フォルクスワーゲンの次世代電動コンパクトSUVのコンセプトモデル「ID. CROSS Concept」が初公開

フォルクスワーゲンが次世代のエントリーレベル電動コンパクトSUVのコンセプトモデル「ID. CROSS Concept」を発表。進化を遂げたモジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス(MEB+)を採用したうえで、クリアで本物志向、かつタイムレスで好感が持てる新しいフォルクスワーゲンのデザイン言語“ピュアポジティブ”を体現。量産バージョンの市場への投入は2026年を予定

 独フォルクスワーゲンは2025年9月8日(現地時間)、ドイツのミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2025」において、次世代の電動コンパクトSUVのコンセプトモデル「ID. CROSS Concept(アイディ. クロス コンセプト)」を披露した。

▲フォルクスワーゲンが次世代の電動コンパクトSUVのコンセプトモデル「ID. CROSS Concept」を公開

▲フォルクスワーゲンが次世代の電動コンパクトSUVのコンセプトモデル「ID. CROSS Concept」を公開

 フォルクスワーゲンの電気自動車シリーズである「ID.」ファミリーに加わる新しい電動コンパクトSUVのコンセプトモデル「ID. CROSS Concept」は、既存のコンパクトSUVである「T-Cross(ティークロス)」クラスの手頃な価格の電動エントリーSUVに位置。次世代へと進化を遂げたモジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス(MEB+)を採用したうえで、クリアで本物志向、かつタイムレスで好感が持てる新しいフォルクスワーゲンのデザイン言語“ピュアポジティブ”を体現したことが特徴である。

▲ID. CROSS Conceptは既存のコンパクトSUVである「T-Cross」クラスの手頃な価格の電動エントリーSUVに位置

▲ID. CROSS Conceptは既存のコンパクトSUVである「T-Cross」クラスの手頃な価格の電動エントリーSUVに位置

 まずエクステリアは、フォルクスワーゲンの3つのデザイン基盤である安定感、親しみやすさ、独自性に基づいた新しいデザイン言語“ピュアポジティブ”をテーマに、純粋かつ力強く明確なライン、視覚的な安定感、そしてポジティブで親しみが持てるスタイリングを形成する。各部のアピアランスにもこだわり、フロントマスクは新アレンジのグラフィックスと3DのLEDライトシグネチャーにより、クルマが微笑んでいるような親しみやすい顔を創出。フロントフェンダーへと流れるように連なるバンパーや、ブラックで仕立てるとともにベージュのアクセントを配したフロント下部なども印象的だ。一方でサイドビューは、直線基調でブラックアウトしたウィンドウラインに片側3連スリットのアクセントを組み込んだCピラー、ブラックのホイールアーチおよびサイドエクステンションなどを装備して、SUVらしい力強さとスポーティさを具現化する。足もとには“バルボア”と称する専用21インチアルミホイールに、グッドイヤーと共同開発した、サイドウォールにリムのデザインを反映させた専用の235/40R21タイヤを装着した。そしてリアビューは、台形フォルムを基調に片側2連(左右で四連)のスクエアな3D-LEDランプとホリゾンタルLEDストリップ、リアフェンダーのラインから連なるバンパー、フロントと同様にベージュのアクセントを配したディフューザー部などを装備して、先進的かつ安定感のある後ろ姿に仕立てる。ルーフ部にデザイン拠点を示す“DESIGNED IN WOLFSBURG”のレタリングを入れたこともトピックだ。ボディサイズは全長4161×全幅1839×全高1588mm/ホイールベース2601mmと、現行のT-Cross(全長4140×全幅1760×全高1575mm/ホイールベース2550mm)に比べて少しだけ大きい外寸に設定している。

▲エクステリアはフォルクスワーゲンの3つのデザイン基盤である安定感、親しみやすさ、独自性に基づいた新しいデザイン言語“ピュアポジティブ”をテーマに、純粋かつ力強く明確なライン、視覚的な安定感、そしてポジティブで親しみが持てるスタイリングを構築。ボディサイズは全長4161×全幅1839×全高1588mm/ホイールベース2601mmに設定

▲エクステリアはフォルクスワーゲンの3つのデザイン基盤である安定感、親しみやすさ、独自性に基づいた新しいデザイン言語“ピュアポジティブ”をテーマに、純粋かつ力強く明確なライン、視覚的な安定感、そしてポジティブで親しみが持てるスタイリングを構築。ボディサイズは全長4161×全幅1839×全高1588mm/ホイールベース2601mmに設定

▲フロントマスクは新アレンジのグラフィックスと3DのLEDライトシグネチャーにより、クルマが微笑んでいるような親しみやすい顔を演出

▲フロントマスクは新アレンジのグラフィックスと3DのLEDライトシグネチャーにより、クルマが微笑んでいるような親しみやすい顔を演出

▲直線基調でブラックアウトしたウィンドウラインに片側3連スリットのアクセントを組み込んだCピラーを採用

▲直線基調でブラックアウトしたウィンドウラインに片側3連スリットのアクセントを組み込んだCピラーを採用

▲ルーフ部にデザイン拠点を示す“DESIGNED IN WOLFSBURG”のレタリングを刻印

▲ルーフ部にデザイン拠点を示す“DESIGNED IN WOLFSBURG”のレタリングを刻印

▲足もとには“バルボア”と称する専用21インチアルミホイールに、グッドイヤーと共同開発した、サイドウォールにリムのデザインを反映させた専用の235/40R21タイヤを装着

