第5世代メルセデス・ベンツ・Cクラスのスポーツモデル「メルセデスAMG C43 4MATIC」が日本デビュー

メルセデス・ベンツ・Cクラスのセダン/ステーションワゴンにハイパフォーマンスバージョンの「メルセデスAMG C43 4MATIC」を設定。F1由来のエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを初採用して自然吸気エンジンのようなレスポンスを実現

 メルセデス・ベンツ日本は2022年10月20日、第5世代Cクラス(W206)のセダン/ステーションワゴンにハイパフォーマンスモデルの「メルセデスAMG C43 4MATIC」を設定し、同日より発売した。

▲メルセデスAMG C43 4MATIC 価格:9SAT1116万円 全長4785×全幅1825×全高1450mm ホイールベース2865mm 車重1830kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費11.1km/リットル

▲メルセデスAMG C43 4MATIC 価格:9SAT1116万円 全長4785×全幅1825×全高1450mm ホイールベース2865mm 車重1830kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費11.1km/リットル

 

車両価格は以下の通り。

メルセデスAMG C43 4MATIC:1116万円

メルセデスAMG C43 4MATICステーションワゴン:1146万円

▲メルセデスAMG C43 4MATICステーションワゴン 価格:9SAT1146万円 4785×全幅1825×全高1465mm ホイールベース2865mm 車重1870kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費10.9km/リットル

▲メルセデスAMG C43 4MATICステーションワゴン 価格:9SAT1146万円 4785×全幅1825×全高1465mm ホイールベース2865mm 車重1870kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費10.9km/リットル

 

 まずは注目のパワートレインから解説していこう。

 搭載エンジンはメルセデスAMG社でマイスターにより組み上げられたM139型1991cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボユニット(最高出力408ps/6750rpm、最大トルク500Nm/5000rpm)で、F1由来のエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを量産車で初めて採用する。同ターボチャージャーの電気モーターは厚さ約4cmで、排気側のタービンホイールと吸気側のコンプレッサーホイールの間のターボチャージャーの軸に一体化。このモーターが電子制御でターボチャージャーの軸を直接駆動してコンプレッサーホイールを加速し、コンプレッサーホイールが通常のターボチャージャーと同じく排気の流れによって駆動されるようになるまで過給を行う仕組みだ。特性上、アイドリングスピードから全回転域にわたってレスポンスの速さが大きく改善され、合わせてアクセル操作に対するエンジンのレスポンスがいっそう自然なフィーリングとなることから、よりダイナミックな走りが楽しめる。

 M139エンジンには、電気モーター(最高出力10kW、最大トルク58Nm)と第2世代BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)、48V電気システム、駆動用リチウムイオンバッテリーが組み合わされる。ターボチャージャー自体は48V電気システムを電源とし、最大17万5000回転まで作動。また、ターボチャージャーと電気モーター、そして電子制御ユニットはエンジンの冷却システムに接続され、常に最適な温度に管理する。さらに、48V電気システムはECOスタートストップ機能やセーリングモードの間の切り替えがほぼ感じられないほど滑らかに行われるようにセッティングした。

▲M139型1991cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジンにはF1由来のエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを量産車で初採用する。最高出力は408ps/6750rpm、最大トルクは500Nm/5000rpmを発生

▲M139型1991cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジンにはF1由来のエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを量産車で初採用する。最高出力は408ps/6750rpm、最大トルクは500Nm/5000rpmを発生

 

 組み合わせるトランスミッションは、従来C63モデルのみに搭載していたAMGスピードシフトMCT(9速AT)をC43に初採用する。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現した。また、ドライビングモードとして「AMGダイナミックセレクト」を採用。高速走行時などにアクセルから足を離すとエンジンとトランスミッションを切り離して燃料消費を抑えるセーリング機能の採用によって燃費を優先する「Comfort」、よりスポーティなドライビングが楽しめる「Sport」および「Sport+」、 滑りやすい路面を安全に走行する「Slippery」、様々なパラメーターを個別に設定できる「Individual」という5つのモードが選択できる。ステアリングには、左側にサスペンションセッティング切替などのAMGメニューを自由に割り当てることが可能なスイッチを、右側にAMGダイナミックセレクトのモードが選択できるロータリースイッチをレイアウトしたAMGドライブコントロールスイッチを組み込むAMGパフォーマンスステアリングを採用した。

▲トランスミッションには従来C63モデルのみに搭載していたAMGスピードシフトMCT(9速AT)をC43に初採用する

▲トランスミッションには従来C63モデルのみに搭載していたAMGスピードシフトMCT(9速AT)をC43に初採用する

 

