CARイベントレポート「クラシシェスVW・トレッフェン・イン・ジャパン」(2025年10月号)

選りすぐりのヴィンテージVWが伊豆に集合

第8回目の今回が最後の開催となる。その他VW関連のイベントについては主催するフラット4のウェブサイト(https://www.flat4.co.jp/)を参照のこと

 フォルクスワーゲン・ビートルことタイプ1は、2003年までに2100万台以上が生産され、同一車種の量産記録を塗り替えた名車。現在も多くが現役で活躍し、オーナーの楽しみ方やこだわりはさまざまである。たとえば、クラシシェスVW・トレッフェン・イン・ジャパンは、主に50年代までに製造された“ヴィンテージVW”の魅力に焦点を当てたオーナーズイベントとして知られている。

「今後もVWの魅力を伝えるイベントを開催していきます」(FLAT4広報担当の川崎さん)

 日本のビートル・オーナーたちを支えてきたショップ、フラット4の主催で2010年より2年に1回のペースで開催されてきた “ヴィンテージVWの祭典”だ。今回は2025年6月21日(土)から22日(日)にかけて中伊豆ワイナリーヒルズ(静岡県伊豆市)で6年ぶりに開催された第8回の会場を取材した。

51年式タイプⅠの希少なスプリットウィンドウモデル。ベルギーからパーツを入手しているそう(木本さん)

 富士山をのぞむワイナリーシャトーのなだらかな斜面の芝生に並んだヴィンテージVWは約60台。過去最高の参加台数になったという。

54年式タイプⅠカブリオレ。元レースカーを独のコーチビルダー・ヘブミューラー仕様に仕上げた1台(玉井さん)

 ノーマル車高とオリジナルホイールをキープした車両であることをはじめ、モデルごとに厳格な条件が設けられている。

岩瀬さんの54年式タイプⅠカブリオレは珍しい右ハンドル。この日のBBT(ベルギーのVWショップ)AWARDを受賞

 いずれもこの日に向けて仕上げられた好コンディションの車両ばかりであり、それぞれにオーナーたちの歴史が刻まれている。全国から集まったオーナーたちは、参加した1台ずつにじっくり時間をかけて見入っていた。

49年式タイプⅠスタンダード。「ドイツ復興のアイコンというビートルの歴史にもひかれます」(棚橋さん)

 カーショーのエントリー車はぶどう畑の中を周回した後、観客たちが待つ中を1台ごとにパレードランで入場。独特のVWの空冷サウンドを楽しませてくれた。

タイプⅠのオーバルウィンドウやスプリットウィンドウなどの希少なモデルがズラリと並んだ

 会場にはエントリー車のほか、ノーマル車高の一般入場空冷VW専用エリアも設定。ヴィンテージパーツやミニカーなどのグッズを販売するショップブース、希少な車両の展示スペースなどもあり、参加者の注目を集めていた。

カーショー参加車両の以外にも一般入場の専用エリアにはバラエティ豊かな空冷VWが並んだ

 ヴィンテージVWオーナーたちの貴重な交流の場である「クラシシェスVW・トレッフェン・イン・ジャパン」は今回をもって幕を閉じることになった。有終の美を飾るイベントに参加できたオーナーは幸せだ。

スワップミートやBBT・CSP・WOLFSBURG WESTなど海外スポンサーのパーツ展示・販売も

 これからもヴィンテージVWの魅力は変わらない。今後も各地で開催されるVWやヒストリックカーのイベントを通じてその魅力を伝えていってほしい。

ヴィンテージ派オーナー向けに入手困難なレアパーツを忠実に再現したFLAT4オリジナル製品を販売

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