日産がEV時代のGT-Rを示唆する高性能スーパーカーの「ハイパーフォース」をジャパンモビリティショー2023で公開

日産がジャパンモビリティショー2023においてEVコンセプトカーの第5弾となる「ハイパーフォース(Hyper Force)」を発表。将来のGT-Rの姿を彷彿させる先進のハイパフォーマンスカーデザインに、全固体電池と最高出力1000kWの高出力モーター、進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を最適な重量バランスで搭載

 日産自動車は2023年10月25日、ジャパンモビリティショー2023においてEVコンセプトカーの第5弾「ハイパーフォース(Hyper Force)」を発表した。

▲日産がジャパンモビリティショー2023にEVコンセプトカーの第5弾「ハイパーフォース」を出展。究極のドライビングプレジャーを追求しながら、高い環境性能と日常での快適性を兼ね備えた次世代の高性能スーパーカーとして企画する

▲日産がジャパンモビリティショー2023にEVコンセプトカーの第5弾「ハイパーフォース」を出展。究極のドライビングプレジャーを追求しながら、高い環境性能と日常での快適性を兼ね備えた次世代の高性能スーパーカーとして企画する

 

 EV時代のGT-Rを彷彿させる姿で登場したハイパーフォースは、究極のドライビングプレジャーを追求しながら、高い環境性能と日常での快適性を兼ね備えた次世代の高性能スーパーカーとして企画。パワートレインには全固体電池と最高出力1000kWを発生する高出力モーター、進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を最適な重量バランスで搭載し、強力なダウンフォースを生み出す空力設計や高強度カーボンを活用した軽量化車体と合わせて、サーキットやワインディングロードで今までにないコーナリング性能と卓越した操作性の実現を想定する。

▲パワートレインには全固体電池と最高出力1000kWを発生する高出力モーター、進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を最適な重量バランスで搭載

▲パワートレインには全固体電池と最高出力1000kWを発生する高出力モーター、進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を最適な重量バランスで搭載

 

 エクステリアに関しては、低くワイドに構えたスタンスを基調に、なめらかな曲線とボディパネルの大胆な幾何学模様をシームレスに融合させたデザインによって、高いパフォーマンスを予感させるルックスを創出。フロントデザインやキャビンシルエット、リアコンビネーションランプなどには、日産のハイパフォーマンスカーのデザインDNA を最新のアレンジで織り込んだ。

▲低くワイドに構えたスタンスを基調に、なめらかな曲線とボディパネルの大胆な幾何学模様をシームレスに融合させたデザインによって、高いパフォーマンスを予感させるルックスを創出。ドアは前ヒンジを配したシザーズタイプ

▲低くワイドに構えたスタンスを基調に、なめらかな曲線とボディパネルの大胆な幾何学模様をシームレスに融合させたデザインによって、高いパフォーマンスを予感させるルックスを創出。ドアは前ヒンジを配したシザーズタイプ

 

 一方、強力なダウンフォースを生み出す空力設計はNISMOレーシングチームと共同して開発。フロントボンネット下に2段に分かれた空力構造を採用することで、強力なダウンフォースと高い冷却性能を高次元で両立させる。また、ドアウィンドウ後方から取り入れた空気はリアトランク上部で整流し、日産として新たに採用した二重構造ディフューザー(特許出願中)と合わせて、車体の前方から後方にかけての空気の流れを最適化。さらに、フロントカナード、フロントフェンダーフリップ、リアウイング両端に採用した独自のアクティブエアロ機能に加え、新開発のプラズマアクチュエーター(特許出願中)が空気の剥離を抑制することで、コーナリング時の内輪のリフトを効果的に抑えながらグリップ力を最大化した。そして、立体感のある特徴的なデザインを採用するとともに、軽量かつ高強度のカーボンファイバー材で仕立てたホイールが、空力とブレーキ冷却性能の両方を高めている。

▲強力なダウンフォースを生み出す空力設計はNISMOレーシングチームと共同で開発。フロントボンネット下に2段に分かれた空力構造を採用することで、強力なダウンフォースと高い冷却性能を高次元で両立させる

▲強力なダウンフォースを生み出す空力設計はNISMOレーシングチームと共同で開発。フロントボンネット下に2段に分かれた空力構造を採用することで、強力なダウンフォースと高い冷却性能を高次元で両立させる

▲ドアウィンドウ後方から取り入れた空気はリアトランク上部で整流し、二重構造ディフューザーと合わせて車体の前方から後方にかけての空気の流れを最適化

▲ドアウィンドウ後方から取り入れた空気はリアトランク上部で整流し、二重構造ディフューザーと合わせて車体の前方から後方にかけての空気の流れを最適化

▲フロントカナード、フロントフェンダーフリップ、リアウイング両端に採用した独自のアクティブエアロ機能に加え、新開発のプラズマアクチュエーターが空気の剥離を抑える

▲フロントカナード、フロントフェンダーフリップ、リアウイング両端に採用した独自のアクティブエアロ機能に加え、新開発のプラズマアクチュエーターが空気の剥離を抑える

▲軽量かつ高強度のカーボンファイバー材で仕立てた、新デザインのホイールを装着

▲軽量かつ高強度のカーボンファイバー材で仕立てた、新デザインのホイールを装着

 

