ACEA(欧州自動車工業会)が12月に発表したメーカー別新車販売データを紹介する。
1〜11月の欧州市場(EU+EFAT+UK)で最多販売を記録したのはVWグループ(フォルクスワーゲン、シュコダ、アウディ、キュープラ、セアト、ポルシェ、ベントレー、ブガッティ、ランボルギーニ、マン)で、326万3542台。これは前年同期比4.6%増にあたり、マーケットシェアは27.0%。前年同期比0.7ポイント拡大した。
ステランティス(プジョー、オペル/ボグゾール、シトロエン、フィアット、アバルト、ジープ、アルファロメオ、DS、ランチア、クライスラー、ダッジ、マセラティ、ラム)は176万601台で、同4.5%減。
第3位はルノー・グループ(ルノー、ダチア、アルピーヌ)の123万1225台(同6.8%増)。
中国勢は上海汽車集団(SAIC)とBYDが欧州でも主要なプレイヤーとして存在感を発揮し始めた。上海汽車集団は欧州においては英国の名門ブランド、MGを通じてBEVなどを展開している。2024年7月の時点で欧州委員会は上海汽車のいは38.1%の追加関税、BYDには17.4%の追加関税を決定している。従来からの関税10%に加えての課税だから、価格にはかなり厳しい影響があるように思われた。
だが、ACEAのデータを見る限り上海汽車1〜11月販売は前年同期比比26.1%増と、追加関税の影響は感じられない。BYDは前年実績値が小さいため増加率は桁違いになっているものの、年間販売台数20万台は来年には確実に達成しそうである。月販平均2万台超えは現実的な数字といえるから、2026年には30万台を超える可能性も考えられる。
上海汽車集団もBYDも、商品ラインアップがBEV限定でない点は強みだ。市場は「現実的な排出ガス抑制策」としてPHEVを選択した場合には、現在の商品群から欧州市場に向けて供給できる。
