【ネオクラシック体験隊】これぞ、まさに「小さな高級車」、大人を魅了するイタリアの名門、ランチアの魅力を凝縮したイプシロンの深世界!

2007年式ランチア・イプシロン1.4・16V イタリアの名門ブランド・ランチアの魅力を凝縮した“小さな高級車” 写真のボディカラーはB-COLOREと呼ばれる2トーン仕様 パワーユニットは1.4ℓ(95ps) 駆動方式はFF
2007年式ランチア・イプシロン1.4・16V イタリアの名門ブランド・ランチアの魅力を凝縮した“小さな高級車” 写真のボディカラーはB-COLOREと呼ばれる2トーン仕様 パワーユニットは1.4ℓ(95ps) 駆動方式はFF

2007年式ランチア・イプシロン1.4 16V(B-COLORE)  新車時価格:5SMT 267万7500円

ランチアは「高性能・高品質」でブランドを確立。イタリアの名門

 ランチアはイタリアの名門。1906年にレーシングドライバーとしても活躍したビンチェント・ランチアの手で創業され、「高性能・高品質」なクルマ作りでブランドを確立した。モノコックボディ、トランスアクスル・レイアウト、4輪独立サスペンション、5速MT、そしてV6エンジンなどは、ランチアが世界に先駆けて量産車に採用したメカニズムである。日本ではWRC(世界ラリー選手権)でのストラトスやデルタの活躍によって、モータースポーツ・イメージが強いが、実はランチアの真骨頂は、上質なクルマ作りにある。とくに1996年に誕生したイプシロン(Υ)以降は、「小さな高級車」として独自の世界を作り出した。

 今回の主役は、2003年にモデルチェンジした2ndイプシロン。各部が改良された後期型の2007年型で、ボディカラーは“B-COLORE“と呼ばれる2トーン仕様。エンジンは1.4ℓの直4DOHC16V(95ps/128Nm)を搭載している。トランスミッションはDFN(2ペダル式5速MT)。ちなみにDFNとはドルチェ・ファール・ニエンテ=何もしなくても良い甘美さの略。言い得て妙な何とも素敵な言い回しである。

個性的な造形はモダンにしてクラシカルな印象 全長×全幅×全高3780×1720×1530mm コンパクトサイズの利点で取り回し性は優秀
個性的な造形はモダンにしてクラシカルな印象 全長×全幅×全高3780×1720×1530mm コンパクトサイズの利点で取り回し性は優秀
電動アウタースライド方式のガラスサンルーフを取材車は装着
電動アウタースライド方式のガラスサンルーフを取材車は装着
サンルーフは閉じた状態でも開放的な雰囲気を演出
サンルーフは閉じた状態でも開放的な雰囲気を演出

優雅、快適、そしてスポーティ! 乗るほどに魅了される逸材

 スタイリングは超個性的。全長×全幅×全高3780×1720×1530mmのコンパクトサイズながら、センターグリル、磨き込んだラインが、独特の上品さを伝える。モダンにしてクラシカル。各部に往年の名車のディテールを散りばめた造形は、さすがイタリアンだ。一見ファニーな雰囲気だが、時間が経過するほど本物感を感じる不思議な魅力を秘めている。

 室内も素晴らしい。センター配置のオーセンティックなメーターと広いグラスエリアが開放的な雰囲気を演出する。感動するのはシートの完成度。デザインがお洒落なだけでなく座り心地も最高である。まるで高級ソファーのような優しい掛け心地で、サポート性も秀逸。抜群のカラーコーディネーションと相まって、独自の世界へと誘う。イプシロンの室内は、まさに味わう価値のある独自世界。ランチアが心地よさの意味を知り尽くしていることを実感した。

 走りも一級品だ。メカニズムそのものは、当時のフィアット・プントがベース。信頼性が高いものの、とくに凝った面はない。とはいえ足回りのしなやかさは絶妙。静粛性も全域ハイレベルだった。明らかにランチアの世界を確立している。しかもアクセルをワイドオープンするとイタリア車らしく元気になり、加速はなかなか活発。ワインディング路では楽しいハンドリングが味わえる。

 イプシロンには、名門ランチアの魅力が凝縮されていた。エレガントで快適、しかもスポーティである。多くのクルマを乗り継いだマニアこそ似合う本物。プレミアムコンパクトというキーワードがこれほど似合うクルマは珍しい。一度ステアリングを握ると、ずっと走っていたくなる逸材である。

足回りはしなやかな設定 乗り心地と楽しいハンドリングを両立 走りはランチアの世界
足回りはしなやかな設定 乗り心地と楽しいハンドリングを両立 走りはランチアの世界
1396cc直4DOHC16V  95ps/5800rpm 128Nm/4500rpm 意外にパワフルでしかも静粛 基本メカニズムはフィアット・プントと共通 各部の信頼性はハイレベル
1396cc直4DOHC16V  95ps/5800rpm 128Nm/4500rpm 意外にパワフルでしかも静粛 基本メカニズムはフィアット・プントと共通 各部の信頼性はハイレベル
取材車はopの195/45R16タイヤ+スポークアルミ装着 センターのランチアエンブレム入りセンターキャップがお洒落な印象
取材車はopの195/45R16タイヤ+スポークアルミ装着 センターのランチアエンブレム入りセンターキャップがお洒落な印象
インパネはセンターメーター仕様 上品なカラーリングと作りの良さが魅力 広いグラスエリアと高いルーフ高により開放感抜群 左ハンドルながら運転しやすい 取材車は社外ナビ装着
インパネはセンターメーター仕様 上品なカラーリングと作りの良さが魅力 広いグラスエリアと高いルーフ高により開放感抜群 左ハンドルながら運転しやすい 取材車は社外ナビ装着
シートはデザイン/快適性ともに最高 優しい座り心地は絶品 素材は本革とアルカンターラの組み合わせ 後席もくつろげる 乗車定員は4名
シートはデザイン/快適性ともに最高 優しい座り心地は絶品 素材は本革とアルカンターラの組み合わせ 後席もくつろげる 乗車定員は4名
メーターはアナログ形状 レタリングにも凝ったオーセンティックなデザイン 上質な印象
メーターはアナログ形状 レタリングにも凝ったオーセンティックなデザイン 上質な印象
トランスミッションは2ペダル式の5速MT 変速はなかなか巧み
トランスミッションは2ペダル式の5速MT 変速はなかなか巧み
ラゲッジスペースは後席スライドで拡大 シートバックは2分割形状になる
ラゲッジスペースは後席スライドで拡大 シートバックは2分割形状になる

ランチア・イプシロン 主要諸元の主要諸元と主要装備

グレード=1.4 16V(B-COLOR/2007年式)
新車時価格=5SMT 267万7500円
全長×全幅×全高=3780×1720×1530mm
ホイールベース=2388mm
トレッド =未公表
車重=1140kg
エンジン=1368cc直4DOHC16V(プレミアム仕様)
最高出力=70kW(95ps)/5800rpm
最大トルク=128Nm(13.0kgm)/4500rpm
10・15モード燃費=未公表(燃料タンク容量47リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=195/55R15+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=4名
最小回転半径=未公表
※価格は消費税込み

SNSでフォローする