ホンダは10月24日、ヴェゼルにe:HEV RS(374万8800〜396万8800円)を新設定し発売した。RSは「URBAN SPORT VEZEL」をコンセプトに掲げるスポーティSUVである。
エクステリアは専用グリルとバンパーモールディング、RSエンブレムで精悍さを強調、ブラック基調の室内は、レッドステッチの本革巻きステアリングとシフトノブを装着。プライムスムースとスエードのコンビシートにもレッドステッチが入る。ハイライトは足回り。専用チューニングのローダウンサスを採用。車高を1545mmに抑え一般的な立体駐車場に対応した。パワートレーンは1.5ℓエンジン+モーターのe:HEV。駆動方式はFFと4WDから選べる。
実際にRSを見て実感したのは、力強さ。ボディ同色からブラック仕上げに変更されたグリルにより表情に存在感が増し、専用ローダウンサスペンションと、ダーククロームメッキ加飾が追加された前後バンパー&ドアロアガーニッシュが安定したプロポーションを訴求する。足元のアルミもブラック基調。今までのヴェゼルはジェントルな印象が強かったが、RSは走りのイメージが強い。レッドステッチを効果的に配したインテリアも精悍な印象でまとめられている。
ちなみに標準Zグレード比で45mm低くなった車高の内訳は、ローダウンサスペンション分が−15mm、アンテナ変更分が−30mm。RSのアンテナはヴェゼル初のリアガラスプリント方式を採用。その結果、ルーフラインがクリーンとなると同時に、一般的な立体駐車場に対応した。ボディサイズは4365×1790×1545mm。全長がZ比で45mm長くなったのは、専用バンパーの影響。最低地上高はFFが180mm、4WDは165mmとなる。
メカニズム面はローダウンサスペンションと、電動パワーステアリングのセッティング変更で意のままの走りを追求。開発陣は「高速道路での安定した走りと、ワインディングでの軽快さを実現した自慢の足」と胸を張る。ローダウンサスペンションはスプリング変更とダンパーの特性変更がポイントで、快適性を損なわない範囲で、気持ちのいいハンドリングを追求したという。ちなみにタイヤはFF、4WDともにミシュランが装着される。
1.5リッターエンジンとモーターで構成するe:HEVシステムは、標準モデルと共通。もともと現行ヴェゼルは、洗練された走りに定評がある。開発陣は、「高い完成度の持ち主だけに、あえて手をつけなかった」と説明してくれた。RSグレードへの4WD設定は、今回が初。ヴェゼルの4WDは、雪道はもちろん、雨天などでも走りの安定性を高める高い機能性の持ち主だ。積雪地域のオーナーはもちろん、オールラウンドな走りのレベルアップを求めるユーザーにとっても4WDが選べるのは朗報といえる。
ボディカラーは、プレミアムクリスタルレッドメタリックをはじめ、スレートグレーパール、シーベッドブルーパールなど全5色を用意。すべてモノトーンで2トーンカラーの設定はない。
価格は、FFが374万8800円、4WDは396万8800円。ヴェゼルとしては高価だが、RSはホンダコネクトナビなどを含め、装備は充実。トータルで見てコストパフォーマンスはハイレベルといえる。最大のライバルは、カローラクロスのGRスポーツ(389万5000円)だろうか。あちらは2リッターHEVシステムを搭載し、足元は19インチ。どちらも甲乙つけ難い魅力的なスポーツSUVである。