 心に響くサウンド体験が味わえるAMGリアルパフォーマンスサウンドを標準装備したこともトピックだ。排気管内に電子制御の可変エグゾーストフラップを備えたAMGエグゾーストシステムを配したうえで、エグゾーストシステム内のサウンドをピックアップして室内のスピーカーから再生。選択したAMGダイナミックセレクトのモードと走行状況に応じて、心地よい落ち着いたサウンドやエモーショナルなサウンドを、より鮮明に響かせる。

▲排気管内に電子制御の可変エグゾーストフラップを備えたAMGエグゾーストシステムを配したうえで、エグゾーストシステム内のサウンドをピックアップして室内のスピーカーから再生するAMGリアルパフォーマンスサウンドを標準装備

▲排気管内に電子制御の可変エグゾーストフラップを備えたAMGエグゾーストシステムを配したうえで、エグゾーストシステム内のサウンドをピックアップして室内のスピーカーから再生するAMGリアルパフォーマンスサウンドを標準装備

 

 駆動機構については、パフォーマンス志向フルタイム4輪駆動システムのAMG 4MATICを採用。前後のトルク配分は31:69と、AMG独自の後輪重視型に設定する。また、操舵機構にはリア・アクスルステアリングを装備。約100km/h以下ではリアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大約2.5度傾け、駐車時の取り回しやすさを向上させるとともにワインディングロードなどでの俊敏なハンドリングを実現し、約100km/hを超えるとリアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大約0.7度操舵することで、走行安定性を大きく向上させた。

▲フロントに専用開発のステアリングナックルやサスペンションジョイントを、リアに専用開発のホイールガイドや追加のエラストキネマティクスサポートを配し、合わせて電子制御の連続可変ダインピングシステムを組み込んだAMG RIDE CONTROLサスペンションを採用

▲フロントに専用開発のステアリングナックルやサスペンションジョイントを、リアに専用開発のホイールガイドや追加のエラストキネマティクスサポートを配し、合わせて電子制御の連続可変ダインピングシステムを組み込んだAMG RIDE CONTROLサスペンションを採用

 

 懸架機構は現行のCクラスと同形式の前4リンク式/後マルチリンク式で構成したうえで、フロントに専用開発のステアリングナックルやサスペンションジョイントを、リアに専用開発のホイールガイドや追加のエラストキネマティクスサポートを配し、合わせて電子制御の連続可変ダインピングシステムを組み込んだAMG RIDE CONTROLサスペンションを採用する。シューズには19インチAMG5ツインスポークアルミホイール+前245/40/後265/35R19タイヤを装着し、制動機構にはAMGロゴ入りシルバーペイントブレーキキャリパーを備えた前4ピストン固定キャリパー+ドリルドベンチレーテッドディスク/後1ピストンフローティングキャリパー+ベンチレーテッドディスクを組み込んだ。

▲足もとには19インチAMG5ツインスポークアルミホイール+前245/40/後265/35R19タイヤを装着

▲足もとには19インチAMG5ツインスポークアルミホイール+前245/40/後265/35R19タイヤを装着

 

 エクステリアに関しては、メルセデス・ベンツのデザインの基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」を踏襲したうえで、随所にスポーティかつアグレッシブなアレンジを施す。フロントマスクはハイグロスクロームの縦ルーバーを備えたAMG専用グリルをCクラスで初めて採用するとともに、逆スラントしたノーズやAウィングデザインのエプロン、エプロンに配した左右にコの字型を描く大型のフリック、ホイールアーチ部まで延長されたワイドなフロントスプリッター、パワードームを配するスポーティなボンネット、エッジのきいたDIGITALヘッドライトなどによって、空力特性に優れるアクティブな表情を形成。一方、サイドビューはフロントフェンダー部にTURBO ELECTRIFIEDエンブレムを配して電動化されたターボチャージャーを搭載した先進のパワートレインを備えていることを強調し、またドアミラーにハイグロスブラックを採用することで引き締まったプロポーションに仕立てる。そしてリアセクションは、Sクラス譲りの三角形で横に長い印象的なデザインの2分割型コンビネーションランプや、ハイグロスブラック仕上げのトランクスポイラーリップ(セダン)およびルーフスポイラーリップ(ステーションワゴン)を装着して、存在感あふれる後ろ姿を創出した。

▲フロントマスクはハイグロスクロームの縦ルーバーを備えたAMG専用グリルをCクラスで初めて採用するとともに、逆スラントしたノーズやAウィングデザインのエプロン、エプロンに配した左右にコの字型を描く大型のフリックなどによって空力特性に優れるアクティブな表情を創出

