CARイベントレポート【第12回クラシックカー・スポーツカーin科学館】

科学技術の観点でクルマを楽しむ。「気づき」と「学び」が体験できる

 クラシックカーやスポーツカーが公営のミュージアムを舞台に並ぶ珍しいイベント、クラシックカー・スポーツカーin科学館が千葉県立現代産業科学館(千葉県市川市)で例年開催されている。

同館普及課の野口さん(左)とガレージYUASA代表の湯浅清さん(右)

 2011年にスタートしたこのイベントは、コロナ渦での休止を挟んで今年で第12回目の開催。年を追うごとに認知度が高まり、周辺地域以外からもクルマ好きが集まるようになったという。

 この科学館は、千葉県の産業に応用された科学技術を体験的に学べる施設。同県の基幹産業のひとつになっている鉄鋼・石油産業と並んで、自動車も人気の展示であり1919年製のT型フォードが動態保存されている。

同館で動態保存されている1919年式T型フォード。湯浅さんと野口さんが製造当時に合わせたコスプレで登場

 この個体のレストアを担当しているのが同県松戸市のガレージユアサが、自動車好きの職員と協力してスタートしたのだそう。

 会場のサイエンス広場に集まった車両は60年代、70年代の名車を中心とした41台。

1919年式T型フォードは年に数回試乗体験のチャンスがある。事前予告はされないので出会えた方は幸運!

 クラシックカーは1988年以前に製造された国産・外国産の車両だが、スポーツカーに関しては製造年代の制限なし。欧州車を始めとした旧車の整備・修理で定評のあるガレージユアサ代表の湯浅清さんが呼びかけただけあり、クラシックカー部門は希少かつ好コンディションの車両が並ぶ。

千葉県立現代産業科学館は千葉県の基幹産業のひとつである鉄鋼・石油産業を支える自動車の歴史を知ってもらうことを目的に2011年にスタート。年に1回のペースで継続的に開催されている

 中にはオーナーズクラブ代表や旧車系イベントの主催者の方などもいて、愛好家の間ではそれと知られる個体も見受けられた。

 総武線・下総中山駅や本八幡駅から徒歩圏内にあり、地域の子供たちやファミリーも気軽に来場できる点もこのイベントの魅力。オーナーたちも来場者たちの質問に答えたり、運転席に座らせてくれたりと、会場内で交流の輪が広がっていた。

クルマ好きの子供たちや家族連れの来場者も多かった。駅から徒歩圏なので気軽に観られるのもうれしい

 同館自慢のT型フォードがエンジンをかける機会があり、通りすがりの方たちも貴重な光景に驚きながら見入っていた。 「年に数回は無料の試乗会も行っているんです。告知をすると試乗希望者が集まりすぎるので、事前の告知はしていません」(同館普及課の野口仁志さん)というから、偶然居合わせた方は幸運といえるだろう。

大人気だった82年式DMCデロリアン。「レストアに2年、タイムマシン仕様化に1年かかました」(折笠さん)

 

名車の数々を、産業技術の結晶という視点から楽しめるイベントである。機会があればぜひ一度ご参加を。

■車種:クラシックカー(製造から30年以上経過している車両)またはスポーツカー(製造年代不問)
■開催日:2025年3月2日
■参加台数:41台
■問い合わせ先:ウェブサイト

 

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