレーの“ダイヤモンド・イン・ダイヤモンド”キルトを配備。ヘッドレストには“Speed”ロゴの刺繍を刻印している。

▲室内はレザーとアルカンターラで手仕上げされたデュオトーンカラースプリットで彩り、ステアリングホイールも同様のカラーで統一する
▲室内はレザーとアルカンターラで手仕上げされたデュオトーンカラースプリットで彩り、ステアリングホイールも同様のカラーで統一する
▲4シーター構成のシートにはベントレーの“ダイヤモンド・イン・ダイヤモンド”キルトを配備
▲4シーター構成のシートにはベントレーの“ダイヤモンド・イン・ダイヤモンド”キルトを配備
▲イルミネーション付きベントレートレッドプレート&“Speed”プレートを装着
▲イルミネーション付きベントレートレッドプレート&“Speed”プレートを装着

 なお、コンチネンタルGT スピードの日本への導入時期や車両価格などについては、現在のところ未発表である。

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