TOYOTA GAZOO Racing WEC2019-20年シーズン開幕戦を1-2フィニッシュで飾る

 TOYOTA GAZOO Racingは、2019-2020年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦シルバーストーン4時間レースを1-2フィニッシュという完璧な結果で終え、順調なシーズンスタートを切った。優勝はTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)がポール・トゥ・ウインを飾った。

01_WEC_2019-2020_Rd.1_330.jpg▲TOYOTA GAZOO Racing WECシーズン開幕戦を1-2フィニッシュで飾る

 9月1日、イギリス・シルバーストーンにはこの週末を通して5万人近い観衆が集まった。最初に7号車のステアリングを握り、ポールポジションからスタートを切ったコンウェイは、レース序盤、8号車のブエミを抑えて首位をキープ。しかしながら不運なタイミングで出されたフルコースイエローにより、一旦はライバルのレベリオンの先行を許す形となった。しかし、レース再開後に一回目のピットインで順位を入れ替えた8号車と7号車は、数周後にレべリオンをオーバーテイク。TOYOTAは首位と2位の座を奪還した。

04_WEC_2019-2020_Rd.1_342.jpg▲レースはめまぐるしく変わる天候(ブリティッシュウェザー)とも戦いながら、熱い戦いを繰り広げられた

 レースはスタートから1時間半を過ぎた頃、急な雨に見舞われた。2台のTS050 HYBRIDは当初、予定外のピットインを嫌って、スリックタイヤのまま走行を続けたが、路面は急速にヘビーウェットコンディションになっていき、2台はウェットタイヤへと交換した。ここで再度3号車レベリオンがトップに返り咲く。

12_WEC_2019-2020_Rd.1_260.jpg▲7号車(マイク・コンウェイ選手/小林可夢偉選手/ホセ-マリア・ロペス選手組)

 今回のレースではピットストップが大きな要素となり、TOYOTA GAZOO Racingはタイヤ交換で貴重な数秒を稼ぐことができた。今季の規則改定によりTS050 HYBRIDの給油時間の優位性は無くなり、ライバルのジネッタ及びレベリオンも、それぞれトヨタよりも50%、61%多くの燃料を給油するにもかかわらず、同じ時間で給油できるように調整されたことが背景だ。

09_WEC_2019-2020_Rd.1_294.jpg▲レース中盤、ライバルを交わし再びトヨタ同士の争いに

 2度目のセーフティカーランからリスタートとなった直後、可夢偉とハートレーはライバルをかわしてトップ2に返り咲いた。8号車のハートレーはワイパーのトラブルに見舞われ、修理で数秒失いながらも首位を維持していたが、レース折り返しをすぎたころには7号車の小林が8号車をパスして首位に。その後、7号車がトップの状態でアンカーのロペスにバトンタッチする。8号車もハートレーから一貴にバトンを渡す。レース後半戦は、セーフティカーの導入によりトップ3台は接近したものとなった。

 23分間でセーフティカーが退去しレースは再スタート。2台のTS050 HYBRIDは1-2体制で3位のレベリオン3号車との差を広げていき、その後、3号車はペナルティを受けたため上位2台との差は約1分に広がった。

 その後も2台のTS050 HYBRIDによる首位争いは続き、7号車の小林と8号車ハートレーは何度もポジションを入れ替えながらのバトルを展開。そして最後の1時間、7号車がロペス、8号車が中嶋へ交代してからも2台は僅差の1-2体制で周回を重ねていった。

 首位で7号車のバトンを受け取ったロペスは、次々に現れる周回遅れをかわしながらその座を守りきり、トップでチェッカー。最後まで猛追を見せた8号車の中嶋は、わずか1.9秒差での2位で続き、TOYOTA GAZOO Racingは2019-2020年シーズンの開幕戦を1-2フィニッシュという最高の結果を飾った。

06_WEC_2019-2020_Rd.1_394.jpg▲7号車がピットストップ6回と129周のレースを制しポールトゥウィン。ファステストラップ は1分37秒289だった

 地元、英国出身のマイク・コンウェイと小林 可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名が駆るTS050 HYBRID 7号車は、改定されたレギュレーションにより、ライバルよりも99kg重い車両ながらも、ポールポジションからスタートを切り、チームに取って6戦連続となる勝利を飾った。

02_WEC_2019-2020_Rd.1_255.jpg▲チーム代表村田 久武氏「ライバル達と非常に接戦を制することができた。次戦富士にも期待」

■村田 久武 TOYOTA GAZOO Racing WECチーム代表
新しいシーズンに、最高のスタートが切れました。天候が急変した難しいレースで1-2フィニッシュを飾ることが出来、ファンの皆様には楽しんでもらえたかと思います。チームは素早いタイヤ交換でライバル達に対してタイムを稼ぎ、ドライバー達は難しいコンディションでも冷静でした。今シーズンは事前の予想通り、LMP1のライバル達と非常に接戦となっています。サクセス・ハンディキャップが初めて導入される次戦の富士ではさらなる激戦が期待されます。ファンの皆様には、今後激しさを増すLMP1のレースを、シーズンを通してますます楽しんでいただければと思います。

15_WEC_2019-2020_Rd.1_336.jpg▲小林 可夢偉(7号車)「この週末を通してTS050 HYBRIDは最高の仕上がりだった」

■小林 可夢偉(7号車)
この結果は本当に嬉しいです。完璧なシーズンスタートを切ることができました。私自身のスティントは雨に見舞われたため大変でした。降雨の時間は短いのではないかと考えてスリックタイヤのまま走り続けましたが、予想以上に雨は激しく、かつ長く降ることとなり、ピットインせざるを得ませんでした。8号車とは、接近戦ながらフェアなバトルが出来ましたし、チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれました。この週末を通してTS050 HYBRIDは最高の仕上がりでしたし、ペースも良かったので、次戦富士が楽しみです。

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▲中嶋 一貴(8号車)「表彰台の中央にまた上ることを目指す」

■中嶋 一貴(8号車)
チームの全員、特に優勝した7号車のクルー、おめでとうございます。とても難しいコンディションの中本当に良いレースをしたブレンドンと可夢偉は称賛に値します。彼らの走りはとても素晴らしかったです。我々8号車のレースペースも良かったのですが、残念ながら自分の最初のスティントで少しタイムロスしました。開幕戦が終わった今、富士でのホームレースを楽しみにしていますし、表彰台の中央にまた上ることを目指します。

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