新たにトヨタの最上級に位置するブランドに発展した「センチュリー」の原点である初代の復刻版カタログ。カタログは1969年版(原寸298×245mm、20㌻編集)。センチュリーはトヨタ・グループの創始者である豊田左吉翁、生誕100周年と明治100年を記念したネーミング(=センチュリー)を冠して1967年に誕生したトヨタのフラッグシップ。初代&2代目クラウンと、センチュリーの前身となるクラウンエイトを手がけた中村健也氏が開発を主導した。欧米の高級車の模倣ではなく、「伝統的な日本の美」を追求したのが特徴で、エンブレムには宇治平等院の飾りをモチーフにした「鳳凰」を採用。ボディカラーの名称にも「フジ・ノーブルホワイト」「カムイ・エターナルブラック」「ウンゼン・ミスティグレー」など、和名が付けられていた。メカニズムは、当時の最先端。パワーユニットは3ℓ・V8(当初150ps/24kgm、1969年に170ps/25kgmに改良)。サスペンションは前後トレーリングアーム式で、フロントにはエアばねを組み合わせていた。パワーアシスト付きのステアリングも、リンケージの大半をエンジン上部に配置した独特の構造だった。ラインアップはD/A/G/Bの4タイプ。基本的にショーファードリブンというキャラクターだったが、Aタイプはオーナードライバー向けで、トランスミッションにはフロアタイプの4速MTを採用。前席をセパレート形状に仕上げていた。初代センチュリーは改良を重ねながら、1997年まで生産された。
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