【祝・2025−2026日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞】SUBARUフォレスターの実力を日本最北端のテストコースで確認

2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたSUBARUフォレスター

 第46回となる今年の2025−2026日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)はSUBARUフォレスターが受賞した。スバルとしてはレヴォーグ(第41回、2020年)以来の本賞獲得である。フォレスターは安全性能の追求や、4WDの走行性能はハイブリッド技術などが高く評価されての栄誉獲得だった。北海道のテストコースでフォレスターに試乗し、その特徴と実力をあらためて確認した。また、弊誌が推薦するCOTY選考委員はフォレスターをどのように評価しているのか。試乗レポートに続けてご紹介する。

左はSPORT EX/右はPremium S:HEV EX。SPORTのパワートレーンはは1.8リッターターボ、その他は2.5リッターハイブリッド

 

 

最北端のテストコースで【SUBARUフォレスター】の実力をあらためて確認

試乗車/Premium S:HEV EX、SPORT EX
価格/404万8000~459万8000円

 フォレスターには、これまでサーキット、オフロード、一般道など多彩なシーンで試乗してきた。今回、本格的な冬が到来する直前の北海道でドライブする機会に恵まれた。試乗の舞台は公道と、美深のSUBARUテストコースである。

 旭川空港から、まずはストロングハイブリッドのプレミアムS:HEVをドライブ。クリーンな視界により見晴らしがよく。とにかく乗りやすい。乗り心地も快適で、動きが落ち着いている。インフォテインメイト系の階層も整理され使いやすい。

 S:HEVもいい仕事をしている。あらためて乗っても好印象はそのまま。加減速が的確にコントロールできて、まさに意のままに走る。しかもスバル車らしい味わいがある。ハイブリッドでは、ボクサーエンジンの“味”が薄れそうだが、できるだけそうならないよう、「効率を追求しながらも工夫した」というエンジニアの言葉どおりだ。WLTCモードで18.4㎞/リッターの好燃費と、走りが実感できるフィールの融合は見事だ。車両重量はそれなりだが、その重さが“落ち着いた快適な乗り味”につながっているのもいい。

 1.8リッターターボを積むスポーツに乗り換えると雰囲気は一変。軽快なドライブ感覚とターボらしい伸びやかさが相変わらず楽しい。足回りはやや引き締まった設定。最初のうちはプレミアムに比べて少し硬いなと感じたものの、乗っているうちにあまり気にならなくなっていく。スポーツは運転好きにぴったりのモデルである。

今年の1台に評価された理由はひとつではない

 日本最北端にあるテストコースという美深に到着。前日に降ったという雪がところどころ残った未舗装のハンドリングコースで、スポーツとX-BREAK S:HEVを乗り比べる。X-BREAKはプレミアムと違って19インチではなく18インチタイヤを装着する。 コースではこうした路面でのハンドリングとX-MODEの効果を試した。全開ではなく、あくまで安心して安全に走れることの確認だ。しっかり路面を捉える感覚とイメージどおりに操れる点がうれしい。ハイブリッドのほうがモーターの効果だろう。低速域のトルクをコントロールしやすい。

 悪路や雪道で有効なX-MODEは20km/h以下で作動する。スバルでは現行レヴォーグから、減速時でもリアに駆動力を配分。マイナス側の力を発生させることで、より舵が利くようにする制御を導入したという。フォレスターもそれは同様。ただしレヴォーグでは、その制御を積極的にスポーティな走りに活用しているのに対し、フォレスターではより安定して走れるように味付けしたという。実際にも、まさにそれを体感した。フォレスターのしっかりとした味わいは、道を選ばない。

 最後に管理棟でスバルがこだわる「0次安全」に関する詳しい解説を受け、実際に座って確認したのち、総合路ではドライバー異常時対応システムがどのように機能するのかを試すこともできた。今回の北海道プログラムで感じたのは、新型フォレスターがスバルらしいこだわりを持って開発されている事実。こだわりが高い完成度の源泉になっている。

 今回のCOTY受賞は、それが多くの選考委員にも伝わり高い評価につながったに違いない。

【0次安全】

SUBARUは安全の基本として、全モデルで良好な視界を実現。新型フォレスターはインパネがフラット形状になり、ドライバーの視線の延長線上にボンネットフードが重なる。

サイドも開けていて車両感覚が把握しやすい。ワイパーブレードが視界に入らないように工夫されている点も好評。斜め後方の視界も高水準だ

 

【つながる安全】

 

新型はコネクティッド技術による“つながる安全”がプラスされた。事故やトラブル時に24時間365日、コールセンターとつながり、安心・安全を届ける。また長時間ハンドルが操作されないなど、異常が生じたと判断した場合は、自動で減速・停止と周囲への警告。コールセンターに自動接続。迅速なサービスが可能に

弊誌推薦の選考委員によるCOTY評価コメント

岡本 幸一郎「ドライバビリティや燃費にも優れユーザーへの期待に大いに応えている」

 COTYでは「その年を象徴する何かを持っているクルマ」をテーマに評価するよう心がけています。新型フォレスターはこれまでも信頼されてきた部分を受け継ぎつつ、2025年ならではの新しい要素を取り入れて大きく進化しています。完成度は高く、内外装もまるで車格が上がったかのような質の高さが伝わってきます。とくに新顔のS:HEVの仕上がりが上々。ドライバビリティや燃費にも優れユーザーへの期待に大いに応えていることは、市場での高い評価が証明しています。フォレスターの歴史においてもひとつの節目になるモデルだと思います。(出典:日本カー・オブ・ザ・イヤー公式サイト)

西川 昇吾「価格は高くなったが、各種標準装備化が進み実質的な値上がり幅は小さいといえる」

 ストロングハイブリッドは燃費にも貢献していますが、モーター駆動によるオフロードでのトラクション性能などフォレスターらしいタフな性能向上にもプラスをもたらしているのが好印象でした。  価格は高くなりましたが、各種標準装備化が進み実質的な値上がり幅は小さいといえます。低燃費かつオフロード性能も高く、装備が充実したモデルが400万円台前半から買えること、そして何よりこのモデルが売れてスバルが活気づいていることが素晴らしいです。(出典:日本カー・オブ・ザ・イヤー公式サイト)

SUBARUフォレスター フォトギャラリー

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