【表紙のクルマの物語】MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R(2025年12月号/渡邊アキラ)

 本誌『CAR and DRIVER(2025年12月号)』の表紙は、サーキットを疾走するMAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12Rと、追走するNR-AベースのわがPTC CAR and DRIVER Racingのメディア対抗ロードスター耐久レース(通称:メデ耐)のマシンである。

 12R(761万2000円)は、スーパー耐久参戦で得た知見をフルに導入した限定200台のメーカーコンプリートモデル。200psにファインチューンされた2リッターユニットを搭載した、サーキット走行を存分に楽しむための「究極のロードスター」である。すでに商談予約の抽選受付が終了しているため購入は難しいが、ファンにとっては存在するだけでうれしい夢の1台である。

 ちなみに最高出力184psの標準仕様(526万5700円)は2200台を生産。こちらは街中からサーキットまで『レンジの広い「走り」と「質感」にこだわった逸品』。もちろんレース経験が存分に生かされている。予約受注は10月24日に開始されたが、すでに完売となっている。

 ロードスターは、1989年の誕生から36年、「小型オープンスポーツカー生産台数世界一」のギネス記録を日々更新し続けている。初代NA型は、当時絶滅の危機にあったライトウェイトスポーツを、「人馬一体」の走りにより見事に復活させた功労車だ。以来、4世代にわたり一貫したコンセプトのもとで生産。世界中に多くのファンを獲得してきた。中でも4代目となる現行ND型は、「ファンは高級志向のロードスターを求めているわけではない」と原点回帰した意欲作。ボディサイズを切り詰め、軽量化を徹底し、小排気量エンジンを組み合わせた。

 ND型のデビューは2015年だった。すでに相応の時間が経過しているものの、古さをまったく感じさせない。それは、マツダが折に触れ改良していることもあるが、何より、走りの楽しさを追求する姿勢がタイムレスな価値を持っているからだろう。ロードスターに乗ると、いつも「いいな」と感じ、ドライビングに夢中になっている自分がいる。こんなクルマは他にない。

 今回のニューモデル、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERが魅力的に映るのは、ロードスター本来の価値を、徹底的に磨き込んでいるからである。

 発表の場では、開発主査の齋藤茂樹氏をはじめ、開発陣の笑顔が印象的だった。

雑誌『CAR and DRIVER』連動記事

CAR and DRIVER (2025年12月号)のご紹介

  • 巻頭企画 CD的【いま気になるクルマ】2025年版/MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERの全貌+【2025-2026最新モデル・ズバリ解説】+【CDワイガヤ会議〜最新モデルもいいけれど、“ちょっと前のお宝クルマ”がカッコいい!】
  • 【SPORT CAR FILE SPECIAL】 フェラーリ849テスタロッサ/その全貌解説と、開発責任者とのラウンドテーブル
  • 【新車紹介+試乗記】日産リーフ+SUBARUソルテラ+スズキ・クロスビー+ホンダ・プレリュード+アルファロメオ・ジュニア+ボルボEX30+アウディSQ5スポーツバック+SUBARUクロストレック
SNSでフォローする