 ドライブモードとして、サーキットなどを走行する際に意のままにクルマを操りながら最高のパフォーマンスを発揮できるR(レーシング)モードと、どこまでも快適に走れるGT(グランドツーリング)モードの2種類を設定したこともトピック。また、モードにあわせてカラーや表示内容が変わるインストルメントパネルのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)をポリフォニー・デジタル社とコラボレーションして開発し、走行シーンに合わせてドライバーが最も望む情報を瞬時に表示かつ調整できる設定を配する。Rモードでは赤いライティングで彩られたインストルメントパネル全体がドライバーに向かってせり出し、直感的な操作がしやすいコクピットに変化。ステアリング周りに配置した4画面には、4輪それぞれのタイヤ温度、空気圧、ブレーキローター温度、駆動力配分をリアルタイムで表示する。対してGTモードでは、インストルメントパネルのライティングが青色へと変化し、Rモードで4分割していたステアリング周りの画面が統合され、エアコンやオーディオに加え、サスペンションおよびスタビライザーのセッティングなど、グランドツーリングに最適な情報を表示する。また、サスペンションとスタビライザーについては走行中でも画面上で簡単かつ直観的に操作してチューニングできる世界初のシステムを採用した。一方で運転席と助手席には、スポーツ走行で乗員を最適にホールドし、長距離ドライブも快適に楽しめる、軽量で高剛性なカーボンファイバー骨格のバケットシートを装着。シートベルトには4点式を配備している。

▲ドライブモードとしてサーキットなどを走行する際に意のままにクルマを操りながら最高のパフォーマンスを発揮できるR(レーシング)モードと、どこまでも快適に走れるGT(グランドツーリング)モードの2種類を設定

▲ドライブモードとしてサーキットなどを走行する際に意のままにクルマを操りながら最高のパフォーマンスを発揮できるR(レーシング)モードと、どこまでも快適に走れるGT(グランドツーリング)モードの2種類を設定

▲モードにあわせてカラーや表示内容が変化するインストルメントパネルのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を採用。GTモードではインストルメントパネルのライティングが青色へと変化する

▲モードにあわせてカラーや表示内容が変化するインストルメントパネルのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を採用。GTモードではインストルメントパネルのライティングが青色へと変化する

▲Rモードでは赤いライティングで彩られたインストルメントパネル全体がドライバーに向かってせり出し、直感的な操作がしやすいコクピットに変化する

▲Rモードでは赤いライティングで彩られたインストルメントパネル全体がドライバーに向かってせり出し、直感的な操作がしやすいコクピットに変化する

▲軽量で高剛性なカーボンファイバー骨格のバケットシートを装着。シートベルトには4点式を配備

▲軽量で高剛性なカーボンファイバー骨格のバケットシートを装着。シートベルトには4点式を配備

 

 AR(拡張現実)と VR(仮想現実)を体験できる専用のヘルメットを装着することで、リアルとバーチャルのどちらの世界でも走りを楽しむことができるようアレンジしたことも、新しい試みだ。停車中にヘルメットのVR用ブラインドシールドを使えば、クルマがゲームシミ ュレーターとなり、タイムアタックや対戦モードで楽しみながら運転スキルを磨くことが可能。対して実際のサーキットを走行する際には、ヘルメットのAR用スケルトンシールドを使用することで、サーキット上に自身や友人、プロドライバーのデジタル「ゴースト」を表示し、競いながら運転スキルを向上できる新しい運転の楽しみ方を提供する。さらに、スポーツ走行用にチューニングした最先端のLiDAR技術を組み込む自動運転技術を採用し、公道でもサーキットでも高い安全性を追求した。

▲ショーの舞台ではデジタルモデルとして先行公開されたプレミアムEVミニバンのハイパーツアラー(写真・左)と、コンパクトクロスオーバーEVのハイパーパンク(同・右)の実車も披露される

▲ショーの舞台ではデジタルモデルとして先行公開されたプレミアムEVミニバンのハイパーツアラー(写真・左)と、コンパクトクロスオーバーEVのハイパーパンク(同・右)の実車も披露される

 なお、ジャパンモビリティショー2023の会場では、デジタルモデルとして先行公開されたプレミアムEVミニバンのハイパーツアラーと、コンパクトクロスオーバーEVのハイパーパンクの実車も披露。ハイパーフォースとともに、日産のEV時代の最新デザインおよび車種ラインアップを予感させる展示内容となっていた。

 

SNSでフォローする