受注好調、勝利のためのスポーツカー!トヨタの本気が凝縮したGRヤリスの衝撃パフォーマンス

トヨタGRヤリス1stエディション 価格:6MT 396~456万円 新車ニュース

20200110_01_02 (1).jpgトヨタGRヤリス1stエディションRZハイパフォーマンス 価格:6MT 456万円 1stエディション(写真のRZパフォーマンスとRZ)の予約が専用WEBサイトでスタート(6月30日まで) ボディは専用3ドア

開発コンセプトは「ストロングスポーツカー」、モータースポーツ直結で開発を推進

 量産車を用いたモータースポーツはベースとなる市販モデルの性能が重要となる。古くは「R32]」と呼ばれる日産スカイラインGT-R(19899年デビュー)がグループAレースで勝つために開発された経緯は有名だ。東京オートサロン2020で世界初公開されたGRヤリス(別名:ヤリスGR-FOUR)はズバリ「WRC(世界ラリー選手権)で勝つため」に生まれたモデルだ。

 GRヤリスは、トヨタのモータースポーツ活動とスポーツモデル開発を引き受ける、GRカンパニーが開発した。1999年に生産終了したセリカGT-FOUR以来、20年ぶりに復活したスポーツ4WDとなる。

 開発コンセプトは「ストロングスポーツカー」。具体的には
1)次期WRCホモロゲモデル
2)素のままでローカルラリーに勝てる実力を備える
3)誰でも買えるスポーツモデル
 という3つのキーワードが掲げられた。

 とはいえ、トヨタは20年の空白期間でスポーツ4WDの技術と技能を失っていた。それを短期間でリカバーするために、「モータースポーツから学ぶ」手法を選んだ。開発責任者の齋藤尚彦氏は「強いクルマ作りはWRCマシンの開発を行うTMR(トミ・マキネン・レーシング)、市販車では考えられない評価はレーシングドライバー、ラリードライバーから学んだ」と語る。

20200110_01_04 (1).jpgスタイリングはぐっと張り出したリアフェンダーが印象的 プラットフォームは前側が標準ヤリス用GAーB リア回りは上級車用GAーCを組み合わせた専用品

GRハイパフォーマンスとGRの先行予約スタート、受注好調!

 GRヤリスの世界初公開に合わせて初回限定モデル、1stエディションの予約が専用WEBサイトでスタート。グレードはRZ(396万円)とRZ「ハイパフォーマンス」(456万円)。夏ごろに予定されている発売直前まで開発は続けられるというが、現時点で明らかになっている事実を紹介していこう。

 エクステリアはベースのヤリスにはない3ドアボディを採用。その理由は5ドアに対して軽量化やボディ剛性面で有利になるからだ。実は単純にドアの枚数違いではなく、ボディ自体が専用だ。ルーフラインは空力を考慮した形状で全高は5ドアの1500~1530mmに対して1460mm。全幅は1805mm。前後トレッドは 86よりもワイドになり、フェンダーはワイド仕様になる。造形も寸法もすべて機能のためだという。担当デザイナーは「ヘッドライト以外は、ほぼ専用といってもいいかもしれません」と語っている。全長は3995mm。標準ヤリス比で 55mm長い。

 インテリアはインパネ形状など基本的な部分は標準ヤリスと共通。ステアリングとメーター、スポーツシートは専用だ。最大の特徴はシフトレバーの前に配置された、前後駆動力配分を調整するドライブモードスイッチだろう。JBL製オーディオシステム(RZハイパフォーマンス)や予防安全パッケージ、トヨタ・セーフティセンス(op)、大人が乗っても似合うインテリアコーディネートなど、日本のスポーツハッチが最も苦手だった部分も抜かりなしだ。

_DSC2848.jpgGRヤリスは現行WRCマシン(写真手前)後継モデルのホモロゲーションカー 勝利のために数々の先進テクノロジーを投入

新開発1.6リッター直3ターボ(272ps)搭載。駆動システムは電子制御多板クラッチ式

 パワートレーンは1.6リッターターボを搭載。GRヤリス用は新開発の直列3気筒。専用ブロック&ヘッド、ボールベアリングターボ、排気バルブ大径化などモータースポーツからフィードバックされた最新技術を投入。272ps/370Nmのハイパフォーマンスと、クラス最軽量/最小サイズを両立させた。トランスミッションは6速MT。素早いシフト操作での正確性に加えてダイレクトなフィールにもこだわった。また、カローラやC-HRで採用済みのシフトアップ/ダウン時にエンジン回転数を瞬時に合わせるiMT制御も搭載されている。

