【CDワイガヤ会議/300万円台のクルマ選び:中古車編】憧れの存在もユーズドカーなら、グッと身近に! ショップの在庫リストから、お店の哲学を知るのも大切

2017年式レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル。高値安定だったイヴォーク・コンバーチブルもようやく300万円台で入手可能に、その唯一無二のキャラクターは魅力的。現行モデルにはオープンは未設定なので、その価値は高い

2017年式レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル。高値安定だったイヴォーク・コンバーチブルもようやく300万円台で入手可能に、その唯一無二のキャラクターは魅力的。現行モデルにはオープンは未設定なので、その価値は高い

自分の欲しいクルマを「値段の高い順に並べる」と、相場感が理解できる

山本善隆(以下:山本)/300万円台でユーズドカーを選ぶ場合、どのような選択肢があるのでしょうか。
九島辰也(以下:九島)/クルマ選びの基準として、「新車時の価格が1000万円以上していたモデルを選ぶ」とか、「600万円から700万円していた人気のSUVを選ぶ」といったテーマが考えられるでしょう。600万円以上していたモデルでも、数年で300万円台になる場合がありますから。モデルでいうと、VWティグアン、ポルシェ・マカン、メルセデスGLC、ジープ・ラングラーなどが、このジャンルに入ってくると思います。

GLC

マカン

西村泰宏(以下:西村)/中古車好きは「高かったクルマを安く、上手に買う」のを好む傾向があります。ただし新車時より大幅に安くなった高額車両を購入すると、「すぐに壊れる」とか「激安モデルには落とし穴がある」という声を聞くのも確かです。確かにユーズドカーになって車両価格は下がっていても、修理やメンテナンスに要する費用は新車時と変わりません。相応のコストが掛かることを覚悟しておく必要があります。総合的に考えると。新車から100  万〜150万円くらい安くなったモデルを狙うのが王道の中古車選びかもしれません。

ジープ

レンジ

山本/300万円台で普通に乗るクルマ、バイヤーズガイド的なアドバイスとしてはいかがでしょうか。
西村/新車に近いモデルを好むのであれば、BEVが狙い目です。というのは、新車時BEVは高額ですが、ユーズドカー市場では補助金分はクルマの評価額から省かれるからです。600万円のBEVでも、50万円補助金を受け取っていれば、新車時価格は550万円という評価からスタートになるのです。
九島/確かにBEVは割安感が強いですね。
西村/メルセデスEQSのように、新車時価格が高いモデルは、とくにそう感じます。充電環境が整うのならば、BEVは狙い目だと思います。水素ステーションが近いなら、MIRAIも300万円台で購入できるモデルになります。
山本/PHEVはどうでしょうか。
西村/PHEVは流通している台数が少なく、ユーズドカー市場では価格帯が形成されていない状況です。三菱アウトランダーPHEVはほとんど流通していません。輸入車のPHEVも同様です。

西村さん

九島/流通台数でいえば、SUVは台数が多いので、選び甲斐がありますね。
西村/台数は多いのですが、メルセデスやBMWは白と黒が圧倒的に多い状況です。個性的なボディカラーを選ぼうと思っても難しい状況です。マツダ車は赤の台数が多いほうですが(笑)。
九島/マツダといえば、CX-8はどうですか。
西村/いい選択だと思います。新車で購入したくても、もう買えないモデルですし。認定中古車やディーラーでいいモデルが選べそうです。
九島/冒頭でいった、高額車はどうですか。
西村/BMW7シリーズのようなスーパーラグジュアリー系は狙い目です。一般的には馴染みの薄いモデルは、中古車で激安になる傾向があります。
九島/個人オーナーで7シリーズを選ぶケースは確かに少ないでしょうね。BMW6シリーズのグランクーペなども、お洒落な雰囲気があっていいと思うな。
山本/ジャガーはどうですか。
九島/XF、XEともにいいクルマだと思う。
西村/だけど、中古車では人気がない(笑)。一定の年数がいくと、ジャガーは激安になってしまいます。自動車雑誌で試乗記を読んだ記憶のないモデルだったり、あまり評判を聞かないジャガーやアストンマーティンは300万円台から見つかります。
山本/ショップの検索などで気をつけるポイントはありますか。

九島さん

西村/お店の在庫一覧を確認することが大切。お店がどういう条件を重視してクルマをストックしているのかが見えてきます。お店の哲学が浮かび上がってきます。
九島/お店に行けば、ほしい情報は入手できるけれど、いつでもお店に行けるとは限らないですし。
西村/自分が求めているモデルが、1台だけ並んでいるようなお店は避けたほうがいいかもしれません。中古車が、どうしてそのお店に集まってきたのかを考えると、ポツンと1台だけあるのは不思議に思えてきませんか。
九島/検索の条件にも気をつけるポイントがあるんですよね。
西村/はい、値段の高い順序で並び変えることです。最も高い価格を付けているモデルはどんなクルマなのか、年式・走行距離・グレードなどがわかります。それに対して、自分が探している条件のモデルはどういうポジションにあるのかが理解できます。安いクルマを探そうとしているのか、標準的な条件を希望しているのかは把握しておいた方がベターです。自分の予算と、世間一般の条件の関係を把握しておくことは重要です。
九島/同じモデルでも前期型と後期型でも値段は変わってきます。全体の相場観を把握することが重要ですね。

山本さん

山本/高額なSUVはどのような状況ですか。
西村/ランクルは300万円台で買える状況です。200のプラド、先代の70も300万円台で条件に合ってきます。
九島/JK型ラングラーは300万円台で大丈夫。JL型は争奪戦の状況だと思います。
西村/2018年よりも前のディフェンダーは市場に出てくると、安く買えます。しかし、流通台数が少なく、市場に出ると即売状態です。
九島/レンジローバーの小さいモデル、レンジローバー・スポーツとかイヴォークなどは300万円台からでしょう。
西村/イヴォークのコンバーチブルは、なかなか価格が下がらなかったのですが、最近になってようやく落ち着いてきたように思います。
九島/イヴォークのコンバーチブルはセレブ感があって、いいクルマだと思います。

ボクスター

山本/ポルシェはどうですか。
西村/996型911は300万台で購入できます。
九島/ボクスター、ケイマンを選ぶというのはどうでしょうか。996型よりも、お勧めかもしれない。
山本/国産スポーツはどうですか。
西村/今年の初めごろは、2010年くらいの日産GT-Rなら300万円台で購入できたと記憶しています。しかし、現在は600万円、700万円の世界になっています。
九島/GT-Rは買えないクルマになってきていますが、AMGのC63なら300万円台で狙えます。
西村/BMW M2のクーペも300万円台です。
九島/アルピナは流通台数が少なく、走行距離が多いという特徴があります。アルピナのオーナーはとにかくよく走る。
山本/2020年代後半になると、新世代のハイブリッドや自動運転技術などが新しい局面を迎えると予想しています。それまでの期間はユーズドカーのエンジン搭載車で楽しむという考え方もありそうですね。
九島/中古車選びの際にAIDAS(安全・運転支援装置)の性能は気になりますね。
西村/AIDASを日常的に利用しているユーザーは、AIDASなしのモデルは選びにくいでしょうからね。

 

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