アストンマーティンV12ヴァンテージのロードスターバージョンが登場

アストンマーティンがV12スポーツカーにオープントップモデルの「V12ヴァンテージ・ロードスター」を設定。5.2リットルV12ツインターボエンジンは最高出力700ps、最大トルク753Nmを発生

 英国アストンマーティンは2022年8月19日(現地時間)、同ブランドの主力スポーツカーであるヴァンテージ(Vantage)に新しいオープントップモデルの「V12ヴァンテージ・ロードスター(V12 Vantage Roadster)」を設定し、世界限定249台で発売すると発表した。ただし、予想をはるかに上回る需要のため、予約受付はすでに終了して完売。ユーザーへの納車は本年第4四半期からを予定している。

▲アストンマーティン・V12ヴァンテージ・ロードスター スリリングなパフォーマンスとオープントップドライビングの自由でエモーショナルな刺激を組み合わせた特別限定モデル。販売台数は世界限定249台

▲アストンマーティン・V12ヴァンテージ・ロードスター スリリングなパフォーマンスとオープントップドライビングの自由でエモーショナルな刺激を組み合わせた特別限定モデル。販売台数は世界限定249台

 

 本年3月に世界限定333台で発売して、たちまち完売となったクーペモデルのV12ヴァンテージのオープントップ仕様となるV12ヴァンテージ・ロードスターは、パワーユニットにクーペモデルと同様の5.2リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボエンジンをフロントミッドにマウント。圧縮比は10.5に設定し、最高出力は700ps/6500rpm、最大トルクは753Nm/5500rpmを発生する。組み合わせるトランスミッションは、専用セッティングのZF製8速オートマチックギアボックスをリアミッドに搭載。リアドライブの駆動系にはメカニカルLSDやアロイトルクチューブ、専用カーボンファイバー・プロペラシャフト、ブレーキを使用したトルクベクタリング(TVB)などを組み込んで高出力化に対応する。性能面では、0→60mph(0-96km/h)加速が3.5秒、最高速度が322km/hを実現した。

▲パワーユニットには5.2リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボエンジンを搭載。最高出力は700ps/6500rpm、最大トルクは753Nm/5500rpmを発生

▲パワーユニットには5.2リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボエンジンを搭載。最高出力は700ps/6500rpm、最大トルクは753Nm/5500rpmを発生

▲トランスミッションには専用セッティングのZF製8速オートマチックギアボックスを採用

▲トランスミッションには専用セッティングのZF製8速オートマチックギアボックスを採用

 

 足回りに関してはV12ヴァンテージと同様、既存の前ダブルウィッシュボーン式/後マルチリンク式の懸架機構をベースに、強化したアンチロールバーやブッシュ、さらにスカイフックテクノロジー付アダプティブダンピングシステム(ADS)を採用。ADSはロードスター専用のチューニングを施し、合わせてステアリングのキャリブレーションもアップデートして、最高のコーナリング性能とハンドリングを実現した。一方、シューズにはサテンブラックまたはサテンブラック・ダイヤモンド切削仕上げの2タイプの専用21インチアロイホイールを設定。8kgの軽量化を果たす鍛造ライトウェイトホイールもオプションで用意する。タイヤは前275/35R21、後315/30R21サイズのミシュラン・パイロットスポーツ4 Sを装着した。そして制動機構には、カーボンセラミックブレーキ(CCB)を標準で装備。フロントにはΦ410mm×38mm厚ディスクと6ピストンキャリパーを、リアにはΦ360mm×32mm厚ディスクと4ピストンキャリパーを組み込む。さらに、エレクトリックパーキングブレーキも標準で採用した。

▲足回りには強化したアンチロールバーやブッシュ、さらに専用セッティングのスカイフックテクノロジー付アダプティブダンピングシステム(ADS)を組み込む

▲足回りには強化したアンチロールバーやブッシュ、さらに専用セッティングのスカイフックテクノロジー付アダプティブダンピングシステム(ADS)を組み込む

 

 エクステリアについては、オープンボディ化によるコクピット回りの補強を入念に行ったうえで、車体の軽量化も徹底追求。フロントバンパーやクラムシェルボンネット、フロントフェンダー、サイドシルにはカーボンファイバー材を、リアバンパーとデッキリッドには複合素材を採用し、さらに軽量タイプのバッテリーや厚さ1mmのステンレススチール材で仕立てたエキゾーストシステムなどを組み込んだ。

 デザイン面では、開口部を広げたフロントグリルやボンネットのホースシュー型エンジンベントなどを採用して、冷却効率をアップさせる。空力性能も重視し、フロント部ではカーボンファイバー製のフロントバンパーと呼応するフルワイドスプリッターを装着して、ダウンフォースの強化と空力パランスの最適化を実施。サイドビューでは、有機的な形状に仕上げたシングルピースシルを配して整流効果を高める。そしてリアセクションでは、V12ヴァンテージ専用設計のバンパーと一体型ディフューザーを組み込んで最適な前後空力バランスを確保。ディフューザー内にはセンターマウントの軽量2本出しエキゾーストシステムを配備した。また、格納したルーフが収まるキャビン後部のパネル面は空気がスムーズに流れるようにアレンジし、合わせて後端にはダウンフォースを高めるスポイラーを装備。キャビンへの風の巻き込みを抑えるディフレクターも組み込む。オプションで大型のリアウィングを選択することも可能だ。

▲フロントバンパーやクラムシェルボンネット、フロントフェンダーにはカーボンファイバー材を採用

▲フロントバンパーやクラムシェルボンネット、フロントフェンダーにはカーボンファイバー材を採用

▲専用設計のバンパーと一体型ディフューザーを組み込んで最適な前後空力バランスを確保

▲専用設計のバンパーと一体型ディフューザーを組み込んで最適な前後空力バランスを確保

 

 内包するインテリアは、既存のヴァンテージのスポーティかつ上質なコクピットを基調に、“ウィング”ロゴの刺繍とパフォレーションパターンを施したセミアニリンレザー表皮スポーツプラスシートを標準で装備。オプションでツイルカーボンファイバーシェルと6ウェイマニュアルアジャスト機構を組み込むカーボンファイバー・パフォーマンスシートを設定する。また、グロスブラックのトリムインレイやサテンシルバーのアクセント、インテリア同系色の本革巻きスポーツステアリングホイール、エッジベゼルを備えたロータリーおよび8インチのセンターディスプレイで構成するインフォテインメントシステムなどを標準で採用。ヘッドレスト後方には、安全性を高めるロールオーバーバーを組み込んだ。

▲キャビンへの風の巻き込みを抑えるディフレクターや安全性を高めるロールオーバーバーを配備

▲キャビンへの風の巻き込みを抑えるディフレクターや安全性を高めるロールオーバーバーを配備

▲“ウィング”ロゴの刺繍とパフォレーションパターンを施したセミアニリンレザー表皮スポーツプラスシートを装備

▲“ウィング”ロゴの刺繍とパフォレーションパターンを施したセミアニリンレザー表皮スポーツプラスシートを装備

 

 なお、アストンマーティンではV12ヴァンテージ・ロードスターに多様なオプションおよびオプションパッケージやアクセサリーを用意するほか、ユーザー独自の注文に応えるQ by Aston Martinによるビスポーク・パーソナライゼーションも提供するという。

 

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