フォルクスワーゲン・ビートルことタイプ1は、2003年までに2100万台以上が生産され、同一車種の量産記録を塗り替えた名車。現在も多くが現役で活躍し、オーナーの楽しみ方やこだわりはさまざまである。たとえば、クラシシェスVW・トレッフェン・イン・ジャパンは、主に50年代までに製造された“ヴィンテージVW”の魅力に焦点を当てたオーナーズイベントとして知られている。
日本のビートル・オーナーたちを支えてきたショップ、フラット4の主催で2010年より2年に1回のペースで開催されてきた “ヴィンテージVWの祭典”だ。今回は2025年6月21日(土)から22日(日)にかけて中伊豆ワイナリーヒルズ(静岡県伊豆市)で6年ぶりに開催された第8回の会場を取材した。
富士山をのぞむワイナリーシャトーのなだらかな斜面の芝生に並んだヴィンテージVWは約60台。過去最高の参加台数になったという。
ノーマル車高とオリジナルホイールをキープした車両であることをはじめ、モデルごとに厳格な条件が設けられている。
いずれもこの日に向けて仕上げられた好コンディションの車両ばかりであり、それぞれにオーナーたちの歴史が刻まれている。全国から集まったオーナーたちは、参加した1台ずつにじっくり時間をかけて見入っていた。
カーショーのエントリー車はぶどう畑の中を周回した後、観客たちが待つ中を1台ごとにパレードランで入場。独特のVWの空冷サウンドを楽しませてくれた。
会場にはエントリー車のほか、ノーマル車高の一般入場空冷VW専用エリアも設定。ヴィンテージパーツやミニカーなどのグッズを販売するショップブース、希少な車両の展示スペースなどもあり、参加者の注目を集めていた。
ヴィンテージVWオーナーたちの貴重な交流の場である「クラシシェスVW・トレッフェン・イン・ジャパン」は今回をもって幕を閉じることになった。有終の美を飾るイベントに参加できたオーナーは幸せだ。
これからもヴィンテージVWの魅力は変わらない。今後も各地で開催されるVWやヒストリックカーのイベントを通じてその魅力を伝えていってほしい。