▲フロントマスクはハイグロスクロームの縦ルーバーを備えたAMG専用グリルをCクラスで初めて採用するとともに、逆スラントしたノーズやAウィングデザインのエプロン、エプロンに配した左右にコの字型を描く大型のフリックなどによって空力特性に優れるアクティブな表情を創出

▲リアビューにはSクラス譲りの三角形で横に長い印象的なデザインの2分割型コンビネーションランプや、ハイグロスブラック仕上げのトランクスポイラーリップ(セダン、写真)およびルーフスポイラーリップ(ステーションワゴン)を採用する

▲リアビューにはSクラス譲りの三角形で横に長い印象的なデザインの2分割型コンビネーションランプや、ハイグロスブラック仕上げのトランクスポイラーリップ(セダン、写真)およびルーフスポイラーリップ(ステーションワゴン)を採用する

 

 内包するインテリアは、Sクラスの要素を取り入れながらメタルウィーブ/メタルウィーブトリムなどを配備してC43ならではのスポーティさを加えたことが訴求点だ。ダッシュボードは上下2段を基調に構成。上部は翼のような形状で仕立て、ここに航空機エンジンのナセルを思わせる丸みをつけたやや横長の角型エアアウトレットを配置する。一方、下部には大きなインテリアトリムをあしらってセンターコンソールからダッシュボードへと連続性を持たせ、合わせて縦型11.9インチのメディアディスプレイとダッシュボードをドライバー側に6度傾けて視認性および操作性を向上させた。また、メーターパネルには自立型でダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に浮かんでいるように見える12.3インチの大型コックピットディスプレイを装備。コックピットディスプレイとメディアディスプレイは4つのスタイル(ジェントル、スポーティ、クラシック、Supersport)と3つのモード(ナビゲーション、アシスタンス、サービス)の中から選択することが可能だ。また、Cクラスで唯一「Burmester 3Dサラウンドサウンドシステム」を採用。走行ノイズの変化に関わらず最適なサウンドを維持するためのVNC(Vehicle Noise Compensation)も組み込んでいる。

▲Sクラスの要素を取り入れながらメタルウィーブ/メタルウィーブトリムなどを配備してC43ならではのスポーティさを演出。日本導入モデルのハンドル位置はセダンとステーションワゴンともに右/左を設定

▲Sクラスの要素を取り入れながらメタルウィーブ/メタルウィーブトリムなどを配備してC43ならではのスポーティさを演出。日本導入モデルのハンドル位置はセダンとステーションワゴンともに右/左を設定

▲AMGドライブコントロールスイッチを組み込むAMGパフォーマンスステアリングを採用

▲AMGドライブコントロールスイッチを組み込むAMGパフォーマンスステアリングを採用

 

 シートに関しては、サポート性に優れサーキットでのスポーツ走行時でも安定したドライビングポジションを維持できる一方で、長時間のドライビングでも疲れにくい快適性も兼ね備えたブラックのAMG専用本革スポーツシートを標準装備。室内を彩るアンビエントライトは64色から選べるとともに、単色の発光に加えて色の連続変化を可能とした。

▲高いサポート性と長時間のドライビングでも疲れにくい快適性を兼ね備えたブラックのAMG専用本革スポーツシートを標準装備

▲高いサポート性と長時間のドライビングでも疲れにくい快適性を兼ね備えたブラックのAMG専用本革スポーツシートを標準装備

 

 安全運転支援機能のインテリジェントドライブについては、メルセデス・ベンツの最新ハードウェアおよびシステムを導入。機能としては、必要な車線認識を従来のステレオマルチパーパスカメラだけではなく、360度カメラシステムも使用することで対応可能なカーブが増えたり、高速道路上で今まで以上に精密に車線中央を維持したりすることができるアクティブステアリングアシスト、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックやアクティブステアリングアシストが使用されていない場合でも作動するようになったアクティブエマージェンシーストップアシスト、警告や緊急ブレーキ機能を含むアクティブブレーキアシスト、自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者および自転車を含む車両も検知する緊急回避補助システム、芝などの路肩に対しても反応するように設定したアクティブレーンキーピングアシスト(メニューで3段階の感度調整が可能)、停車時でドアを開けようとした際に後方から障害物が迫っている場合の警告機能を組み込んだアクティブブラインドスポットアシストなどを採用する。また、AR(Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションを組み込んだ対話型インフォテインメントシステム「MBUX」や、最新のテレマティクスサービス「Mercedes me connect」といった先進機能も装備した。

 

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