アウディの新型TCRレーシングカー「RS3 LMS」が初公開

アウディ スポーツが第2世代の「RS3 LMS」を発表。エアロダイナミクスやパワートレインなどに数多くの改良を施して戦闘力をアップ

 独アウディ傘下のアウディ スポーツ(Audi Sport customer racing)は2021年2月5日(現地時間)、本拠を構えるドイツ・ノイブルク アン デア ドナウにおいて、ツーリングカーレースのTCR規定に準じる新型RS3 LMSをオンライン発表した。

▲第2世代となる新型アウディRS3 LMS。開発目標として、市販モデルをベースにしたエントリーレベルのレースカーをさらに改善すること、そしてあらゆる領域でカスタマーのメリットを最適化すること、という2点を掲げている
▲第2世代となる新型アウディRS3 LMS。開発目標として、市販モデルをベースにしたエントリーレベルのレースカーをさらに改善すること、そしてあらゆる領域でカスタマーのメリットを最適化すること、という2点を掲げている

 第2世代となる新型RS3 LMSは、アウディの高性能ハイパフォーマンスモデルのRS3セダンをベースに、世界各国で開催しているTCRレースに向けて開発された新カスタマーレーシングカーだ。第1世代のRS3 LMSは180台が製造され、世界中のカスタマーに供給。わずか4年間で1051のレースに参戦し、279回の優勝を含む764回の表彰台を獲得する。さらに、2018年のTCRモデル オブ ザ イヤーのタイトルを含め、ドライバーズチャンピオンシップで16のタイトルを獲得し、その他のカテゴリーで38のチャンピオンシップに輝いた。

▲パワーユニットに新世代の“EA888”1984cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジンを搭載。最高出力は250kW(340hp)以上/6250rpm、最大トルクは420Nm以上/2500rpmを発生する
▲パワーユニットに新世代の“EA888”1984cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジンを搭載。最高出力は250kW(340hp)以上/6250rpm、最大トルクは420Nm以上/2500rpmを発生する

 新型RS3 LMSでは、パワーユニットに新世代の“EA888”1984cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジンを搭載。エンジンマネジメントにはWSCのコントロ-ルECUを組み込み、250kW(340hp)以上/6250rpmの最高出力と420Nm以上/2500rpmの最大トルクを発生する。トランスミッションには、軽量化を果たした新しいヒューランド製6速シーケンシャルをセット。また、新タイプのマルチプレート リミテッドスリップデファレンシャル(アジャスタブル・プレローディング付)も採用した。

▲トランスミッションには軽量化を果たしたヒューランド製6速シーケンシャルをセット。ボディサイズは全長4650×全幅1950×全高1250mm/ホイールベース2665mmに設定する。燃料タンク容量は100リットル
▲トランスミッションには軽量化を果たしたヒューランド製6速シーケンシャルをセット。ボディサイズは全長4650×全幅1950×全高1250mm/ホイールベース2665mmに設定する。燃料タンク容量は100リットル
▲外装についてはエアロダイナミクスの最適化を実施。新デザインの空力パーツを組み込んでダウンフォースなどをいっそう引き上げる
▲外装についてはエアロダイナミクスの最適化を実施。新デザインの空力パーツを組み込んでダウンフォースなどをいっそう引き上げる

 外装については、エアロダイナミクスの最適化を実施。新デザインの空力パーツを組み込んでダウンフォースなどをいっそう向上させる。内包するインテリアも新デザインで、よりドライバーオリエンテッドで機能性を高めたコクピットに仕立てた。同時に安全性能も引き上げ、新タイプのアウディ スポーツ・プロテクションシートやシートラッピングセーフティネットなどを設定している。

▲よりドライバーオリエンテッドで機能性を高めたコクピットに仕立てる。ドライバーの安全性も向上させた
▲よりドライバーオリエンテッドで機能性を高めたコクピットに仕立てる。ドライバーの安全性も向上させた

 新型RS3 LMSは、2021年末にはカスタマーへの供給を開始する予定。Audi Sport customer racingのクリス・ラインケ統括責任者は、「最新モデルを開発するにあたり、カスタマーに焦点を合わせた目標を設定した。私たちは、ラップタイム、セットアップオプション、安全性、エルゴノミクス(人間工学)等あらゆる面において、先代より優れたモデルをカスタマーチームに提供したいと考えている」とコメントしている。

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