 注目のAWDシステムはシンプル&軽量なハイレスポンスカップリング(電子制御多板クラッチ式)タイプ。前後駆動力配分は3つのドライブモード(ノーマル60対 40/スポーツ30対70/トラック50対50)を基準に100対0~0対100までアクティブに制御。 RZハイパフォーマンスは前後にトルセンLSDが装着される。

 プラットフォームはGRヤリス専用。基本はフロント回りが標準のヤリスと同じGA-B、リアセクションはワンクラス上のGA-Cをドッキングしたものと考えると理解しやすい。齋藤氏は、WRCのレギュレーションに有利となるように「結果的にほぼ専用になっています」と語る。

20200110_01_06 (1).jpgインパネ基本形状は標準ヤリスと共通 本革巻きステアリングは専用小径スポーツタイプ インテリア加飾はスモークシルバー RZハイパフォーマンスはJBLサウンド標準

ルーフは軽量CFRP製。生産は専用GRファクトリーで熟練スタッフが担当

 ボディはマルチマテリアル構成。軽量化と低重心のためにボンネットとドアはアルミ製、ルーフはCFPE製(ローコストカーボン)になる。バッテリーのリア配置で重量配分の適正化を行った。

 サスペンションはフロントがストラット、リアはダブルウィッシュボーンの4輪独立。ブレーキは対向ブレーキキャリパー(フロント4ポッド/リア2ポッド)+大径ローター(フロント2ピース/リアドラムインディスク)。タイヤ(225/40R 18)&アルミホイールはRZハイパフォーマンスがミシュラン・パイロットスポーツ4SとBBS製鍛造の組み合わせ、RZはダンロップSPスポーツMAXX050にエンケイ製鋳造を装着する。

 生産は愛知県の元町工場に専用ラインのGRファクトリーを新設。タクトタイム600秒、ベルトコンベアなしで1台1台丁寧に熟練スタッフの手で生産される。

 WRカーのホモロゲーションを取得するには、ベースとなるモデルが連続した12カ月間に2万5000台の生産が必要。つまり、GRヤリスの購入は、トヨタガズーレーシングのWRC活動に間接的に協力することを意味する。

20200110_01_07 (1).jpgシートはサイドサポートを高めた形状 RZハイパフォーマンスの表皮は合成レザーとスエードのコンビ ヘッドレストはGRロゴ入り

20200110_01_12 (1).jpg新開発G16E-GTS型1618cc直3DOHC12V(272ps/370Nm)搭載 GR-FOURと呼ばれる4WDシステムはシンプル&軽量なハイレスポンスカップリング(電子制御多板クラッチ)式 前後駆動力配分は 60対40/ 30対70/50対50を基準に路面&走行状況に応じて変化

P1106165.JPGRZハイパフォーマンスは225/40ZR18ミシュランタイヤ+BBS製8J鍛造マットブラックアルミ標準

20200110_01_19 (1).jpgトランスミッションは6速MT 的確な回転制御を行うiMT機構搭載

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20200110_01_11 (1).jpg1stエディションはRZハイパフォーマンス(456万円)とRZ(386万円)の2グレード構成 違いはタイヤ&ホイールとトルセンLSDの有無など エンジンなどの基本メカニズムは共通 ボディカラーはエモーショナルレッド2(写真左)/プレシャスブラックパール(同右)/プラチナホワイトパール/スーパーホワイト2の4色 GRヤリスはCVT仕様も開発進行中

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※クリックすると拡大しま!cid_6276DBF0-09AB-4CC1-8C69-57FBA0E3A944.png※クリックすると拡大します

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IMG_2015.JPGGRヤリスをベースにしたプライベートマシンの参考車

タイトルカットP1106175.JPGフロントマスクはGRモデル共通イメージ 全幅は1805㎜ 標準ヤリス比110㎜ワイド

カット△20200110_01_01 (1).jpg

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