ポルシェ911オーナーにとって「9月11日」は特別な記念日。今年は千葉県・木更津の「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」で911の祭典「911 Night Mission」が開催された。
ポルシェの卓越したポテンシャルを知り、体験する場であるエクスペリエンスセンターに、911が集い、午後9時11分に、コース上をパレードする企画である。当日は901型から最新の992型まで8世代にわたる911、合計133台が参集した。
参加者は、昔、父親が所有していた1973年のナローを手に入れた方や、子供の頃からポルシェに乗るのが夢で、それを実現した方、通勤からスキーまで年間1万5000kmほど走り、空冷ポルシェを満喫されている方、親子3代にわたって911を愛する方、911購入を機に人との繋がりが広がり、人生が豊かになった方、GT3RSでサーキット走行を満喫している方、3年待って、やっとタルガ4GTSが納車された方などさまざま。とはいえ、911を愛する心は共通である。ポルシェ911は、長い歴史の中でさまざまなヒストリーを紡いできたスポーツカーの代表。それだけにオーナーの思いは熱い。
6時半にドアオープンし、7時からイベントがスタート。まずはポルシェ・ジャパンのフィリップ・フォン・ヴィッツエンドルフ社長が、日本に上陸したばかりの992・II型のカレラ・クーペをアンベール。それに続き、プロダクト&サービス部マネージャーのマイケル・ゴルスラー氏が、その詳細を説明した。
992II型は、GTSがe-Hybridと呼ばれるシステムを組み込んだ電動スポーツに進化。3リッター・フラットシックス・シングルターボは、電動ターボ機構によりターボラグなしの圧倒的なレスポンスを実現する。さらに緻密な回生システムによってエネルギー効率を改善。ハイブリッド化にともなう重量増を実質25kgに抑えたのも特徴という。さらにベースモデルのカレラは従来のGTS用ターボとターボグレード用のインタークーラーの採用でパフォーマンスを増強したと説明。「最新が最善」という911のポリシーを再認識させた。
その後、モータージャーナリストの岡崎五郎氏と藤島知子さんがトークセッションを展開。岡崎氏は大学生時代から911に親しみ、現在はタルガの納車待ち。「911は一回乗ると離れられなくなるクルマ。スポーツ性とエクスクルーシブ性、そして毎日乗れる実用性を兼備した世界で唯一の存在」という言葉が印象的だった。
メインイベントのパレードランは、意外に早くやってきた。9時を過ぎると駐車場に待機していた911のエンジンに火が入り、スタッフの誘導の元、コースに移動。133台の911が隊列を組むまでには10分ほどの時間を必要とした。そして独特のサウンドを響かせながらコースをゆっくりパレード。漆黒の闇の中、911が隊列を組んで進む姿は印象的だ。911が特別なクルマであることを改めて再認識させた。