▲足もとには“バルボア”と称する専用21インチアルミホイールに、グッドイヤーと共同開発した、サイドウォールにリムのデザインを反映させた専用の235/40R21タイヤを装着

 内装については、心地よいオアシスをイメージして設計する。布張りの表面などは、優れた素材の品質と感触を活かして採用。また、照明や音響、空調モードを統合制御した“Atmospheres(アトモスフィア)”により、バニラチャイと称するカラー(温かみのあるベ ージュ)で仕立てたインテリアを、最高の快適性を提供するラウンジへと変身させる。さらに、スクリーン上の植物のモチーフと、視覚的に浮かんでいるように見えるセンターコンソールに配置された本物の植物によって、乗員の心地よさをいっそう際立たせた。今回のコンセプトカーのために特別に設計された、ソファーのようなシートも注目ポイント。快適な座り心地を実現するとともに、完全に折り畳むことができ、VW Busのようなリクライニング エリアの形成も可能としている。

▲心地よいオアシスをイメージして設計したインテリア。布張りの表面などは、優れた素材の品質と感触を活かして採用。照明や音響、空調モードを統合制御した“Atmospheres(アトモスフィア)”も装備

▲心地よいオアシスをイメージして設計したインテリア。布張りの表面などは、優れた素材の品質と感触を活かして採用。照明や音響、空調モードを統合制御した“Atmospheres(アトモスフィア)”も装備

▲フローティングタイプのセンターアームレストを装備。センターコンソールには本物の植物を配置する

▲フローティングタイプのセンターアームレストを装備。センターコンソールには本物の植物を配置する

▲今回のコンセプトカーのために特別に設計された、ソファーのようなシートを装着。完全に折り畳むことも可能

▲今回のコンセプトカーのために特別に設計された、ソファーのようなシートを装着。完全に折り畳むことも可能

 考え抜いた人間工学と直感的な操作性を備えた革新的なコクピットを具現化した点も見逃せない。直感的なメニュー構成のディスプレイ、自然なボイスコントロール、各種機能を直接操作できる物理スイッチをトータルでデザインすることで、調和のとれた相互作用を実現。また、分かりやすいボタンコントロールを備えた新設計のマルチファンクションステアリングホイールも装備する。さらに、11インチのデジタルメーターと13インチのインフォテイメントシステム センタータッチディスプレイはドライバーの視覚軸上に配置して、使い勝手と視認性を向上させた。

 パッケージングの面では、新機軸のMEB+を活かした革新的な設計により、5名の乗員にとって非常に広く、かつ快適で風通しの良いキャビン空間を構築する。積載性も重視し、ラゲッジ容量はクラス平均を上回る450リットル(後席使用時)を確保。ボンネット下のフランクには、25リットルの追加スペースを設置した。

▲11インチのデジタルメーターと13インチのインフォテイメントシステム センタータッチディスプレイはドライバーの視覚軸上に配置

▲11インチのデジタルメーターと13インチのインフォテイメントシステム センタータッチディスプレイはドライバーの視覚軸上に配置

 注目のパワートレインは、フロントアクスルに最高出力155kW(211ps)を発生する電気モーターと、サンドイッチ構造のフロアにフラットに配置する駆動用リチウムイオンバッテリー、進化版のソフトウェアを配して前輪を駆動。一充電航続距離は欧州WLTPモードで最大420kmを目標とする。また、ボールカップリングを採用するなどしてe-バイク2台を輸送するのに十分な75kgの牽引荷重に対応。トレーラーの最大重量は1200kg(ブレーキ付き、勾配8%)を確保している。

▲次世代へと進化を遂げたモジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス(MEB+)のプラットフォームに、最高出力155kW(211ps)を発生する電気モーターと、サンドイッチ構造のフロアにフラットに配置する駆動用リチウムイオンバッテリー、進化版のソフトウェアなどで構成する前輪駆動のパワートレインを搭載

▲次世代へと進化を遂げたモジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス(MEB+)のプラットフォームに、最高出力155kW(211ps)を発生する電気モーターと、サンドイッチ構造のフロアにフラットに配置する駆動用リチウムイオンバッテリー、進化版のソフトウェアなどで構成する前輪駆動のパワートレインを搭載

 なお、ID. CROSS Conceptは、「ID.2 all(アイディ. 2 オール)」の量産バージョンとなる「ID. Polo(アイディ. ポロ)」、「ID. GTI Concept(アイディ. GTIコンセプト)」の量産バージョンとなる「ID. Polo GTI(アイディ. ポロGTI)」に続き、量産バージョンの「ID. CROSS(アイディ. クロス)」として2026年から市場に導入される予定。さらに、本年3月に公開されたID. Poloの1クラス下に位置する「ID. EVERY1(アイディ. エブリイ1)」の量産バージョンは、2027年に市場デビューを果たす計画である。

▲ID. CROSS ConceptはID. Polo(写真・右)、ID. Polo GTI(同・左)に続き、量産バージョンのID. CROSSとして2026年から市場に導入される予定

▲ID. CROSS ConceptはID. Polo(写真・右)、ID. Polo GTI(同・左)に続き、量産バージョンのID. CROSSとして2026年から市場に導入される予定

 

 

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